ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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知らんがな
ときどきわけのわからんことを聞いてくる御仁がいるだろ。
自分でもなにを訊きたいのかわかっていないんですね。

これにはもうひとことで済ます。
なんて。

知らんがな。
冷たいですね。

DSC_9362.jpg

そうだよ世間はつめたいものなんだ、とわからせてあげてるの。
そういう意味があるんですか。

なんでもやさしくしていればいいってものじゃない。
優しいほうがいいですけど。

もっと長期的なスパンで考えてあげないとだめだろ。
そうは言ってもね。

それにそういう根性だといつか孤立するよ。
そういうものですかねえ。

それにこっちだっていろいろと忙しいんだよ。
そうはみえないですけど。

こころのなかは全力疾走なんだぜ。
うそばっかり。

まあ、だけどおまえに付きあってやるヒマはないんだと。
わかりますかね。

だから言うぜ、おまえのことなんか知らんがな。
そういうことね。

なにごとも最後は自分で決断するしかない。
そりゃそうです。

ラーメンの塩か醤油か豚骨かどれが美味いか、知らんがな。


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知らんけど
世のなかにはいろんな人がいるもんだね。
そういわれればそうですね。

なにか聞いてくる前に自分で考えるってことをしないのかな。
そういう人はしないでしょ。

どうして。
だってそうほうが手っ取り早いから。

間違った答えを返したら。
そのときは責任とってもらわなきゃってなるでしょうね。

ほー、ずいぶんと虫のいい考え方だな。
そういうことですね。

だからだな、よく最後に付け加える人がいる。
なんて言うんですか。

N9880メダカ一匹

知らんけど、って。
たとえばどんなふうに。

それなら絶対トライしたほうがいいね、知らんけど。
発言に責任はもてないよっていう宣言をしているんだ。

そういうことになるのかな。
おもしろいですね。

関西だとふつうに言うけどね。
そうなんだ。

ちょっと相手をおちょくっている感もなきにしもあらず。
そう言われたくなければ自分で考えろ、が含まれているんだ。

そういうことだね、自立しなさいよ、人に頼ってばかりじゃいまに泣きをみるよって。
なかなかきつい言葉だ。


踊り場で読書
木造の建物には階段に踊り場があった。狭い空間ながらちいさな机と椅子が二脚おいてある。低い位
置に切られた窓からは空がみえた。ふたり向かいあって座ってそれぞれが本を読んでいた。顔は見知
っているが話したことはないふたりだった。話しかけられればこたえようと思ったがそれもない。こ
ちらから話してもいいがとも思ったが踏ん切りがつかない。じりじりと時間だけがすぎてゆく。なぜ
かこの状況が好ましく思えてきた。本を閉じ口と鼻の下に手をやってすこし考えた。にやりとしたの
だろうか。そのとき彼女はこちらを見た。たしかに見た、と思う。だが彼女はなにもなかったかのよ
うに本を読みすすめている。すこし意固地な気分になってきた。絶対にこちらからは話しかけはしな
い。負けてなるか、とすこし力んだ。くちびるが真一文字に切り結ばれ、鼻息もフンと鳴っただろう。
そのとき、彼女はうつむいたと同時に両肩をこきざみにゆらした。クックッと偲び声も漏れてきた。

DSCN0103.jpg

「「他人」の壁」 養老孟司・名越康文 SB新書 ★★★★
本書の対談の大きなテーマは「他人への理解」「気づき」なんだが、結局、「気づき」の裏側って違
和感ではないかと養老先生はおっしゃるのだ。日常生活のなかでちょっとした違和感がある。だれも
が程度の差はあれもつのではないか。その違和感が大切なのではないかと養老先生はおっしゃる。
『違和感を抱き続けるってどういうことかというと、人間の本当の意味での体力とか強さというもの
が試されるんですよ。そいう違和感に対するストレスに、耐えていくのが体力なんであり、ある種の
強さなんです。だから、そのために山や森へ行って感覚を養えと何度も言っているんです。そこに耐
える力が弱いと、「そういうもんだ」という生き方しかできない。それで「気づけない」「わからな
い」と言っても、当たり前のことなんでね。楽をした瞬間に何かができなくなる、損をするというの
は当然のことなんです。(養老)』
ヒトの無意識の世界は水面下の氷とおなじようなもの。その無意識が発する違和感をだいじにして考
え続けること。それが思考するということなのだ。考えない人生はつまらない、のではないか。考え
ることにお金は必要ない。だれも平等にもつ時間だけが必要となる。できれば静かな環境があればい
いが、必須ではない。電車のなかでも、ベッドや寝床のなかでも考えることはできる。まさしく自由
思考である。考えることは楽しいことでもある。
『僕自身も若い頃から絶えずやってきたことで、自分の頭の中で「これ、変じゃねえか」という違和
感を持つということですよね。だって、変だと思ったら、それは自分が変なのか、相手が変なのか、
どちらかだから。自分を変えるか、相手を変えるかでしょう。そういう意味では、今の人たちは「相
手が変だ」というほうが多いんじゃないか。僕はそれを不寛容と言うんです。「違和感があるぞ、変
なのは俺じゃない、こいつだ」となって、相手を抹殺する。不寛容の極みです。だから、「あるもの
はしょうがないじゃないか」ということ。「あってはならない」と寛容できなくなった瞬間、人は不
寛容になるんです。(養老)』
寛容ということで考えさせられるエピソードがこれだ。でもわからない人もいるのだ。
『三木武吉という昔の政治家が、国会で「この中に妾を4人も囲っている者がいる」と遠回しに批判
されたことに対し、三木が「事実は5人です。5を4と数えるがごときは小学校一年生でもしない」
と言い返した。さらに「5人とも年老いたけれど、これを捨てるような不人情は自分にはできない。
今も5人とも養っております」と答えたというね。聴衆も爆笑して拍手喝采だったと。(養老)』
ユーモアのない世界は生きづらい。そうつくづく思う。

「結婚」 井上荒野 角川書店 ★★★
いつの世にも詐欺師というのはいる。人の欲望・希望・願望をたくみについてお金を巻きあげる。そ
のなかのひとつに結婚詐欺師がある。鳥海真司(とりうみしんじ)、大海銑次(おおがいせんじ)、
そして古海健児(うるみけんじ)、同一人である。彼にとっては職業というよりは生業というほうが
ぴったりする。詐欺師だから偽名を使うわけだが、これらの名前どこか似ている。どれも海がつく。
宝石商、あるいは宝石鑑定士と称する。小柄な優男タイプだ。騙される女性は、東京で学習塾事務員
をしている柊亜佐子、佐世保でシャンソン歌手の円地マユリ。実は古海(本名)は結婚していて初音
という妻がいる。そして彼にとっては最初の客でありいまや相棒となったるり子だ。続いて、社交ダ
ンス教室に通う七戸鈴子と仙台で家事代行会社社員をしている穂原鳩子が登場する。彼女は思う。
『男と不動産は似ている。
 マンションを買ったときにそう思った。
 条件ではないのだ。いいところと悪いところを秤にかけて迷うのではなく、そんなこととは無関係
の「これしかない」と思える物件を手に入れるべきなのだ。ただそうやって選んだつもりでも、失敗
するときには失敗する。』
さらに被害者、あるいは虜になった女性がふえていくのか。しかし犯罪はいつかは破綻する。鳩子が
消えてしまった鳥海の後を追う後半はミステリのような展開になっていく。ディーン・フジオカ氏で
映画化されるとのこと。見る気はないが、キャストミスではないか。男前すぎるかも。結婚詐欺師っ
てもっとふつうの男のイメージなんだが。しかし荒野さんの文章にはなぜか引き込まれていく。そし
て結末はいつも余韻を残すというか、消化不良というかなにか考えさせられるものがある。現実もそ
うだがものごとはいつもきちんと終わらない。そのほうが圧倒的に多い。だから逆に小説にはハッピ
ーエンドを望むのだろうか。


テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

取説を読まないヒト
電気製品など機器類には取扱説明書が添付されている。
縮めて「取説」ともいう。

もちろん取り扱いに際しての手順、注意点が書かれている。
だが、いっさい読まないという人たちがいる。

決して字が読めないというのではない。
読むのが面倒、あるいは読む必要なんかないという。

えっと思うのだ。
じゃあどうして使うのか。

あっちこっち触っているうちにわかるから。
それにそのほうが手っ取り早いし。

そうなのか。
すごいと感心する。

いろんなところで訊いてみると、なんと読まない派のほうが主流だということがわかる。
進化はそっちの方向か。

触ってわかるというのは高度な類推思考をともなうということは理解できる。
ものごとは試行錯誤だということも知っている。

しかし時代はここまですすんでいたとは知らなかった。
読む派のわたしは時代に取り残されているのだ。

N9981鉄人28号

気にしなくていいわよ、いろんな人がいての多様性でしょと微笑まれた。
慰められてもいっこうに嬉しくないのだ。


物忘れ世代
なにかをしようとしている。
そんなとき、かならずといっていいくらい別のことがうかんでくる。

すると、先ほどまでなにをしようとしていたのかがもう思いだせない。
ああなんたることかと嘆かずにはいられないわけですね。

そうなんだよね、記憶の持続時間が短いんだ。
若いころもそういうことあったんじゃないんですか。

あったかもしれない。
でも、思いだせないということ。

でもね、逆にもう忘れてしまいたいことは忘れない。
記憶は反芻することによって強化されるらしいです。

そうか、忘れたい忘れたいと思いつつ思いだしているわけだ。
皮肉なものです。

だけど、物忘れして格別困ったこともないんだよね。
そうそう、忘れてもいいんですよね。

でもね、人の名前とかが思いだせないと気になるんだよ。
顔は浮かんでくるのにでしょ。

なんだか便秘の方の気持ちがわかるような気がする。
出そうで出ない。

そういうことを忘れたころにぽろっと名前がでてくる。
もう必要ないのに、ですね。

N0083笠岡港待合室




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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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