ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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読書景色
本を読みながらなにかをぶつぶつとお経のように呟いている。
そんなことを、だれかに以前言われたことがあった。
本人はまったくそんな意識がないのだから、ずいぶんと驚いたものだ。
これも癖というようなものの範疇にはいるのだろうか。
無意識のなせる業とはいえ、やはりその人に備わっているのである。
しばらくはなぜか気になって読書に集中できなかった。
だが、それで迷惑をかけないならそれを矯正することはない、と断じた。
いまでも、そんなふうに読んでいるのだろうか、すこしは気になる。

「死の開幕」 ジェフリー・ディーヴァー 講談社文庫 ★★★
「ボーン・コレクター」で一躍有になった作家、今回は初期の作品。
若くてちょっと無鉄砲、しかし憎めない制作会社アシスタントのルーン。
それにからんでくるのがNY市警爆発物処理班の刑事サム・ヒーリー。
ポルノ女優のドキュメンタリーを撮ろうとして行動しているうちに、
その女優は何者かに殺されてしまう。
それも時限装置につながれたプラスチック爆弾によってである。
最後にあっと驚く展開見せるのではあるが…。
職業に貴賎はないといっても、ポルノ女優に世間の風は冷たい。

「お伽草子・新釈諸国噺」 太宰治 岩波文庫 ★★★
昔話のパロディと、井原西鶴の太宰流翻案小説とでもいえるだろうか。
「五大国民童話」として定着していった、
「桃太郎」「猿蟹合戦」「花咲爺」「カチカチ山」「舌切雀」を題材にとってある。
パロディはもちろん誰もが知らないと成立しない。
しゃれたひとひねりを加えられなければ、ただのまがい物になってしまう。
若い頃に読んだ、「女生徒」や「斜陽」にくらべてどうもいまいちだ。
それとも、ぼくの感じ方が変化してきているのだろうか。

「悪夢のサイクル」 内橋克人 文藝春秋 ★★★★
規制緩和とは、だれのためになされたものだったのか。
考えるに、規制がなされるにはそれなりの理由があったはずである。
だから、十羽一絡げに規制緩和というのもおかしなものである。
というようなことは、だれでも分かっていると思っていた。
しかしそうではなく、そこを利用とする輩がいつの時代にもいるのである。
あるいは、その目的のために耳障りのいいスローガンをかかげる。
まあ、コマーシャルと同じでいいことしか言わないのである。
薬にしても、薬効があれば副作用もあるように。
ネオリベラリズム(唯金主義とでも言おうか)が崩せない国もあるのだ。
『マネー資本主義と唯一違う文化圏があります。それがイスラム諸国です。』
そう知れば、米国がなぜ中東を眼の敵にするのかが分かる(?)。

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愛の賛歌
駅からの帰り道、もうあたりはすっかり暗くなっている。
川沿いの道を歩けばウシガエルだろうか、グウグウと低くくぐもった声。
見上げると、夜空には星がまたたいている。

踏切を越え、水のはられた田のそばを通ればグァアグァアと大合唱。
こんなにたくさん、いままでどこにいたのだろうかと思わせる。
突如地底より湧き出でたようなそんな趣きもあり。

片や電柱の蛍光灯には羽虫が群がる。
点滅を繰り返す外灯は、ランプの寿命が尽きようとしている。

おかしいような、哀しいような変な気分になった。

マーク・トウェインも言っている。
「ユーモアの秘密のみなもとは、喜びではなく悲しみである」

朋あり遠方より来る
ひさしぶりに日本に帰ってきたS氏を囲もうと、話がまとまる。
K市の郊外にある我家にみんなが集まってきた。

まだすっきりと引越しが終わってはいないのである。
いますこし水廻りなどに手を入れないといけないだろう。
それも、小休止ということにして、さあ宴会だ。

ひとしきり飲んで食べて、笑って…。
昔話にも花が咲いてゆく。
時間を遡るような感覚に、思わず微笑むのである。

若い頃の面影が残るものあり。
すっかり様変わりしたものも、もちろんある。
時代の波に洗われたのか、くぐり抜けたのか。

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駅に見送ってから、犬と散歩すればひろがる山河あり。
霞むように見えるのは、春の名残であるのか。

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読み疲れ?
ストーリーにのめりこんで読んでいるうちはいいのだが。
問題は読み終わった後に、なんともいえないけだるいような感じが残る。
ミステリなど読むと、ことさらにそういった印象が強くなるようだ。
ヒトはどこまで残酷になれるのか、など思ってみてもしかたがない。
ことはそう単純な疑問に収斂はしないのである。
作用・反作用というのがあり、入射角と反射角というのもある。
こんなふうに単順に答えがでないところが、なかなか人生はむずかしい。

「凍る夏」 T.J.パーカー 講談社文庫 ★★★★
もと警官でいまは犯罪記者のラッセル・モンローと脳腫瘍に冒された妻イザベラ。
かっての愛人でトップモデルのアンバー・メイの惨殺された死体を発見する。
『神を畏れることが知恵のはじまりだとすれば、
何が恐怖のはじまりと言えるだろうか?
わたしにはわかる。少なくとも、自分の恐怖についてなら。
自分に力がないことを悟るのが恐怖のはじまりなのだ。』
こういうふうな感情をもって主人公は事件に立ち向かってゆく。
しかし、最近こういった(腫瘍におかされた)設定が多くなってきたと感じる。
これも時代を映しているのだろう、とは考えるのだが。

「大阪弁「ほんまもん」講座」 札埜和男 新潮社新書 ★★★
大阪弁といっても、他地方の人がよく分からないというものがある。
その代表例が、「なあなあ」という呼びかけ、東京なら「ねえねえ」という。
『この「なあ」という大阪弁、室町時代に生まれたらしい。
さらに遡れば、平安時代に行き着く。
平安期の京都に「なう」があり、これが「のう」と「なあ」に分かれる。
「のう」が「なあ」より古い。
「のう」は和歌山に伝わり、「のう もし」となり、「のし」という方言が生まれる。
「なあ」は名古屋に伝わり、「なあ もし」となり、「なも」という方言が生まれる。
大阪では「のう」が廃れ、「なあ」が生き残ったという。』
ふーん、なるほどねえ、というしかないんだが…。

「凶悪」 ビル・プロンジーニ 講談社文庫 ★★★★
<名なしの探偵>シリーズ最高作、と書かれていた。
私立探偵のわたし(もちろん名なしだ)が遭遇する事件のかずかず。
いまはモデルのメラニーの出生の秘密を探るうちに次第に深まる謎のかずかず。
『人間は厄介な悩みを抱えている。
皮膚の色が黒でも、白でも、赤でも、黄色でも、茶色でも―
中心は混乱した粘土の塊であり、一万年の進化の過程でも、
お互いにうまく付き合う方法なども含めて、たいしたことを学んでいないのだ。
そういうふうに見ると、自分のことが謙虚に感じられるし、そう感じるべきである。』
テンポもあり、一気に読ませる力量を感じる。
しばし時間を忘れて読みふけってしまうのでありました。

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青葉滴る
ひさしぶりに雨が降った。
街路のアスファルトが濡れて陽に光っている。

雨上がりの木陰を歩いていると、
突然の風で木の葉にたまった雨水が落ちてきた。
ちょっぴり冷たかった。

にわか雨のときなど、雨よけにする木々も、
こんなときには逆効果である。

見上げるプラタナスの樹が、
なんだか、いたずら小僧のように思えて、
すこしこころがなごんだ。

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読み薦める
なんだかだといろんな事が立て込んでくると、こころが落ち着かなくなる。
そんなときには、なにか気分転換が必要である。
旅にでるのもよし、近場の温泉でゆったりとするのもいいかもしれない。
しかしながらである、ぼくならそれは読書ということになる。
まったくちがった世界(?)のなかで自由な想念を遊ぶ、ということだろうか。
われながら、いくぶん自閉的である、と思わないこともない。

「純粋理性批判殺人事件」上・下 ミケル・グレゴリオ 角川文庫 ★★
題名を見て、思わず手にとってしまった。
だれでも推察できるのだが、なんとイマヌエル・カントが登場する。
もちろん、チョイ役(?)などではないのである。
カントの住むケーニヒスベルクで殺人事件はつぎつぎと起こる。
そこへ呼ばれた若きシュティフェニース判事が真相解明にあたる。
解説や裏表紙には、賛辞が並べられているのだが、いまひとつピンとこない。
作者もなぞの人物とかで経歴もあきらかにされていない。
こんなことで評価を得ようとするのは、時代錯誤ではとも思ってしまった。

「おはようからおやすみまでの科学」佐倉統・古田ゆかり ちくまプリマー新書 ★★★
毎日の「便利」な生活は科学技術があればこそである。
料理・洗濯、さらにはゲーム・電話、視点を変えればいろいろと見えてくる。
人類は科学技術をつかって、より効率的な生活を手に入れた。
それはすなわち、自由な時間を手に入れることだったのである。
食べるためではなく、興味を満足させるために時間が使えるようになった。
しかし、はたしてそれで幸せになったのであろうか。
幸せに暮らすためにはどう科学と付き合っていけばいいのか。
これがじつは、はなはだむずかしい課題なのである。

「ボディ・サイレント」ロバート・F・マーフィー 平凡社 ★★★★
脊髄の腫瘍の成長によって徐々に動けなくなってゆく人類学者。
彼自らが病気の進行状況を人類学のテーマとして描き考察した本書。
最初に飛び込んできたこのことばに思うこと多し。
『歩くことができないかわりに、
宙を飛ぼうとする、
すべての人々に本書を捧げる。』
こんな素直な文章がこころに残る。
『身体障害ということについて私は以前、
他人に起こった不幸というぐらいにしか考えたことがなかった。
それは私には何の関係もないし、ありようもないことだった。
障害をもつ人が視界の中に入ってくることはあったが、
私の心がその人のことをしかと受けとめることはなかった。
我々の文化において広くみられる選択性盲目症とでもいうべき現象だ。』

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未整理
あっというまに連休も終わってしまった。
まだ、転居に伴う雑事山積みであります。

それでも、4日はO市へ。
O君宅で愉快な時間を過ごすことができた。
例によって、うまいお酒にうまい料理、加えて楽しい会話。
いつもいつもありがとう、と感謝。

といってるあいだに、こんどはO市から荷物がやってくる。
まてさて、どうなることなのであろうか。
たれぞ知るものあらんや。



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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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