ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
07 | 2008/08 | 09
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

読書はゆられながら
机の前に座って、静かに読書するのがどうも苦手である。
落ち着かなくなって、つい引出しを開けて中のものの整理を始めてしまう。
あるいは、書棚の前に立って順番に書名を読んでいったりしてしまう。
それよりか、列車の走るなかでかすかな揺れを感じながらする読書がいい。
眠くなれば本を伏せて眠ればいいし、のどが渇けばビールなぞを飲む。
本のなかの世界へいつのまには入り込んでしまっていることも多いのである。
そんなとき、いつのまにか降りる駅ははるかかなたに霞んでいる。

「妻はなぜ夫に満足しないのか」 安岡博之 角川oneテーマ21 ★★★
「私と仕事、どっちが大事なの?」、妻が夫に詰問する代表例である。
この問いは、同一線上に並べられないものを比較せよというものだと男は理解する。
まあ、「人の命と地球、どっちが重いか?」と同じようなものだけど…。
『もし若い女性にもてたいと思うならば、一緒にいて、
その女性が際立つような服装を選べば、最高である。
決して自分が目立つのが、お洒落なのではない。
そういう目で見てみると、妻が夫のために選んでいるのは、
実は一緒にいて、妻の方がよく見えるという規準での服装のはずである。』
妻はなぜ夫に、満足しないのか、ではなく、満足しようとしないのか。
という問いも成り立ちうるものだろうか、と考えてみるのもいいかも知れない。

「キリング・フロアー」(上)(下) リー・チャイルド 講談社文庫 ★★★★
ジャック・リーチャーが通りかかったジョージアの田舎町でいきなり逮捕される。
彼は元憲兵隊にいた軍人であったが除隊し、いまは放浪の旅を続けていた。
殺人容疑で拘束されるのだが、まったく身に覚えのないことだった。
ところが、その殺された男というのが実の兄だったことがやがてわかる。
兄は財務省で通貨偽造の調査をしていたのだった。
こうして彼はその真相を知るために事件を追ってゆくことになる。
そんななかでも、人と人との出会いはあるのだ。
『「欲望という名の電車」という古い映画に出てきた女、ブランチが言ったように、
放浪する者は他人の好意を頼りに生きている。
特別な気遣いとか、物質をではない。精神的な励みをだ。』
ちょっとリーチャーは常人離れしているが、そこがまた魅力でもある。

「ロゴスの名はロゴス」 呉智英 メディアファクトリー ★★★★
この書名を見て、「ゴメスの名はゴメス」を思いだすのはたやすい。
ロゴス(言葉)とは、ロゴス(論理)のことなのである。
『宝飾品や高級時計などによく使われる貴金属に、「ホワイト・ゴールド」がある。
これを「白金」だと思っている人が多い。
そのまま日本語にすればそうなるような気もするが、白金はplatinumである。
ホワイト・ゴールドはプラチナとは別の貴金属で、
金に少量のニッケル、銅、亜鉛を混ぜて白色にした合金である。
美しくて加工が容易なのでプラチナより広く利用されている。
この訳語はなく、「ホワイト・ゴールド」のままで使われている。
新しい訳語をあえて作れば「しろきん」だろうが、どうもまぎらわしい。
ところが、さらにまぎらわしいことに、
「白金」を「しろがね」と読めば、銀の古語雅語になってしまう。』
こんなふうに混乱することも多いのである。
そういえば、中学の英語の時間、runは経営する意味もあると習ったなあ。

スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

とまらない読書
読みだしたら止められない、そんな本に出会えたら幸せだという。
(ということはそういう本は滅多にない、ということを含意している、のだろうか)
しかし、そうなる人は何事にものめり込みやすい性格なのだ、といえないこともない。
ぼくの場合なら、読んでいる間は紡ぎだされる連想が途切れないことがある。
連想が夢想へと変容するようなことがなかったとはいえない。
だが、それが思考と呼ばれるためには、世間が理解できるものでないといけない。
ということで、夢想と思考にたいしたちがい(?)はないのである。

「殺人カップル」 ジェイムズ・パタースン 新潮文庫 ★★★
ワシントン市警の刑事で心理学のドクターでもある黒人刑事アレックス・ クロス。
であるから、彼は犯人のプロファイリングができるのである。
事件は小学生が住宅地で殺されるところから始まる。
それとは並行して、有名人が連続して狙われ殺される殺人事件が起こる。
彼らの最終目的は大統領暗殺だということで、捜査に加わることになる。
「ジャック」と「ジル」と名乗る冷酷なカップルの殺人者だ。
これは大統領夫妻を内部で呼び表わす呼称なのである。
どこかに内部情報に通じている者がいるにちがいない。
しかしこの二つの殺人事件は交わることがなかった。
ふつうならなんらかの関連がありそれが他の事件の伏線となっていたりするのだが。
従来のミステリとはすこしちがった手法ではあるが、なかなかおもしろい。

「あたりまえなことばかり」 池田晶子 トランスビュー ★★★★
日常のたいていのことは、常識で考えればなんとかなるようなことばかり。
なのに、テレビメディアの言説に惑わされるのはどうしてなのだろうか。
やはり、自分の頭(?)で考えない習慣がついてしまっているからか。
楽な方向へ(ほんとうに楽なのか疑問だが)、人は流れるというのである。
『いかなる理由によってか、われわれは死すべき身体として存在する。
人は、快楽の無理由は受け入れ易く、苦痛の理由は受け入れ難い。
「なぜ(よりによって)私がこのような苦痛を受けるのか」とのみ、問うのである。
しかし、快楽とは苦痛の裏返しである。
身体の苦痛は心の不幸ではないのだから、身体の快楽は心の幸福ではない。
すると、心の幸福はどこにあることになるのか。』
幸福を考えている間は、幸福ではない、というパラドクスも成り立ちそうだ。
しかし、そんなに幸福にならなくてもいいのではないか、とも思うのだが。
せめて、平安な日々が続くだけでもよしとしよう、は贅沢に過ぐるか。

「「人間嫌い」のルール」 中島義道 PHP新書 ★★★
「人間嫌い」とは、わずらわしい関係を断って生きたいとする性向だ。
だがけっして、他人を敵視しているのではない。
ただただ、そっとしておいてほしいのだ。
小さな親切、大きなお世話、というではないか。
『「人はひとりでは生きていけない」。
その言葉を錦の御旗に、表向きうまくやるのが「おとな」、
できない人は病気をと蔑む―
他人を傷つけないという名目の下に、
嘘やおもねりも正当化されるのが日本社会である。』
多くの人が横並び(つまり突出を許さない)志向なんですね、日本は。
もちろん、マイナス方向へのドロップアウトもアウトだ。
みんな仲良くしましょうね、って、それが嫌な人もいることがわからない。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

ローマの休日
本を読んでいると、こんなことが書いてあった。

『Roman holidayを少し大きい英和辞典で引いてみると、ざっとこんなことが書いてある。
●Roman holiday:他人を犠牲にする娯楽。
古代ローマで奴隷や捕虜を闘わせ、これを観戦するのを休日の大衆娯楽としたことから。
バイロンの『ハロルド家の御曹司』中の
Butchered to make a Roman holiday
(〝ローマの休日〟をするために殺戮された)による。』

オードリー・ヘップバーンは、新鮮で素敵だった。
洋画といえば連想されるそれまでのグラマーな美女とはひと味ちがっていた。
だが、この映画を見て古代ローマの奴隷にまで思いをはせる日本人は少ない。
むしろ「ローマの休日」は気まぐれだが憎めない世間知らずの王女と、
偶然知り合った新聞記者たちが巻き込まれて起こるエピソードをからませた、
単なるラヴ・コメディーと思ってる人が多いだろう。
(新聞記者やカメラマン、さらには理髪師が犠牲者だといえなくもない)
もちろん映画のタイトルは「Roman Holiday」(小文字と大文字では意味がちがう)。
同じじゃないけど、原題はチクリと風刺もきかせているわけだ。

ローマ関連の記述がもうひとつ。

『最近、ヨーロッパを旅行する観光客に人気のあるのが、
ドイツ南部のロマンチック街道である。
ヴュルツブルグからフュッセンまでのこの街道は古い家並みが保存され、
確かにロマンチックだ。
しかし、途中にアウクスブルグ(アウグストゥスの町)という
古代ローマの皇帝の名にちなむ都市があるように、この街道は「ローマ街道」でもあった。
ローマの道はロマンチックな道なのである。』

こういうどちらにでもとれる語とか、和製外国語には頓珍漢がよくあります。
フランス語のavec(アヴェク、英語ならwithですね)がなぜか、アベックになったように。
まあこのことばも死語でしょうか、さしずめいまならカップルとでもいうのでしょう。

そういえば、岐阜県にもロマンチック街道という道路がありました。
(こういうことを知ってしまうと、ちょっと恥ずかしくなってしまいます)
日本国中、いろんな由来の知れない変な名称の道路がありそうです。
確かに、「ローマへの道は一日にしてならず」(意味分からない?)(笑)。

註:引用は、「ロゴスの名はロゴス」 呉智英著 メディアファクトリー刊 より

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

蝉のムクロ
朝夕がめっきりと涼しくなって、一気に秋に突入かと思わせる。
夜もクーラーのお世話にならずにエコ(?)生活である。
おまけに電気代もかからずに一石二鳥だと考えることもできる。
(この一石二鳥、漢語からきているのかと思ったらイギリスのことわざだった)
(kill two birds with one stone)

そんな気候のせいでもないのだろうが、道端に蝉がころがっている。
横に傾いでいたり、仰向けになっていたりする。
あのうるさいほどの鳴き声もしないので死んでいることがわかる。

3762木立

蝉の一生をはかないと思うは錯誤でしかないかな、とは思う。
人生の70年(あるいは80年)と比較して、こう感じるのだろう。
しかし、ものごとの軽重は時間の長さで測れるものだろうか。

たとえば、睡眠量を考えてみるとこんな式になる。

睡眠量=睡眠時間×眠りの深さ(熟睡度)

乗算、つまりは面積で表わされるのである。
時間の長さだけで判断できるものではない。
だから、十分の睡眠時間をとったはずなのに眠いと感じたり、
短時間の睡眠時間であっても、ぐっすり眠ったと満足できたりする。

しかし、時間の長さのみを問題にするのはよく経験することだ。
恋愛の三角関係では、しばしば交際期間の長さが問題になったりする。
まあ、我輩にはあまり関係のないことではあったが…。

こんなことを思うのも秋が近づいたせいだろうか。

やもり
ふとんの上に寝転がって本を読んでいた。
天井の電灯のあたりを蛾が飛んだような気がした。
まあいいやと、そのまま本を読み続けた。

突然、あれっなにかちがったかなと思う。
蛾なんか飛んでいない。
じっと天井の電灯を見ると、カバーのなかをなにかが動いている。

3950やもり

やもり(守宮)、だ。

「あれ、やもりやなあ」
「ほんまやわ、よう見るよ」
「あんななかに入ったら出られへんで」
「入ったんやから、出られるやろ」
「いや、簗みたいになってるかもしれへん」

家守というくらいだから、いるのはいいのだが心配だ。
けっこう可愛い顔してるんだよなあ。

会社から帰ってきて、すぐにその部屋に行く。
どうしてるかなと見にいったら、その状態のまま動かなくなっていた。
暑さでやられたのだろうか。
可哀そうなことをしてしまった。

3952守宮

黙祷。

谷間に読書
世間では毎年恒例の盆休みに入っているらしい。
いつもの通勤電車も空いていて、席にも座れるしのんびり気分だ。
会社での仕事も静かで集中できるし、ことのほかはかどる。
なぜなら、ふだんはうるさく鳴る電話も沈黙を守っているからだ。
昼休みに読書していると、どこかの静かな谷間にいるような気がした。
小説のなかの物語がそれに呼応するようにひっそりと息を継ぐ。

「ウォッチメーカー」 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋 ★★★★
リンカーン・ライムとアメリア・サックスのお馴染みのコンビシリーズ第七弾。
今回の犯人は自らを「ウォッチメーカー」と名乗る。
次々と起こる殺人現場にはアンティークの置時計が置かれていた。
その殺人方法は死に至る時間を長引かせる極めて残忍な手口なのだ。
では、犯人はなにが目的で連続殺人を行なっているのだろうか。
キャサリン・ダンスは人間の細かい動きや反応で嘘や隠し事を暴く。
「キネクシス」専門の捜査官で、まあ尋問の専門家ということだが、なかなか興味深い。
前回も登場していたが、新人の魅力で加わったロナルド・プラスキー巡査もいいな。
全体には、ややスピード感に欠けるがさすがディーヴァーといったところだ。

「チェイシング・リリー」 マイクル・コナリー ハヤカワ・ミステリ文庫 ★★★
引っ越したばかりのベンチャー企業家のピアスのもとに電話が次々にかかってくる。
そのだれもが「リリー?」と訊ねるのである。
興味をもった彼が調べ始めると、リリーはネット上に広告を出していることが分かった。
しかも美人で人気のあるエスコート嬢だということが判明した。
では、なぜ電話番号を変えていないのか。
ピアスは自分でもなぜだか知らないうちに、リリーのことを調べ始めていた。
こうして彼は自分とは無関係に起こったと思っていた事件に巻き込まれてゆく。
だが、決して無関係ではなかったことが徐々に分かってくる。
最先端のナノテクノロジーの世界で、事件は進展してゆくのであった。
しかし、ハリー・ボッシュのシリーズに慣れた身としてはやや物足りなさもある。

「空中ブランコ」 奥田英朗 文藝春秋 ★★★★
怪しい精神科医、伊良部一郎のシリーズ第二弾。
今回登場する患者の職業(?)は次のとおり。
サーカス団で生まれ育った空中ブランコ乗りの山下公平。
空中ジャンプで失敗を繰り返すが、原因はパートナーにあると思い込んでいる。
渋谷界隈をシマとするヤクザ・紀尾井一家の若頭、猪野誠司。
ヤクザでありながら尖端恐怖症、内縁の妻に勧められ神経科を受診する。
大学講師で、付属病院勤務の神経科の医師、池山達郎。
伊良部とは医学部時代の同級生でもある。
義父のカツラを見る度に剥ぎ取りたい衝動に駆られることに悩んでいる。
坂東真一はプロ野球選手、プロ入り10年目のベテラン三塁手。
ある試合で暴投して以来、一塁へまともな送球ができなくなる。
都会の男女の心の機微を描かせたら当代一とも言われる小説家、星山愛子。
新作執筆中に、主人公の設定が前にも同じものがあったのではと急に不安に襲われる。
笑えるなかにも、現代人の不安を暗示するようなところもあるから興味深い。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

一枚の絵葉書
探しものをして引出しをごそごそしていたら、絵葉書がでてきた。
これをもらったのはもう何十年前になるのだろうか。

投函された地はカトマンドゥだ。
山岳民族の少女だろう。
「この写真とても気に入っています」と余白に走り書きしてあった。

3938ネパール

トレッキング目的で出かけていったようだ。
そこからはサガルマタが見えるのだろうか。
一番高いところで5400mまで登るらしい。
「高山病がすこし心配ですが」とも書いていた。

そんなKさんもいまはもういない。
だが絵葉書を読むと、いまも声が聴こえてくるのだ。

本棚の奥
なにかの加減で書棚の本を引き出したとき、その奥になにかが見えることがある。
我家は空間を最大限に活用(?)しているので前後二列収納が標準仕様だ。
懐かしい書名に導かれるようにその頃のことが浮かんでくる。
手にとって頁をひらくと、なかに挿んであったしおりがこぼれ落ちる。
どこのだと思ってみると、東京神田の三省堂のものだった。
その頃、水道橋の駅で待ち合わせて神田神保町方面へ歩いたのだった。

「たった一人の反乱」 丸谷才一 講談社 ★★★
防衛庁への出向を拒否して通産省を辞め、民間社会に就職した馬淵英介。
彼はひょんなことから知り合った若いモデルと再婚することになる。
しかし、彼はこどもの頃からの女中といっしょに暮らしているのである。
女中と若い妻、さらには妻の母親の母とも同居することになる。
その老母は殺人事件で刑務所に入っていたが出所してきたばかりなのである。
とこういうように、いろんな人間関係が錯綜してゆくのである。
しかし、評論を読んでいて彼(丸谷氏)にいだいていたイメージとはちがった。
どちらかというと、随筆・評論の方がおもしろいと感じる人が多いのではないか。

「東京美術骨董繁盛記」 奥本大三郎 中公新書 ★★★★
骨董品のなかでも、陶器や磁器にはときに欲しいなと思うものがある。
棚に飾っておくのではなく、日常の用にして使いたいのだ。
だがしかし、どうしてこんな値段がとびっくりするようなことも多いのである。
そんなときは複雑な心境になる。
自分の鑑識眼が誇らしく思ったり(これはまことに少ないのだが…)、
やはり需要(人気)と供給(思惑)の関係で値が決まるのか、と残念がったり。
『〝腹に入ったら〟人の保証なんかいらぬ、というのである。
今の美術商もコレクターも、保証してくれ、本物かと念を押す。
自分の目でものを見ていない。
それだけに腹に入ったら買うという自信、その迫力が印象的なのだ。
見たとたんドキッとするものがある。その感動が大切なのである。』
なにごとも自分で考え決断しなかったことには感動がないのである。

「人類と建築の歴史」 藤森照信 ちくまプリマー新書 ★★★
建築と宗教の祭祀は密接に関連している。
ギザのピラミッドや、現在進行中のバルセロナのサグラダ・ファミリアがその例だ。
ではなぜ建築物が必要なのだろうか。
その答えを藤森氏はこう読み解く。
『住いは個々人のものだが、
建築は個々人を超える神や社会のもので、
その時代の人々の共同意識が作り出し、
そして一たび作り出されるや、逆に人々の意識を組織化する。』
こう記述にあるように、一般の住居に関する書物ではない。
ですから、どこそこのお宅訪問というような興味で読むと失望するだろう。
建築を通じての、文化論なのですから。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

読んで読まれて…
暑いときに読書がよくできますね、などという人がいる。
彼(あるいは彼女)は読書をあまりしたことがないのだろうと思う。
気候、温度は読書に関係しないのである。
作物が生育する環境などと同じように論ずることはできない。
否、もしかしたら暑いほうが読書に適しているのかもしれない。
ほかになにもやる気がしない暑さでは、本でも読んでいるしかないではないか。
だって、読まないでいるとなんだか生きているという気がしないのだ。

「「反日」以前」 水谷尚子 文藝春秋 ★★★★
丹念に実際に人と会って、話を聴いて書きとめていったものが本になった。
『周知の通り中国共産党は、敵を味方につけることで強大化していった。
例えば、日中戦争期。物資の乏しかった八路軍は、
日本軍から奪った三八銃などの武器の使用法を日本人捕虜から習い、
それを手にとって敵と戦った。
また、日本の敗戦後、国民政府軍との内戦が始まると、
八路軍の対日工作者たちは日本軍から武器を譲り受けようと奔走し、
残留日本人の中から医療関係者や飛行士、科学者や技師、
職人など内戦に必要な人材をかき集めた。
革命遂行のため日本人を利用したのである。』
当然、こうした徴用は半ば強制であったろう。
一方的などちらかが悪い式はどうもなじめないのである。
どんなことがあったのかが知りたいのであり、知らなければいけない。

「風の影」(上)(下) カルロス・ルイス・サフォン 集英社文庫 ★★★★
生涯にいちどは訪れてみたい街バルセロナを舞台にして物語りは展開する。
ダニエル少年が父に連れられて「忘れられた本の墓場」で、偶然に一冊の本とであう。
それがフリアン・カラックスが書いた「風の影」だった。
カラックスの本を求めて壮大な物語が展開してゆくのである。
『誰かのことを愛しているかどうか、一瞬でも考えてしまうようなら、
その人はもう、その相手を愛してはいない、その先も永遠に愛することはないって、
そう言った人がいるよ』
ディケンズを思わせるような語り口に引き込まれてゆく。
有名な映画「ローマの恋人」の評は次のように書かれている。
『冒険好きなルーマニアの王女と、
ぜったい髪の乱れないハンサムなアメリカ人記者の
くだらないロマンス映画でしたが、』
そういう見方も確かにあります(笑)。

「日本の食と農」 神門善久 NTT出版 ★★★★
『自然食品が安全・安心であるとか、健康によいという保証はない。
農薬が寄生虫のリスクを減らしたのは周知の事実である。
ジャガイモの芽のように農産物自体が天然毒を持っており、
放射線照射によって発芽を止めたほうが、天然毒からは安全ということになる。
自然食として賞賛される玄米も、消化が悪くて、人によってはかえって健康に悪い。
路地物よりも野菜工場で水耕栽培によって無菌栽培された農産物のほうが、
生食には安全・安心ということになる。
自然界の有毒物質のほうが人工農薬よりも危険であるという指摘もある。』
そして、暑いときに読書がよくできますね、などという人がいる。
彼(あるいは彼女)は読書をあまりしたことがないのだろうと思う。
気候、温度は読書に関係しないのである。
作物が生育する環境などと同じようには論ずることはできない。
否、もしかしたら暑いほうが読書に適しているのかもしれない。
ほかになにもやる気がしない暑さでは、本でも読んでいるしかないではないか。
だって、読まないでいるとなんだか生きているという気がしないのだ。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

夏は夜
夏は夜、とはいえども暑さ去りやらぬ。
月も見えぬ都会とて、地下街はさらなり。
迷路のような通路もなほ。
注文の声の多く飛び交ひたる店に入りぬ。
また、ただ一つ二つなどジョッキを重ね、ほのかにうち酔いてゆくもをかし。
雨さらさらに降ることもなし。

ひさかたの なにわの宵に 集いける ほほくれないの ときはふりつむ

3920OKINAWA.jpg

南風と書いて、確かウチナーグチでは「パイカジ」だったかな。
八重山に行ったとき、石垣島にそんな名前の店がありました。

3926南風

本土の人たちのことをヤマトンチューといいます。
沖縄の人たちは、ウチナンチュウーです。
どこの土地でも地元とそれ以外の区分はあります。
でも、このことばも「ウチワ(内輪)」というのと似ていますね。

また島に行きたいなあ。
でも、どこからが島で、どこからが大陸(?)なんだろう。
考えると寝られなくなりそうです。

0013ニシ浜

テーマ:真鍋島の愉快な仲間 - ジャンル:旅行



プロフィール

ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カレンダー

07 | 2008/08 | 09
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー