ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
02 | 2010/03 | 04
S M T W T F S
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

読書感想文
この文章を書くことをわが相方は、そういう言い方で揶揄(?)するのである。
確かにそうなのだが、わたしにとっては小学生の頃のことを思いださせる嫌な言葉なのだ。
遠足に行けば作文を提出しなさいなどというから行く前からゆううつになる。
夏休みも課題図書を読んで感想文を出す宿題がかならずあった。
たいていは直前まで忘れていて、前の日になってあわててひーふーいいながら書いた。
いまなら屁理屈もいえるので、なにも書くことがないことをるる書いたりしそうだ。
だからときにこれを書くのが嫌になるのは、小学生時代のオペラント条件付けかもしれん。

5237ハーバーランド

「青い眼がほしい」 トニ・モリスン 早川書房 ★★★
九歳の黒人少女クローディアからみえる世界は大人の考えるような世界ではない。
ふつうに生きてゆくにも人間関係のしがらみから自由でいられるはずもないことをよく知っている。
クローディアのともだちのさらに貧しいピコーラは青い眼にあこがれている。
『猫は、彼女のひざに身をすり寄せた。
それはからだ中が黒い猫で、深みのある絹のような黒色をしており、
先が鼻のほうを指している眼は、青味をおびた緑色だった。
光のせいで、眼が青い氷のようにきらめいている。
ピコーラは猫の頭を撫でた。
すると、猫は喜んで舌の先を震わしながら、のどを鳴らした。
黒い顔のなかの青い眼が、彼女の注意を引いた。』
レイシズム云々というような小説でないことは確かである。
この世のなかでは、なにに価値があるだろうか。
社会は豊かな白人のために存在するのかと反問するクローディアが健気に思える。
ノーベル文学賞受賞作だそうである。

「暴力の起源」 アシュレイ・モンターギュ どうぶつ社 ★★★
テーマは、人類は「殺し屋」であるという考え方に対する反論である。
人類の殺人行動は本能なのかということだが、だが本能の定義がなかなかむずかしい。
その矛先は動物行動学のコンラート・ローレンツ、ニコ・ティンベルヘン、
そして弟子のデズモンド・モリス、さらには科学作家になったロバート・アードレイに向けられる。
『人類は裸のサルではなく、あの原罪、カルヴィン主義者やその現代における同調者のいう
あの偉大な悪の力により、天国を追われた天使でもない。
さらに、人類はただの動物という概念に還元することもできない。
なぜなら、われわれは人間的な動物、他の動物にはない性質をもつ人類、
すなわち、驚くべき学習の可能性をもち、およそあらゆる姿に変わりうる生物なのである。』
いまではあまり言われなくなった、人間は動物とはちがうのだ、という考え。
筆者の議論の根底にはつねにこの考えがこびりついているかのようである。
ヒトだって動物のなかのひとつの種ではないか、とはどうしても考えたくないようである。
最近の動物行動学の報告に子殺しをするハヌマンラングールなどあって、筆者も劣勢である。

「フロスト日和」 R・D・ウイングフィールド 創元推理文庫 ★★★★
デントン市(架空都市だ)はデントン警察署に勤務するおなじみフロスト警部シリーズ。
これでシリーズすべて読み終えてしまうのが、なんだかもの悲しい気分だ。
すっかり気心(?)も知れたマレット署長、ウェルズ巡査部長、アレン警部ともお別れである。
今回は、警部から格下げになったうえデントン署にとばされてきたウェブスター巡査が相棒だ。
相も変わらず次々と事件が起こり、フロスト警部は奔走するのである。
まったく無関係に起きた事件だと思って読んでいると、最後にはみごとにつながっている。
なみなみならぬ力量を見せる作者であるが、ペーソスも充分にある。
なぜ警部をやっているかというと、そこに事件があるからだ、とでもいうようである。
だらしない服装も場をわきまえない冗談も、これが最後なのだなあ。

スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

深夜の会話
こごえた身体を湯につかって温め、Nくんのマンションに帰還する。

夜更けてのアルコールはヒトにどういった作用を及ぼすのであろうか。
ヒトは一人で生きるようにできてはいない。
ではあるが、夫婦といえどもいつもいっしょだと、気にくわないこともあるだろう。
というのが今夜のテーマではないが、話ははずんでいくのである。
女子チームと男子チームの対抗戦の様相をどうしても呈してしまう。
ふだんは面と向かっていえないことも、仲間がいるとこころ強い。

談論風発してやや窮地、つとわが援軍はと見やると運転の疲れからか眠っていた。
敵方はここぞとばかりに攻めてくるのである。
こういうときは、どうするのか。
いろんな方策があるが、矛先を変えることが肝要である。
しかし敵も然る者、我が意を見すこしたように牽制してくるのである。

でもってついつい焼酎に手がのびることに相成る。
のんでこころを落ち着け考えるが、酔いで思考力低下。
いつしか眠っていたのであろう、気がつけば朝である。

5256コメダコーヒー

「コメダの珈琲」でモーニングタイム。

5255カフェオレ

やっぱり仲間はいいなあ、そんな思いが空へのぼって旅も終了である。

テーマ:真鍋島の愉快な仲間 - ジャンル:旅行

とこなめ招き猫通り
黄砂にも早春の寒さにも負けず、常滑にやってきた。

猫好きの人たちにとっては、たまらないのだという。
だがなぜか郵便ボストの上にはネズミの配達人がいた。

2307ポストマン

いろんな猫が道路わきのコンクリート壁に張りついている。
ご利益のある陶器製の招き猫たちである。
とぼけた、ユーモラスな猫たちをご覧あれ。

2309猫1

2310猫2

2313猫3

2316猫4

2317猫5

2319猫6

最後は橋の上にいる巨大招き猫。
猫の背後にのぼってきて見たら、一瞬張りぼてかと思ってしまった。
あ~、驚いた。
(前方にいるネコも焼き物です、念のため)

2324巨大招き猫

はるか西の空に陽が沈んでゆく。

2333夕暮れ

テーマ:真鍋島の愉快な仲間 - ジャンル:旅行

いらご岬
黄砂の影響と強風で朝から寒いぞ。
車のなかから見る景色も黄色くもやがかかって遠くにかすむ。

伊良湖岬への途中で農業公園「サンテパルクたはら」に立ち寄る。
園内の花壇もゴールデンウイークねらいか、花もまばらに咲いているだけである。

2250チューリップ

だが、めざとく花や野菜の直売形式の場を発見する。
無料の花の苗を配布するというので、さっそく列に並ぶ。
これがなかなか、素焼きの鉢にはいってちょっとしたものである。
女性陣おおいに満足したようだ。
気分をよくしたところで、会場をあるいて見てまわる。

2268さつまいも

2269しいたけ

野菜の値段がスーパーでとはちがうのである。
だからか近場の農家の主婦らしき人たちもどんどん買っている。
都会で野菜を買うと、いまや流通経費を買っているようなものだともいう。
農家がスーパーに卸す金額を決める主導権は、完全にスーパー側にある。
また流通しやすい(パッケージし易い)ような形状のものを要求されるのである。
つまり、まっすぐなキュウリが好まれるのはパッケージロスがすくないからだ。
(消費者がそういうものを好むからだと言い訳はどうも眉唾だと思う)
質ではなく形が大事だとは、へなちょこ武士道みたいなことをいうものだ。
などということもあって、こうした会場は多くの客でにぎわっていた。

2283菜の花

伊良湖岬は風が強くて、潮が顔に吹きつけてくる。
強風のなか燈台まで歩いたが、寒いし海のほうもかすんでいてよく見えない。
駐車場にもどると、車は黄砂と潮風で悲惨な状態になっていた。
うーん、自然恐るべしなのである。

2287黄砂

2297伊良湖岬

さて最後の訪問地は常滑だが、日が暮れるまでに行き着けるだろうか。

テーマ:真鍋島の愉快な仲間 - ジャンル:旅行

希夢知
豊川インターで高速道路をおりる。
豊橋市内へむかうころには夕方のラッシュ時間といっしょになってしまった。
ホテルへチェックインして荷物をとりあえずおろす。
狭い部屋ながら掃除は行き届いている。
設備の古さはあるがまずは合格点、なにせ料金が格安なのである。
ダブルベッドだが6200円(もちろん二名で)なら上出来だろう。

2242セントリーホテル

いつもながら、雨の心配をしながら歩いて「希夢知」へとむかう。
そういえば前回のときは雨のなかを訪問したんだったなと思いだす。

通称先生と奥さんのヒロちゃんとは若いころに尾道で出会った。
あれから数十年がたって、それでもこうしてときおり会えるというのはしあわせだ。
たがいにそれぞれの人生を積み重ねたが、あのころの想い出は消え去りはしない。
ちょっと消えて欲しい記憶も無きにしも非ずだが、若気の至りということで(笑)。

2224希知

店の前で写真を撮っていたら、息子さん(次男)から声をかけられた。

「だれかと思いましたよ、写真なんか撮ってるから、おひさしぶりです」
「元気でやってるかい」
「はい」

忘れずにいてくれたとは、うれしいことだ。

まずは「キムチ」、これはほんとうにうまい。
(Nくんはお代わりしていました)
牛タン、カルビ、ロースなど次々と出してくれた。
最後は「希夢知ラーメン」、この色だがそう辛くはない。

2227キムチ

2228肉

2229希夢知ラーメン

「このラーメン、なんか癖になりそうな味やな」
「牛タンも、いままでに食べたのと違うわ」
「臭みがまったくなくて、この厚さには完敗ですやん」
「ロースもこれはすごいね」
「これは焼肉というよりステーキかも」
「これでしばらくふつうの焼肉屋さんに行かれへんわ」
「全然ちがうんやもの」

2230マッコリ

一段落ついた先生がやってきた。
たがいに顔を見あわせると、いろんなことがうかんでくる。
おなじ人生などひとつもないのだが、ときに交差することはある。
その記憶だけで人は生きていける、などとも言ったりする。
そんな経験ができたことを、不思議な気分でいつも反芻するのである。

「またいつでも来たらいいよ、好きなだけ食べさせてあげる」
「ごちそうさまでした、また来るよ」

2232夜の豊橋

夜半からは雨が降っていたようだ。

テーマ:真鍋島の愉快な仲間 - ジャンル:旅行

瀬戸もの
二年ぶりに豊橋まで焼肉を食べに行こう、となぜか突然に決まるのである。
Nくん夫妻もいっしょに、旧交をあたためようという企画(?)なのだ。

エコムードというか、無駄は省く精神から車は一台で行く。
このまえのNくん宅訪問では一時間半あまりだったので軽く考えていた。
それでも二時間以上前に自宅を出発する。

だが三連休を甘くみてはいけない。
日本人は連休にでかけるのが好きというか、会社を休むことに負い目があるようだ。
だから連休はいつだって、どこだって満員であり、それが人気のバロメータだ。
閑散とした(すでにこの表現が…)観光地はさみしいのである。
ということで、吹田のジャンクションの手前から大渋滞である。
なんとかたどり着いたときには三時間余りが経過していた。

だがふたたび名神高速道路に乗り入れ走りだすと、なんとこんどは渋滞がない。
うーん、時間帯等の条件ゆえなのか不可思議である。

2197瀬戸

まずは瀬戸市ですこし遅めの昼食となった。
ちいさいころから陶磁器のことを瀬戸物といって育った。
だが、土地を訪れるのは今回がはじめてである。
相方はこういうものに目がない。
高価でなくても、気に入ったものを日常で使いたい。
いつも目にふれるのだから、やっぱり好きなものをということらしい。

2214瀬戸市

窯元までは足をのばせないが、市役所周辺には瀬戸物商が軒を連ねている。
何軒か見て歩きながら、気にいった湯飲みをひとつ買い求める。

5261瀬戸湯呑

神戸からやってきたというと、店主がこんな話をしてくれた。
サンプルをもって関西各地をまわったときのことなど。
「やっぱり土地柄というのか、おなじ関西でも好まれるものがちがいますね」
こうして情報を得ながら注文をいただいて、帰ってきて窯元に発注するのだそうだ。

2217国府

テーマ:真鍋島の愉快な仲間 - ジャンル:旅行

狂気の沙汰も金次第
世のなかに広く流布する確かな科学理論だと思われたものがほんとうはまちがっていた。
あるいは、科学的な根拠のないものだった、ということがじつはしばしばある。
登場するときには華々しくマスコミに取上げられるが、いつのまにか聞かなくなっている。
最近の代表には、南極上空のオゾン層を破壊するといわれたフロンガスがある。
そんな単純なものではなかった、ということが最近になってわかってきた。
だが、なぜかそういった否定的報道はなされないのである。
なにかが声高にいわれる場合、そこにはかならず利益を得る人々がいると思われる。
地球温暖化がそういった道具につかわれているふしがないではない。
二酸化炭素の排出権取引などその最たるものではないだろうか。
(ほんとうは減らす気などさらさらないし、減ってしまえば商売にならないというのが本音か)
まったく、筒井康隆氏ではないがこう言いたくもなるのである。

5235護岸

「今そこに迫る「地球寒冷化」人類の危機」 丸山茂徳 KKベストセラーズ ★★★★
地球が温暖化することと、寒冷化することを天秤にかければ寒くなるほうが断然問題である。
ある時期、地球上の生物がほとんど滅びたのは小惑星が地球にぶつかったせいだ。
その衝突の影響で地球は灰におおわれて太陽光は遮断され急激に寒冷化したからだ。
最近そのことがかなりの確かさをもっていることが調査からわかってきたとの報道もあった。
『環境問題とは本来、
異常に増加した人間の食糧確保のための農業と牧畜による自然破壊から始まった。
その次に起きた大きな自然破壊は約300年前の急激な人口増加だ。
当時の文明は増える人口をまかなうため、農地を確保する必要に迫られ、森林を伐採し始めたのだ。
…300年前の世界人口は約8億人、それが100年前には17億人に倍増し、
その70年後には34億人と倍増している。さらに、38年後の今日には68億人に達しているのだ。』
ほんとうは人口増加の問題を解決しなければどうにもならないことは眼に見えている。
しかし世論を二酸化炭素ガス問題に誘導することでごまかそうとしているかのようだ。
人口増加は必然的にエネルギー問題、食糧不足問題へとつながってくる。

「氷の家」 ミネット・ウォルターズ 東京創元社 ★★★★
デイヴィッド・メイベリーが失踪してから十年の歳月がすぎさった。
おだやか田園風景のなか、邸宅の氷室で死体がみつかった。
はたしてこの死体はデイヴィッドのものなのであろうか。
そうだとしたら、なぜ発見されることがなく今日にまで至ったのだろうか。
こうして事件は始まり、失踪事件当時のウォルシュ首席警部がふたたび屋敷にやってくる。
この屋敷には妻だったフィービと友人の二人の女性が暮らしていて村人からは嫌われている。
当時の事情を知らないマクロクリン部長刑事が徐々に主人公になってゆく。
事件の流れもさることながら、フィービと友人のアンそしてマクロクリンが織りなす人間模様。
これが本書のメインテーマということになるのだろうか。
脇役にも個性的な人物を配してなかなか重厚で読ませるミステリであります。
CWA最優秀新人賞受賞のデビュー作というからミステリファンなら読まずにはいられない。

「人はダマシ、ダマサレで生きる」 池田清彦 静山社文庫 ★★★★
ダマス人がいれば、ダマサレル人も当然いるわけである。
ダマサレタ経験があると人はダマシテヤロウということを考えるようになるのだろうか。
『僕みたいに疑うのが習い性になっていると、
何でもウソじゃないかとすぐ思うけれど、人がいい人はすぐに騙される。
自分でよく考える習慣や反省的意識が足りないのかもしれない。
人には「自分の決定を正しいと思いたい」というくせがあるのだろう。
一回信じたら、よほどのことがない限り、騙されたとは思いたくない。
それで、なんとなくあやしいと思っても意識的に目をつぶってしまう。
ズルズル騙されつづけている人がいるが、そこから抜けだせない理由がこれだ。』
ダマスよりはダマサレルほうがいい、などと世間では言われているようだ。
たぶんそのほうが精神の健康にはいいし、こんどはダマサレルのではと思はなくていい。
ダマシテしてやったりと考えていても、マクロ的には大差がないのではないか。
もっと有限である人生を楽しんだほうがいいんじゃないですか、とも思われるのだ。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

時間を売る男
♪ サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ~ ♪

というメロディで眼がさめて、しばらく頭のなかで鳴り響いていた。
昨夜の夢と関連があるんんだろうが、夢の内容はすっかり忘れていた。

会社勤めとは自分の時間を売る商売だといわれている。
つまり、人生のなかのある一定時間を拘束されることに同意するわけだ。
もちろん本人にその意識があろうとなかろうと事実は変わらない。
その対価としての給与が支払われるという契約である。

その契約内容が不満だ(給与が安い)という声をきいたりする。
じゃあその彼はさっさと転職してゆくのかというと、そうでもない。
ただひたすら日常的に文句をお経のように唱えるだけなのだ。
お経ではないからご利益はさずからない。
逆に、周囲から疎まれるのがおちである。

こういう連中に限って、仕事もできないというのはほとんど定理にちかい。

人生の時間は、金持ちであるからとか貧乏人だとかには相関しない。
そこのところがわかっていれば、無駄口たたかずに自分の裁量で好きにすればいい。
日本の会社は時間には厳格(?)だが、仕事の質には無頓着なところがある。

だから、こういう御仁はただ漫然と長時間を会社ですごすのである。
本人も仕事時間の長さ(質とか内容ではなく)を誇り、自負さえするのである。
かくて、彼は人知れず「時間を売る男」と呼ばれるのである。

5246高架道路

スーパースター
突然、いっしょに写真を撮りたいという人が何万人とあらわれた。
横一列になるのではなく、縦にずらっと並ぶという。
これではほとんどの人は陰になって写らない。
だから一組ずついっしょに撮ることにした。

並ぶ順番は抽選するいうことになった。
だからといって辞退するという人はひとりもいない。
なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

そこでしばし考えることにした。
スタッフに列の最後尾から順に一軒ごとに訪れたい、と言った。
これはどうしてもゆずれない気持ちだった。
訪問も、とおりいっぺんのやり方では嫌だ。
時間をかけてゆっくり話したいとも希望をつたえた。
となると一日仕事だ。

5238ふたり

一万人いるとして、一日ひとりだと休みなしで二十七年以上かかる。
このために仕事をやめても悔いが残ることはない。
これが仕事なんだ、天命なんだ、と悟ったからだ。

満足げな気分になったとき、眼が覚めた。
一万人に出会うために二十七年の人生が必要なのか。
と、ぼんやり考えていると数字が頭のなかでぐるぐる廻りだした。

ときに、こんな夢をみることもある。

街中の大仏
所用があって大阪へでかけたときのこと。
なんとか用も済み地下鉄の駅へと歩いていた。

大阪とはいうが、中心部をはずれるとけっこう昔の風情があったりする。
道路のむこうにお寺がみえ、どうやら墓地もあるようだ。
街中でもあるからそう広くもないが、なにげなく見やると…。
ネットフェンス越しに大仏さまが見えるではないか。

5216街中の大仏

「あれは大仏さまだよなあ」
「そうやで、けっこうあるんよ」
「ふ~ん、大阪の人は信心深いんやなあ」
「そうよ、神戸の人とちがってね」
「信心深いとは、ふだん悪いことばっかりしてる裏返しとちゃうか」
「なんでやねん、そうひねくれた考えはせんように」
「まあ、いい光景ではありますな」
「そうやろ」

街角の地図をみると、ここ四天王寺夕陽ケ丘あたりに寺は多い。

日本人は無宗教などとよくいわれるが、はたしてどうなのだろうか。
知らず知らずに深く世間に浸透している宗教心というのがあるのかも。
困ったときのなんとやら、でないことを祈るとするか。

春雪万来
朝起きて、もう三月だというのに寒いなあと窓の外を見る。
雨かと思ったらなんと雪が降っている。
向かいの家の屋根は白く、はるかの山がかすんでいた。

相方はいつも「ここは神戸のチベットだ」という。
チベットへ行ったことがあるのか、と突っ込みをいれたいところだが、
さらなる反論をおそれて、それもいえないのだ。
だが、チベットってどんなところなんだろう。
なにかのテレビ番組で見たことはある。
モンゴロイドだから、顔つきは日本人とよく似ている。
行ってみたい気はするのである。

5165春雪

啓蟄は過ぎたが、この寒さで虫たちは逡巡しているだろうか。
木の洞でじっと暖かくなるのをまっているかもしれないな。

関西では奈良のお水取りの行事が終われば春が来るという。

毒書のすすめ
読んではいけない本というものがあるのでしょうかと聞かれたらなら、たぶんないと答える。
読むということは、読んでよかったかどうかの判断をするということをも含んでいるからだ。
読まないでその判断を他人(ひと)にたのむようでは、すでにもうこころもとないというほかない。
私が読んで危険な思想だと判断した本であっても、読むことを禁じたりはしない。
逆にあなたが読んでみた感想を聞きたくてしかたがない、というくらいの気分になる。
危険に近づいてはいけないというのは、危険の本質を知らしめないという危険思想である。
毒はうすめて処方すると、薬にもなるのはよく知られた事実である。

2169霞む山々

「ヤシガラ椀の外へ」 ベネディクト・アンダーソン NTT出版 ★★★★
アンダーソンは世界的に有名なナショナリズムの研究「想像の共同体」の著者である。
『インドネシアやシャムには、「ヤシガラ椀の下のカエル」という諺がある。
これらの国では、半分に割ったヤシガラをお椀として使う。
この椀には台がなく、底は丸いままだ。椀が上を向いているところに間違って飛び込み、
椀が引っ繰り返って中に閉じ込められたカエルは、椀を前後左右に動かすことはできても、
なかなかそこから抜け出すことができない。そうこうしているうちに、
やがてカエルの知る世界はヤシガラ椀が覆う狭い空間だけになってしまう。』
若き日本の学究ののために自身の研究してきた道を振り返ってあらわしたのがこの書である。
ある意味アンダーソンの自伝といえなくもないが、彼の真摯な姿にはうたれるものがある。
なんのために研究するのかといえば、それは知りたいということでしかないのだ。
ただただほんとうはどうなっているのか知りたいという好奇心以外にないのではないか。
謙虚に虚心坦懐にものごとを見る目も同時に必要なのではあるが、これがむずかしい。

「北朝鮮を見る、聞く、歩く」 吉田康彦 平凡社新書 ★★★
近くて遠い国というのが、いまの北朝鮮ではないだろうか。
金正日が独裁者として君臨する社会主義国家(悪いイメージでの)というのが一般的だろう。
では、一般の庶民はどんな暮らしをしているのかというとさっぱりわからないというのが現状だ。
すくない情報のなかからでも、ほんとうの北朝鮮の生活がわかるなら知りたいと思う。
『朝鮮人参の本場は開城。だから人参酒では「開城人参酒」が有名だ。
開城は朝鮮民族初の統一王朝「高麗」の首都だったので「高麗人参」ともいう。』
そうだった、高麗のときに朝鮮半島は統一だれたのであり、そこに戻るのが半島の悲願なのだ。
『「朝鮮半島非核化」は金日成の遺訓であり、金正日もないがしろにできない。
その意味で、核保有が北朝鮮の最終目的ではないことは明らかだ。』
読んでみて、そうは思えなかったがそうあってほしいとは思った。
これからどうなっていくのか眼をはなせない国だということは確かである。

「用もないのに」 奥田英朗 文藝春秋 ★★★
奥田氏はまぎれもないドラゴンズ・ファンであるうえに、人気作家でもある。
そして遅筆でも有名であるから、出版社はいろんなからめ手を考えだすのである。
ニューヨークへ松井を見に行きませんか(もちろん原稿を書くのが必要条件である)。
つい滞在中の原稿といったことは後から発覚するのだが、ついふらふらと機上の人となったりする。
小説もおもしろいが、たまにはこうしたふざけた文章(?)を読むのもいいではないか。
そう思わせる筆力が奥田氏には備わっており、ついつい笑いながら読んでしまうのだ。
しかしながら、こうした経験がどう今後の作品に姿を変えて現われるのか楽しみである。
ある意味、それができる人が作家と呼ばれることになるのは異論がないであろう。
『長蛇の列をなす評判の食堂を横目に、「そうまでして食いたいのか」と鼻で笑い、
客もまばらな店の暖簾をくぐるのが、わたしのランチである。
好きな場所は、空いている場所だ。座右の銘は、「いい人は家にいる」だ。
旅人とグルメにろくなやつはいない。用もないのに出歩くな。』
という奥田氏ではあるが、行列の先が気にならないと言ったらうそになるのも事実だ。
それでつい、口車に乗せられてこうしてあちらこちらへと出歩く羽目になる。
まあ、たまにはそれもいいではないですか(笑)。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

消費期限って?
消費期限が始まったのは、一九五五年からだという。
それまでは製造年月日を表示することで消費者が判断していた。
それでは輸出国(アメリカだ)に不利だということで圧力がかかった。
いわゆる外圧というやつだ。

そのころから自分で判断することをしない日本人が増えてきた(?)。
ということでもないだろうが、やはり気にする人は気になるのである。
まだだいじょうぶかなと、いままではにおいを嗅いだりしていたのだがそれもしなくなった。

おなじようなものに賞味期限というのもある。
どこがどうちがうのかよく分からない。
消費期限は「安全に食べられる期間」、賞味期限が「おいしく食べられる期間」だとか。
だからといって、これがついているから味がよくなるということではなさそうだ。

スーパーなどでは、一日でも期限を過ぎてしまうともう売ることはできない。
で、期限が切れそうなものは割引対象となって売ってしまおうということになる。
気にしない人にとっては福音である。
同じもの(?)が安く買えるし、精神の健康を鍛えることもできる。

そんな店頭の売り場でいつも不思議なのが、漬物についたこの期限だ。
漬物っていつからそんなに日持ちがしなくなったのだろうか。
それともこれって本当は漬物ではないのだろうか。
こころを落ち着けて、よーく考えてみよう。

5202コーヒーブレイク

外でランチ
また寒い日が続いてなんだか気がめいる。
たまにはどこか外でランチなんか食べたいな、などと相方がいう。
でも、どこかいいところがあるかな、というと。
即座に返事がかえってくるのである。
(これは以心伝心とは言わないな)

2173窓辺

「あるのよ~、それが」
「でもあまり遠いと日帰りは無理だな」
「近くよ、小野市だから遠くないって」
「そりゃまあ、一時間ぐらいかなあ」
「このホームページをみると、よさそうよ」
「食べるだけ?」
「そばに鴨池っていうのがあって、渡り鳥が飛来するって」
「じゃあ、行ってみるか」
(とつい、鳥につられてしまうのであった)

う~ん、だがこの時期渡り鳥ってもういないのでは。
とふと不安がよぎるのだが、まあいいかと車を走らせる。

2171prat@cafe.jpg

手造り感いっぱいの離れでランチをたべる。
内装関係の仕事もしているようでこんなのはお手のものだろう。
こじんまりしながらも、なかなかいい感じではありました。

だが鴨池には鴨も白鳥もやっぱりいなかった。
代わりといってはなんだが、トビだろうかするどい眼をした鳥がいた。
照明ポールの上で悠然と睥睨しているかのようであった。

2180トビ



プロフィール

ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カレンダー

02 | 2010/03 | 04
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー