ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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オープンガーデン日和
五月とは思えないほどの気温になった日曜日、予報では曇りだったのだが。
近所のご夫妻といっしょに三田ウッディタウンまででかけていく。

まず最初は、ここってペンションというほどのおおきなお宅でした。
裏に池をへだてて竹林がひろがっているなかなかのロケーションである。

N4253竹林が借景

いろんな花もあり、室内も案内いただいていささか恐縮する。
これってなんLDKになるんだろうって頭のなかで思いめぐらせる。
二階への階段なんて三人並んでもあがれるくらいの幅がある。
きっとかみさんは、ふぅーと息をついていることだろう。
(これだけ広ければB&Bも夢じゃない、とかなんとか)

N4255窓からのながめ

テラスでつめたいお茶をごちそうになりながらいろいろと話をうかがう。
かれこれ一時間あまりもいたでしょうか。
ゆったりとした時間がすぎるのがいいのでしょうね。

N4261テラスでお茶を

途中でランチをはさんで、五軒の庭をみせていただきました。
みなさんお元気なのはあたりまえのこと。
それぞれに個性が庭の表情にあらわれていました。
ざっくりとすくって苗などいただいて、うまく根付いてくれるでしょうか。
こんなめずらしい花にも出会えましたが、名前は失念。

N4268花の苗をいただく

N4295めずらしい花

おおらかな、大胆果敢な、きっちりと幾何学的、立体的でもあったり、生物環境に配慮するなどなど。
いろんな方がおられ、いろんなガーデンがあって、なかなか見応えがありました。

N4275水道柱

N4299防虫液

マルハナバチはわれ関せずでしたけど(笑)。

N4278マルハナバチ?

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読みフケル
読みだしたらやめられなくなって、まわりでなにごとかが起こっていようとまったく気づかない。
不思議なことに空腹感をおぼえることなく、まして疲労感さえもなくただ読み耽る。
いまここにいるという感覚もなくなってしまって、ただ漂っているかのようだ。
ビルの角をまがればたちまち駅が現われ、ホームにとまっていた列車に飛びのる。
あっというまもなくフルスピードになれば、ひときわ高く警笛をならして海辺の線路を走りだした。
窓側の席にすわって風にふるえるページに目をおとせばふたたび空高く舞いあがっていく。
わたしとは視線の奥にあるものなんだなあ、と妙に納得づくで考えるのだった。
いつしか陽ははるか西に傾きつつきらめいて暮れていくのである。
少年老い易く学成り難し、読み老けつつもあり、黄泉更けるものかもしれない。

8285梅の実

「サイコパス 秘められた能力」 ケヴィン・ダットン 小林由香利訳 NHK出版 ★★★★
わたしの父はサイコパス(精神病質者)だった。で、はじまる本書は興味深いものがあります。
サイコパスということばはときに耳にしますが、どうもその意味については理解が浅いようです。
では、どのような経歴の人たちがいて、サイコパスと呼ばれているのか。
『わたしは密室でハンニバル・レクターやテッド・バンディ級の人びとに会った――ガラス越しに
受話器を手にするまでもなく、姿を見せるだけでサイコパスだとわかる、極悪非道な大物たちだ。
その一方で、社会を食いものにするどころか、冷静沈着さと断固とした決断力によって社会を守り、
豊かにしているサイコパスにも会った。外科医、兵士、スパイ、起業家――なんと弁護士もいた。』
サイコパスの特徴は、良心の欠如、非情さ、魅力と一点集中力にあるようだ。そんな一人がこう言った。
『魅力とは何か、あとからわたしたちの話に加わったレスリーの解釈が、かなりいい線をいっていた。
魅力とは「我慢ならないやつを丁重にもてなして、一気に、順調かつ効率よく
自分の思いどおりに動かせるようにする能力」だという。』
ある意味、サイコパスは「説得力のエリート」「究極の説得名人」である能力をもつのかもしれない。
聖人、スパイ、連続殺人鬼の三者に共通するのがサイコパス度が高いということなのだ。
身近にいる魅力的なひとは、じつはサイコパス度の高いひとかもしれない。
正常、精神病質、精神病はひとつの直線上にある位置のちがいかもしれないですなあ。
毒も薄めれば薬になるし、その逆もまたありえますから。

「自分では気づかない、ココロの盲点」 池谷裕二 朝日出版社 ★★★★
人はいわゆる認知バイアスと呼ばれる脳のクセをもっている。
それをドリル風に解説したのが本書であるが、できあがるまでに五年間を要したという。
そんな認知バイアスのなかから30個を選定してある。まずはこのようなものを紹介しよう。
9 魔性の女、では女性の写真で服の色を次々に差し替え、一番人気はどの色だったか。
『赤色の服がもっとも魅力的として選ばれました。とくに男性へのアピール度が高いようです。
この傾向は世界のどの文化圏にも共通します。服全体でなく、口紅やイヤリング、バッグなど、
一部分を赤色に変えただけでも効果があります。
赤色に惹かれる理由は、血液にあると考えられています。
酸素の結合したヘモグロビンの鮮やかな赤色は、心肺が健康であることを意味します。
とくに血液の色が肌に現れたら毛細血管が広がっている状態。活き活きとしている証拠です。
脳はそうした相手の状態を察知するのでしょう。赤色には敏感なのです。』
これは色彩心理効果とよばれるもので、女性は無意識のうちに赤を身に着けているのかも。
28 ズルイ心、では頭の中で1から10までの数字の一つを思い浮かべてもらいます。
思い浮かべた数字が、もし偶数だったら500円差し上げます。
でも、ウソをつく人がいるかもしれません。できるかぎりウソをつかれないためにはどう言うか。
①ウソをつかないでね
②ウソつきにならないでね
もうおわかりだと思いますが、②ですよね。
『実験によれば、選択肢①では約30%の人がウソを申告しましたが、
選択肢②ではウソをつく人はほぼいませんでした。
選挙でも、「投票することは大切です」というよりも、「有権者として振舞うことは大切です」
と諭すと、投票率がアップします。「怠けないで」より「怠け者にならないで」、
「私の状況を理解してください」より「私のよい理解者になってください」、
「泣かないで」より「泣き虫にならないで」などなど、多くの場面で応用できそうです。』
これは人格同一性効果とよばれるそうですが、なるほどと感心しますね。
代表的な183項目が巻末リストにありますので、興味のある方はそこからさらにどうぞ。

「偽善の爆発」 ビートたけし 新潮社 ★★★★
副題に、初級人間学講座①時事問題講義とあるし、深刻な問題でも笑えるところがいい。
すこし古くなったけど、お受験にからんで春奈ちゃん殺害事件というのがありました。
この事件については、彼はこう言ってます。
『それもこれも、平等ばかり言ってきた戦後教育のツケが回ってきたんだ。
世の中は、みんなが「勝つ」わけじゃない。
それなのに、「負ける」ことがあるって当たり前のことを教えてこなかった。
「努力すれば何でもできる」なんて言ってね。
特においらたちの後の世代になると、「夢を持つ」とか「将来やりたいことがある」とかって
セリフを、お経のように唱える。ソープランドのネエちゃんとかでも、言うんだよ。
「私にだって夢がある。将来やりたいことがあるから、今はこんなことをやってるんです」
ソープ嬢までやって、やりたいことみつけてどうするんだって。
そんなことやるくらいなら、夢なんか初めからない方がいい。』
まあ夢をもっているというのは自分に対しての言い訳になっているんでしょうね。
いまの自分はほんとうの自分じゃない。本気だせばこんなところにはいないって。
傍からみれば笑えるんだけど、けっこう本気で言ってるみたいで、反応に困ってしまいますね。
『よくスポーツ選手に対して、「夢をありがとう」とか言う連中がいるだろう。
そんな言葉があること自体がおかしいんだ。
夢は自分で見るもんだよ。他人にたよって夢を見てどうするんだ。人の夢にたかるんじゃないって。
「何々さん、青春をありがとう」って。誰の青春だよ。わかんないな。
青春まで人にもらうな。自分の人生をちっとも生きてないんだね。』
『まぬけなやつは、鳥は空を飛べて自由でいいなんて言う。
鳥は好きで飛んでいるんじゃない。飛ばないと落ちてしまうし、止まってりゃ外敵に食われてしまう。
餌も探さなくちゃならないしで、仕方なく飛んでいるんだ。
外敵もいなくて、地上に餌が落ちていたら、ペンギンみたいに歩いているって。』
ひさしぶりに本読みながら笑わせていただきました。人生にはユーモアが必要ですね。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

メダカの産卵
気温があがり、水温もそれにつれてあがってくるとメダカの活動も活発になってくる。
それにともなって食欲も旺盛になってきて元気いっぱいである。

はやくもおおきなお腹をしたメダカがいる。
産卵の季節もまもなくやってくるだろう。
さあたいへんだ、親メダカに食べられないように隔離する準備をしなければいけない。
おちおち仕事もしていられない、という気分になってくる。

遠足の日に朝早く目が覚めてしまうこどものようである。
やはりホルモンの分泌がちがってくるのであろうか。
元気なすがたのメダカにはやく会いたいという意識がそうさせるのだろう。
なんだか青春の日々を思いださせるようだ。

そんなある日、藻のあいだをかすかに動く子メダカたち発見。
さっそく別の鉢に移していく。
50匹ぐらいまでは数えていたがそれ以上はいるようだ。
しかしすべてが成長できるわけではない、メダカだけが増えていくということできない。
それが自然の摂理といえばそうなのだろうと思いつつじっと見る。

N4240子メダカ

去年の子メダカはこんなにおおきくなった。
親メダカもにんまりしているような気がする。

N4235一年生メダカ

N4236親メダカ

読書感情文
入力があると出力があるものなのだが、それが時差をともなう場合もある。
読書すると感想文を書くというのだが、しばしば後で書けばいいかということになる。
根が完璧主義(?)なので、書き終えていないうちはどうも気分が落ち着かない。
ならばさっさと書けばいいのだが、なにやかやと理由をつけて先送りにしてしまう。
そんなことであれこれいうなら書くのをやめれば、というご提言をいただく。
どうもそれではプライドが許さないというか、自己に負けたことになるのではないか、と。
考えてみれば、いくどもいろんなことで負けてきたのではないか。
客観的にみても、連戦連敗といえないこともないなとまた自省するのである。
しかし、自省はすれども改善はいっこうしないから、どのみちおなじということにあいなる。

N4121満月

「日本のリアル」 養老孟司 PHP新書 ★★★★
対談集だが、養老先生が希望してお会いした方々だから話の内容が興味深く読めた。
食卓の研究で著名な岩村暢子さん、続いて農業では不耕起栽培の岩澤信夫さん。
それからカキの養殖で有名な畠山重篤さん、最後に全国で間伐の指導をされている鋸屋茂さん。
こんな養老先生の話から二つご紹介しましょう。
『消費者教育をやってきた結果、教育の現場においてさえ、子どもたちは消費者行動をとるようになって
いますよね。今の子どもたちは授業を商品として見ています。
だから、教師が教えようとすると、「その価値を説明してみろ」という態度に出る。授業中、ずっと
後ろを向いてしゃべっている小学生は、先生の話を無視することで値切り行動に出ているんですよ。
価値のわからないものを買うときには徹底的に値切るというのは、完全に消費者としての振る舞いです。
以前は大学の教員はシラバス(講義概要)なんて書きませんでしたが、いつからか、
書くのが当たり前になり、強制されるようになりました。
あれは、大学側が学生を消費者と見て、教員に対して「商品見本」を出せと命じているんです。
いつのまにか、それが当たり前になりましたね。まあ、僕は知らないよってソッポ向きましたけどね。
教えることって、毎日、いつ変わるかわからないから。』
う~ん、正しい消費者意識をもっているんですね、子どもたちって(笑)。
『自動車が高速走行をしていると、運転席の窓に大量の虫がぶつかって死にます。
一台の車が廃車になるまでに一〇〇〇万匹の虫が死ぬという試算もあると言います。
それぐらい死んでも、自然界全体としては数が減らないのが、虫というものだったんですね。
それが、今はすっかりいなくなった。消えたという感じです。
それは、環境の変化によって、虫が発生する土壌そのものが消えたからなんですね。』
虫や蝶を本気で保護したいなら虫捕り禁止じゃなくって、ほかの手段が必要ってことですね(笑)。
最後に、農業で不耕起栽培の運動をすすめている岩澤信夫さんの言。
『――これまで日本の稲作では、なぜ田んぼを耕してきたのでしょうか。
一つには乾土効果があるからです。水田土壌は酸素が入らない還元的な場所ですが、
耕して土を空気にさらすと、有機物の無機化が進みます。
これによってイネを育てるというのが、昔ながらの稲作です。
明治の時代までは、肥料らしい肥料がありませんでしたから、
コメをたくさんとるためには耕すしかなかったのです。
そのため、土壌肥料学の研究者たちはいまだに、耕せ、耕せと言っているわけです。
また、日本では「耕すこと」が農家の勤勉さの証と見られてきました。
よく耕し、まじめに作物を栽培する農家は「精農」と言われてきましたし、
不耕起栽培なんていうのは横着者がすることだという見方は今もあります。
私たち日本人は「農耕民族」と言われます。
だから、「耕すこと」は当たり前だとつい考えがちですし、奈良時代にたたら製法で鉄がつくられる
ようになり、鉄器の農具が広まって以来ずっと先祖が田んぼを耕してきたのは歴史的事実ですので、
もしかすると、日本人は遺伝子レベルで「田んぼは耕すもの」と思い込んでいるのかもしれません。
しかし、この地上では、コンクリートで覆われているところは別として、道端でも原野でも山でも、
土を反転させたところなどありません。自然界の植物はすべて、耕していない地面に根を下ろし、
子孫を繁栄させています。そういう仕組みをもつ植物しか、地球上には生き残っていないんです。
つまり、田んぼを耕すというのは、自然とは反対のことをやっているんです。
そうやって、わざわざイネを弱くつくり、化学肥料と農薬に頼って育てているのですから、
うがった見方をすると、そういう農業をするように誰かに仕組まれているんじゃないかとせ思えます。
特に農協は、不耕起冬期湛水栽培が普及すると困るでしょう。農薬も肥料さえも売れなくなりますから。』
なるほど、では農協さん御反論をどうぞ、ということでしょうか。

「世界が認めたニッポンの居眠り」 ブリギッテ・シテーガ 畔上司訳
                   阪急コミュニケーションズ ★★★
日本は治安がよく安全な国だから電車のなかでも平気でみんなが居眠りをしている、とよくいわれる。
はたして、そう単純な理屈付けでいいのだろうかと。
『安全感は、疑いもなく安眠の基本条件である。
だが、たとえ絶対治安がよくても安眠できるわけではない。
安心できればすぐに寝入る仕組みがあるわけではない。
大半の人の場合、電車が安全だと思うから居眠りするわけではない。当然だ。みんなそうだ。
だが安全論が、人前での睡眠行動を分析する際に簡単に無視できるわけでもない。
先のテレビ討論での動物学者、堀の指摘、つまり動物は安全ではないので
居眠りはするが熟睡することはないという指摘は深く考える価値がある。
私が関心を抱いたのはいろいろな動物の寝方ではなく、「居眠りが習慣になるのはその動物が安全な
ためでなく――逆に――周囲に対して不安を抱いているからだ」という説の方だ。』
なるほど、つまり居眠りという眠り方はどういうことなのか。
『堀が動物の居眠りを熟睡と対置させているからには、居眠りは表面的な眠りということになる。
だから堀が言おうとしていることは、動物がもっぱら居眠りをするのは絶えず危険にさらされている
からであって、熟睡を避けて表面的な、たいていは短い睡眠相で寝ているということである。
それは、いつでも逃げられるためであり、ないしは敵を攻撃できるためだ。
こう考えてくると、人間が居眠りという短くて表面的な睡眠をとる傾向があるのは熟睡をできるだけ
短くするためとも言えるので、ここに新たに睡眠と安全性の関係についての疑問が浮かんでくる。
つまり日本人が居眠りの習慣を身につけた(あるいはその習慣を続けている)のは周囲が非常に安全
だからではなく、日本史上長期にわたり、住民の大多数にとってこの種の表面的な睡眠をとる方が、たと
えば夜間に八時間ほど深く眠るより安全だったからではないか、という説を立てることもできるだろう。
しかも日本人は、比較的短めの夜間睡眠に加えて、機会があれば昼間に幾度となくウトウトした。
そのため人前で眠る習慣が発達し、現在に至るまで――人前での睡眠が再三にわたり批判されたり、
不安な状況がもはや同程度ではなくなっても――広まっているというわけである。』
だからこそ、居眠りに寛容な社会になっているということもいえそうだ。

「ポーカー・レッスン」 ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子訳 文春文庫 ★★★★
ジェフリー・ディーヴァーの第二短編集、16篇が収められています。
そういえば、若いころは長編小説などとても読めないと敬遠していました。
日本でいえば、短編の名手といえば芥川龍之介でしょうか、よく読みました。
太宰治もわりあい上手でしたね、女性の語り口になかなかのものがありました。
まあ、わたしの好きなのは坂口安吾のほうでしたが。
ということで、ディーヴァーも短編の名手とよばれているようです。
その真意は読んで自分で判断するしかないのですが。
ミステリで短編、なかなかむずかしそうな気もするのですが、さすがというしかないです。
長編でもそうですが、かならず二転三転するストーリー仕立てになっていますからね。
いわゆるドンデン返しがかならずあるわけです。
いろんなドンデン返しをお楽しみください、って宣伝のようになってしまいました。

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

午睡のち読書
春眠暁を覚えずというのか、ホルモン分泌の季節変化なのかどうか。
どうにも眠くてしかたのないときには、短い時間でも眠るのがいい。
究極の刑のなかには、囚人をかたときもねむらせないというのがあるときく。
そうするとどうなるかというと、精神は均衡をとることができなくなり発狂にいたるのだそうだ。
そこまでいかなくても、不眠は判断力の低下をまねきミスや事故のもとになる。
であるから、読書していてねむくなったらねむるのが正しい読書のしかたでもある。
すみきったこころで読む書は、どこまでもしみいるようで読書の醍醐味があじわえるというものだ。
眠ることによって気分はすっきりとし、世界もなんかすばらしく思えるから不思議だ。
マンネリに陥っていたパートナー関係も寝起きにながめればすばらしく思える、かもしれない。

8246スズラン


「笑う男」 ヘニング・マンケル 柳沢由実子訳 創元推理文庫 ★★★★
正当防衛とはいえ、人を殺してしまったことで苦しむクルト・ヴァランダー警部。
警察官を続けるべきかどうか、長期休暇をとってデンマークの海岸べりで悩む日々を送っていた。
そこへ友人の弁護士がやってきて、父の弁護士が交通事故で死亡したがどうも腑に落ちないという。
真相をつきとめてくれないかと頼まれたが、そんな力がいまの自分にはあるとも思えず断った。
ついに警察を辞める決心をしてイースタに戻ってきたとき、その弁護士が殺されたということを知る。
その瞬間、辞めることでなく復職することを決断し、事件の真相究明に乗りだすのである。
クルト・ヴァランダー警部の事件シリーズ第四弾、まさに手に汗をにぎる。
捜査をすすめるうちに、スウェーデン国内でも有数の多国籍企業がうかんできた。
それもどうやらその事業内容を知ってしまったか疑いをもったために弁護士は殺されたのではないかと。
あるジャーナリストにたどりつき、彼女の話を聞くうち彼は知らない国を旅しているように感じた。
『そこでは人間の臓器や体の一部が市場の商品と化し、モラルというものが完全に不在の状態だった。
臓器売買の市場規模が見えた。彼女の推測どおりだとすれば、それは想像を超えて大きいなものだった。
だが、いちばん彼が驚愕したのは、健康な人間を殺し――それも犠牲者はたいてい子どもや若者だったが
――その体の一部を売り飛ばす人々のことを、彼女が理解できると言ったことだった。
「されは世界の一つの姿なのよ。わたしたちが望もうと望むまいと、実際の世界はこれが現実なの。
食べるものもないほど貧しい人間は、生き延びるためににはなんだってやるということ。
どんなに悲惨で残酷なことでも。彼らに向かってモラルがなだのって、どうして言える?
彼らの生きる条件がわたしたちとはまったく違うときに。
リオやラゴス、カルカッタやマドラスのスラム街で、もしあなたが三十ドル取り出して、
人を殺してくれたらこの三十ドルをやると言ったら、一分もしないうちに長蛇の列ができるでしょうよ。
彼らはだれを殺すのか、どんな理由で殺すのかなど、訊きはしないでしょう。』
世界にはいろんな国があり、またどんなことでもする人間が、またいるのである。

「64(ロクヨン)」横山秀夫 文藝春秋 ★★★★
日本のというか横山氏の書く警察小説は独特の趣きをもつ。
事件の背景とかはもとより、警察機構をえがくのに力点がおかれているようだ。
否、日本の社会を警察機構をつかって解いてみせようとしているかのようだ。
社会的動物であるヒトはどのように犯罪に手をそめてしまうのか、というように。
64(ロクヨン)とは警察内部でつかわれている符丁だが、それが事件の鍵になっている。
昭和64年に起きた未解決の誘拐殺人事件を指している。
そしてその年は、1月7日までしかなかった昭和最後の年でもあった。
警察の広報官である三上義信が霊安室で自殺した若い娘の遺体に出会うところからこの話ははじまる。
わが娘ではなかった、だからといってこころが楽になるわけでもない。
そんなとき自宅に無言電話がかかってくる。
妻が二度受けたが、相手はなにもしゃべらない。
三上がでたときにも、もしや娘からと思って問いかけたが、やはり無言であった。
同じ署内にも無言電話がかかってきたという情報もあった。
やはり娘からだったのか、なぜなにも言わないのか。
ところが未解決の誘拐殺人事件を調べていくうちに、どうもおかしなことに気がついた。
警察内の官僚機構というか組織の問題にもぶつかりながら物語は意外な方向にすすんでゆく。
ありそうもないのだが、そこを読ませるのがフィクションの腕というものだろうか。
なかなか読みごたえありでした。

「湿地」 アーナデュル・インドリダソン 柳沢由実子訳 東京創元社 ★★★★
アイスランドときくと、どういった国土、イメージを思いうかべるのだろう。
随分前に知ったのだが、アイスランドとグリーンランドとはまったく逆だというのだ。
ことばからは、アイスランドは氷にかこまれた寒い土地なんだろう。
グリーンランドは緑豊かな住みよい地なんだろうな、と多くの人が思うそうだ。
実際は逆で、アイスランドは住みやすく、グリーンランドは人が住めるような地ではないという。
国土は日本の北海道と四国をあわせた程度、人口は三十二万人という火山島だ。
その首都レイキャビク警察の犯罪捜査官であるエーレンデュルを主人公とするミステリである。
男が殺された。七十歳前後、死体の上に意味不明の三つの単語からなるメッセージがおかれていた。
それは「おれはあいつ」どういうことなんだろう。
同僚のエーリンブルク(女性)、シグルデュル=オーリとの捜査がはじまる。
じつはこの殺された男は殺されてもしかたのないような悪人だったのだが…。
ミステリの中身は読んでもらうしかないのだが、ミステリはその社会をうつしている。
どこかの国を知りたかったらその国のミステリを読めばいい、とはよくいわれる。
どこかの国の言葉を習いたかったら、この場合もミステリを読むのがいいそうだ。
その国の人びとが日常なにを食べ、なにを遊び、どんな問題をかかえて生きているかがわかるのだ。

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連休疲れ
というようなこともなく、なんとなく終わってしまうような感じだ。
休み前から風邪気味だったのだが、なんとか平常状態にはもどってきた。
せっかくの休みは人気で、いまは野菜や花などがたくさん時期にあわせてならんでいる。
そこにはなぜかその土地とはとくにこれといって関係ないものもまぎれこんでいる。
そんなに地産地消が急にすすんでいくわけでもなく、数合わせ的な商品もある。
さみしいよりはにぎやかのほうがいい、といったところだろうか。
なかには外国産のものがあったりしてほほえましい、というべきか。

N4230道の駅「はが」

そしてやってきたのが、宍粟市波賀町にある波賀城址。
鎌倉時代一二六一年に築城、一五八五年に落城したとある。
石組みからみて古い年代のものだろうと想像できます。
ここ波賀町は明治になってはじめは生野県に入り、その後姫路県から現在の兵庫県へと変遷する。
ご存知のように兵庫県の初代知事は伊藤博文でありました。

8263波賀城址

8259蒼い山並み

高台からのながめはちょうど竹田城のような感じですが、こじんまりしています。
観光客もすくなくて、のんびり弁当をひろげている方もおられました。
いいお天気です、連休日和といったところでしょうか。

N4227はるかを望む

8277山藤



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ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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