ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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孤読
本を読むのは、もともとひとりである人がことさらにひとりである実感を得るためにする行為である。
などといえば、すこしうがった意見になるかもしれないが、もうすこし孤読の意味を考えてみたい。
対話がたいせつだ、話せばわかりあえる、などときくとその人の顔をみたくなってしかたがない。
どんな顔してそんなことをいっているのだろうか、もちろん冗談ですよね、えっそうじゃないの。
まさか、本気でそう信じているってパフォーマンスを演じる役になりきっている、ってことなんですか。
人が善いにもほどがあるのか、腹黒さをかくす面をつけるのが習い性になっているのだろうか。
そんなことを考えてしまう自分が嫌になるから、本でも読んでしばし落ち着かせようとでもいうのだろう。
人は、生きるはひとり、死ぬもひとり、と諦観すれば、すべてこともなし、となりうるのだろうか。

5558釣鐘

「<感じ>のいい人、悪い人」 山崎武也 PHP新書 ★★★
世のなかには感じのいい人もいれば、悪い人もいるのが、まああたりまえではないかと思う。
だが、なぜその人はそんなふうなのか、ということを考えずにはいられない人もいるのである。
筆者はその代表的な人物ではないかと思ったりしながら読んでいた。
頑固なじいさんと感じる方が多いかもしれないが、そうでもないのではないか。
温泉旅館などでの経験から、こんな素直は話がでてくるのである。
『スリッパも洗っても拭ってもいないと思われる場合が多い。
これははかないと部屋の外に出られないので、私はタオルで拭ってからにしている。
だが、大浴場で知らない大勢の人たちと一緒に湯につかることを考えれば、
ちょっと矛盾しているかもしれない。』
これを読んで、なかなか潔癖だけじゃないと思わせるし、
『ペットをかわいがっているという人が、スーパーマーケットの入り口などに犬を括り付けて待たせている。
不安そうにうろうろしているのを見ると、かわいそうになる。
動物虐待の一例にしか見えないのである。』
これなど、まさしくそのとおりと言うしかないだろう。

「ツチヤ教授の哲学ゼミ」 土屋賢二 文春文庫 ★★★★
『もし「わたしはあなたの顔も性格も嫌いですが、あなた自身を愛しています」と言われたら、
あなたはうれしいだろうか。うれしくないなら、なぜだろうか。
この挑戦的な口説き文句は、いまから二千五百年前にソクラテスが考えたものである。
この中に含まれている哲学的問題を検討し、ソクラテスの言い分が正しいかどうかを判断するのは、
ふつうの人が思うほど簡単ではない。それを考えるのが本書の課題である。』
というようにいつもの土屋教授の口調とはちがった本書である。
これとはちがった切り口の台詞をよくドラマで聞くことはないだろうか。
「あなたって、わたしの身体だけが目当てだったのね」
これもよく考えると、身体と魂(精神)は分離しているものであるという前提が自明であるかのようだ。
似ている命題ではないか、とわたしは思うのだが。
長い秋の夜を、こんなことを考えている男なんて…。
まあ、いいではないか。考えることは老化を遅らせる効用があるとかないとか。

「核心」(上)(下) パトリシア・コーンウェル 講談社文庫 ★★★
最初に「検屍官」を読んだのはいつだったのだろうか、もう忘れてしまった。
あのときの強烈な印象はいまもすこしは残っている。
どの分野でもそうだが最初にブレークしたあと、どうするかはかなりむずかしいと本書を読みながら思う。
主人公をどういう人物に描くかは、人気シリーズを続けていくうえではかなり重要な要因となる。
あまり完璧で、超人的な能力というのでは読者の共感も長続きはしない。
だからといって欠点だだらけの人物だと親近感がわくかというと、そういうことでもない。
例えていえば、取調べにいい刑事と悪い刑事をを配置して、容疑者を揺さぶるというようなことだ。
硬軟の人物を配して、バランスをとり緊張と弛緩が織りなすストーリーを紡いでいく。
本シリーズではピート・マリーノがその役割まわりなのだが、最近は彼のほうが気になってきているのだ。
スカーペッタやベントンよりも彼の動向が気になる、そんなふうに思えて事件などそっちのけだ。
というようにミステリとはいえ、謎解きの面白さが本シリーズからは失われているのではないか、と思う。
それがいい方向か、そうではないのかは別にしてということではあるが。
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