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顔を洗う

2012-01-14 | 20:32

朝起きて顔を洗う。
もちろん冬であろうと、冷水で洗う。
だれもがそうしていると思っていた。

目覚めにすっきりした気分になるには、冷たい水がいい。
肌も引き締まり、さあ今日もいちにち頑張ろう、となる。

ところが、家人は寒い日にはお湯で洗顔する(そいう感じだ)というのだ。
だって冷たいじゃない、心臓麻痺でもおこしたらどうするのよ、と。
まあ、心臓麻痺はしゃれだとしても、驚天動地である。

そこで、ふと疑問がわいてきたのだ。
なぜ朝起きて顔を洗わなければいけないのか。
そうだ、幼いころから起きたら顔を洗いなさいと言われ続けてきたのだ。
その理由については、はっきりとした説明を聞いたおぼえがない。

思いおこせば、若かったころには顔も洗わずに過ごした日もあった。
それで別段どうという不都合もなかった。

きっと世界のなかでは、もしかしたら日本のある地方でも、
顔を洗わない習慣が存在するのはないか、と考えるのだ。

「汚い、不潔ね!」
という人びとは、空気中に浮遊する細菌、ウイルスをあえて無視している。
見えないものは存在しない(哲学的だな)、という一派なのだろう。

だがやはり思いうかぶのは、次なる詩の最初の一節だ。


 少年は日中 あそび疲れて
 風景を顔につけて帰ってくる
 少年は顔を洗う
 すると風景はおちる 洗面器に
 シャボンとまじって

   (中江俊夫 『顔を洗う』)

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