ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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読薬あります
世の女性はおしなべてダイエットに関心がある。
一見、そんな必要もないのではと思われる方でも、やせたいとおっしゃる。
つまりは、どなたも食べすぎている、カロリーオーバーだと自覚しているのだ。
流行しているエコの観点からみれば、もったいないことである。
仕分け作業的には、摂取栄養素の削減が急務ということになるかもしれない。
まあ、なんてことをおっしゃるのでしょう、と憤慨されるだろうか。
そんなに食べていませんよ、なぜだか知らないけど体重が増えるだけなのよ、不思議ねえ。
ほんとうに不思議だ、そう都合よく食べたことを忘れられるなんて。
ダイエット本を読むより、熱力学関係の教科書のほうがよほどためになると思うのだが。

5960堂島ホテル

「日本は悪くない 悪いのはアメリカだ」 下村治 文藝春秋 ★★★
本書が書かれたのは昭和62年、アメリカはレーガン政権下で巨額の財政赤字をだしていた頃だ。
『私は悲観論者でもなければ楽観論者でもない。
ただ、私が日頃から心がけていることは、物事を冷静に、偏見にとらわれずに見る、ということだけである。
色眼鏡では決して見ないし、判断する過程で、こうあって欲しいとか、ああであって欲しいなどと自分の
感情や価値観を込めたりはしない、あるがままを見て、あるがままに判断する。それだけである。』
現在の日本においても、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の議論はあるが、どう考えればいいのか。
下村氏の貿易を含めた経済に対する考え方が参考になるのではないか。
『自由貿易というのは、それ自体が善なのではない。あとでもくわしく触れるが、
最初に国民経済があって、その国民経済にとって利益になる場合にのみ自由貿易は意味がある。』
どこの国もが利益になるということはなさそうである。
しかし、こういうこともおっしゃっている。
『世界の通貨秩序を支えているものは、それぞれの国の政府と中央銀行が節度ある経済運営で
その通貨に価値を与えることである。それがくずれてきたときにその通貨は価値を失う。』

「モンド氏の失踪」 ジョルジュ・シムノン 河出書房新社 ★★★★
シムノンといえばメグレ警視シリーズというぐらいに有名な作家だ。
さて本書の主人公ノルベール・モンド氏はパリの中小企業の社長である。
四十八歳の誕生日を迎えた日、彼は人生を変えるためふらりと三流の理髪店にいく。
列車でマルセイユに着き、たまたま見た靴修理屋の看板名、デジレ・クルーエを名乗ることになる。
ホテルの隣室の愛人にすてられたジュリーとひょんなことから知りあい仕事をさがしてニースにむかう。
そこで偶然にも最初の妻であったテレーズと出会うのだ。
彼女は大金持ちの女ともどもモルヒネ中毒者になっていた。
いちど社会規範から逸脱したあげく、ふたたびパリへ戻るのは彼女を病院にいれるためだった。
モンド氏は青年のころからこんな思いにとらわれていたのではなかったのだろうか。
『ああ、いまの彼は疲れ果てている!
それなのに、最も重い荷物を背負うために選ばれたのは、なぜ彼の双肩なのか、
だれをも傷つけたりしたことがなかったのに?』
だからではないが、男はいつかふらりとどこか見知らぬ町へと旅立ちたくなるのだろう。

「昭和史探索 6」 半藤一利編著 ちくま文庫 ★★★★
いよいよ戦局も大詰めをむかえる昭和十七年から二十年のことである。
『二十年はまさしく「特攻の秋(とき)」である。戦場も銃後もなく一億総特攻である。
祖国の明日のためには、これ以外に道はないと、決然と死についた特攻隊員が美しく、
哀れであればあるほど、それを唯一の戦法と採用した軍の思想は許すことができない。
神風特攻も回天特攻も志願によった。
志願せざるをえない状態において志願するのでは、形式にしかすぎないのである。
そこには指導者の責任の自覚もモラルのかけらもない。
無能と動揺と不安とを誤魔化すための、大いなる堕落がある。』
「特攻の父」と崇められることになる大西瀧次郎中将は死ぬまでこう言っていたという。
「特攻なんてものは、統率の外道の外道である」と。
「この一戦に限って」と意図されたものだったのが、唯一の戦法となってしまったのである。
そして広島・長崎への原子爆弾投下ののち、ポツダム宣言をうけいれて無条件降伏するのである。
『原爆製造計画の総指揮官グローブス少将の、
スチムソン陸軍長官あての手紙の一節が非常に興味深い。
「目標は一貫して日本なのであります」』
ドイツ・イタリアではなく、日本でしかありえないということだったのでありましょうね。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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