ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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紙魚じみ
ときおり古い本を引っぱりだしてきて、ぱらぱらとめくるとなにか動くものがいる。
シミといって、書籍害虫などとも思われているものだが、じっと見つめたりもするときがある。
いつも思うのだが、ヒトは人の立場から考えてしまうことがおおいのである。
シミの立場からすれば、ヒトが害獣だということになるのかもしれない。
世間には、いろいろな悩み相談や人生訓話などあってにぎわっていたりする。
そんななかでもよくいわれるフレーズで、相手の立場になって考えるというのがある。
ある方向からだけではなく、いろんな角度からものごとを見つめてみては、というものだ。
会話や討論などでは、相手方はどう思い考えているのかを無視することはできない。
ただし、相手の範疇には虫や草や邪教徒(?)は含まれていないようなのだ。

7703ナマズ頭

「和解する脳」 池谷裕二 鈴木仁志 講談社 ★★★★
裁判で白黒をつける、といういい方があるがこれはどちらかが正だということではないと思う。
『判決というのは、「理」による強制ですからね。
負けた側、判決内容を強制される側は、普通は納得できない。
次なる手段での復讐なんていうことになりかねないんです。
これに対して、任意に合意をして、お互いがこれでいいといって和解した場合は、
たいてい、もうそれ以上次の紛争が起こらないんですよ。
本当の意味での解決になるんです。
そういった意味でも、「和解」という方法が使えるケースであれば、
もっとうまくそれを活用することを考えていったほうがいいんじゃないかと思うんです。』(鈴木)
和解するということは妥協と思われ、どちらが悪いのか分からないのではないかといわれる。
そう単純ではないとは思うし、では「いい」と「悪い」ってなんだろうと考え始めるだろう。
脳からみれば、こういうことなのである。
『「いい」「悪い」ってありますよね。「いいヤツ」「悪いヤツ」とか、「いいもの」「悪いもの」とか。
でも、「いい」「悪い」という分け方は、じつは脳の中に一切ないんです。
そうすると、「合理的なことがいいことだ」という場合の「いい」っていったい何だ、という話になっちゃう。
じつは脳の中の本当の価値基準は、すべて「好き」か「嫌い」かだけなんですよ。
快、不快って言い換えてもいいかもしれませんが。』(池谷)
「悪い奴」は「嫌いな奴」であり、「正しい人」とは「好きな人」なのかもしれないですね。

「永遠の故郷 夜」 吉田秀和 集英社 ★★★
吉田氏のことはずいぶん前から丸谷才一氏の本で知っていたのだが読むきっかけがなかった。
もちろん音楽に暗いということもあったのだが、いつかは読んでみようとは思っていた。
では彼はどんな人なのだろうとというと、誰もが知っている有名人の言があればわかりやすい。
小澤征爾といえば、音楽好きでなくとも知られている有名な指揮者である。彼はこう言う。
「ぼくにとって吉田先生は生涯こわい先生。まったく幸運です。先生と巡り逢えたことは」
そういう立場の先生なのだ、ということはわかるから、後は読んでみるしかない。
『いつかフォーレの《月の光》でみたように、音楽家は得てして大切な肝所は小声で語る。
大事に当って声高にならない。いや、これは音楽に限った話ではない。
だから、音楽は人生の友となり得、人生を裏切らないといえるのだ。』
なんとなく、ふむふむという感じが伝わってこないでしょうか。

「殺人展示室」 P・D・ジェイムズ 青木久惠訳 早川書房 ★★★★
ハムステッド・ヒースに建つ私設の「デュペイン博物館」は有名な殺人事件をの展示で知られていた。
その博物館で殺人事件が起きた。創立者の息子ネヴィルが車もろとも焼き殺されたのである。
彼が死ぬことによって利益を得るのはだれか、ふつう殺人事件捜査はそうやってすすめられる。
イギリスにはミステリ界で有名な三人、ポワロ、モース主任警部、そしてアダム・ダルグリッシュがいる。
ダルグリッシュの捜査は、謎解きだけに終わらずその人間関係に重きをおいている。
あるいは、人の生き方、価値観がストーリーのなかの魅力の要因だともいえる。
もちろん、著者の人生観だといえばそれまでだが、いかに読者を納得させられるかの問題でもある。
『「でもどんな愛も危険ではありませんか。
私はこれまでずっと怖がっていた、愛情に縛られるのを怖がっていたようです。
ようやく分かってきたような気がします」彼女は目を上げて、ダルグリッシュを見た。
「愛情を恐れていると、半分しか生きていないことになります」』
こういった作風が好きな人もいれば、そうでない人もいるのは知っているが、いかがでしょうか。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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