ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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ミステリアスナイト
寒い夜に、ストーブからの暖かさを感じながらミステリを読でいるときによくある。
だれもいないと思われる庭のほうからの物音に、すこし不安をおぼえながらそっと窓辺へ。
カーテンをすこしずらして、斜めにながめてみるが変わりはないようだ。
きっと風のせいだろうと思うのだが、なんだかそのまま本を読み続けることができない。
そういえば、島で夜更けて仲間たちと話していたとき、どこかで悲鳴のような声がしたことがあった。
思わず顔を見あわせたら、たしかにその場にいた全員が聞いたという。
どこからというのには、それぞれがちがった場所を言いつのって一致することはなかった。
そのうちあれは誰かの寝言ではないかという結論になんとか収まってしまった。
部屋からでるのも嫌だし、そのまま朝まですごしたが、なんとも妙なことではあった。

N1919赤穂坂越

「闇の記憶」 ウィリアム・K・クルーガー 野口百合子訳 講談社文庫 ★★★★
ミネソタ州の小さな町オーロラで保安官をしているコーク・オコナーが主人公である。
家庭内暴力の通報をうけて向かったインディアン保留地で、突然なにものかに狙撃された。
さらに、シカゴのビジネスマン、エディ・ジャコビが去勢された刺殺死体で発見されたのである。
彼は富裕な実業家ジャコビ家の息子であり、傲慢な父ルーと兄のベンが駆けつけてきた。
ジャコビ家は捜査の目付役として元FBI捜査官の女性ダイナ・ウィルナーもオーロラへ呼びよせた。
彼女はセキュリティ・コンサルタントであり事件の伸展とともに重要な役割をになっていく。
妻で弁護士のジョーは、シカゴ時代にベン・ジャコビと恋仲であったことを知りコークは悩むのだ。
捜査の過程で、ベン・ジャコビも何者かに殺害され、その犯人はコークだとルーに断じられる。
コークの首には多額の懸賞金がかけられ、その追っ手を逃れるところで本編は終わっている。
これって、次作へ続くということなんだろうな、と思いつつもなにか変な気分である。

「希望の記憶」 ウィリアム・K・クルーガー 野口百合子訳 講談社文庫 ★★★★
銃で撃たれたコークが、いとこで獣医師のジュエル・デュボイスに語っている。
『「始まりは十日前だ。オーロラのそばのアイアン・レイク保留地でおれは待ち伏せにあった。
おかげで耳たぶの一部をなくしたよ。保安官助手は重傷を負った。二日後に、シカゴから来た
ビジネスマンが町から遠くないマーシー・フォールズという場所で惨殺されたんだ。
エディ・ジャコビという、善良とはいえない男だった。ジャコビ家は裕福で影響力のある一族で、
家長のルーというのはとんでもない悪党だとわかった。ルー・ジャコビにはもう一人息子がいた。
長男のベンだ、昔、ベン・ジャコビはおれの妻の恋人だった」』
ここからあとの展開は本書を読んでいただくとして、この舞台のことが気になった。
アメリカといえば、多民族国家であることはだれもが知っている。
なかでも少数派のアメリカインディアンのオジブワ族をルーツとするオコナーが主人公であること。
都会ではなく森深い田舎が舞台に選ばれていること。
こうしたことから、アメリカとはいえいろんなことがひそかに進行しているのではないかと感じるのだ。

「老いへの不安」 春日武彦 朝日新聞出版 ★★★★
アンチエイジング化粧品というようなものがあるが、その効能はいかなるものか。
『老いそのものよりも、想像力や予兆によって我々は老いに脅かされる。
それはホラー映画の構造と相似している。
お洒落というよりは「若作り」に励む中年男性が増えたような印象がわたしにはあるが、
それはたんに異性にモテたいとか一目置かれたいとかの皮相的な理由ではなく、
老いという未知なるものへ対する護符にも似た魔術的効能が求められているのだろう。』
著者のこうした見解を読めば、なんとなく納得できる(?)のではないか。
信じるものは救われる(若返るとはいっていない(笑))的な効果はたしかにある。
『老いることは、人生経験を積むことによって「ちょっとやそっとでは動じない」人間になっていくこと
とは違うのだろうか。難儀なこと、つまり鬱陶しかったり面倒だったり厄介だったり気を滅入らせたり
鼻白む気分にせせたりするようなことへの免疫を獲得していく過程ではないのか。』
経験を積むということは帰納的な材料の手持ちが増えること、と言い換えてもいいのではないか。
『誰でもとにかく生きていれば老人になる。ただし、年齢相応の自覚やある種の役割意識があって
初めて「年寄り」というポジションが成立するのではないだろうか。』
「年寄り」というのは年齢のことではないのは相撲界でもそうなっている。
そうよばれるに相応しいような人になりたいというのは、最近では流行らないんだろうか。
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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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