ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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読想
想像を働かせなさいとよくいうが、想像するにはそのもとになるものがなければならない。
たとえば自由に生きなさいといえば、どう生きることをいっているのかすぐにわかるだろうか。
それはなにものにも束縛されない生き方をすることをいうのだ。
つまり固定的な観念をもたず、自由な発想のもとに行動をおこすことなんだという。
なんだそんなことなら、いつもそうしているし、それをいまさらどうしろというんだろうか。
だってその日暮らしゆえ、まとまった財産もなく、自由な時間でいっぱいなんですから。
えっ、そうではなく精神のありようのことなんだ、というんでしょうか。
つまりは先行きを読んだうえで、それに対処できるように生きなさいということでしょうか。
であるなら、読みまちがえたとしても、独創的だとほめられるということになるのだろうか。

N2400サトちゃん

「バーニング・ワイヤー」 ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子訳 文藝春秋 ★★★★
上下二段組みで472ページを読み終えると、思わずふうーと息を吐きたくなるだろう。
いつしか緊張感によって呼吸をとめていたことに、いまさらながらに気がつくのだ。
リンカーン・ライムのシリーズ九作目、ますます絶好調である。
今回は電気がキー概念になっている。電気は見えないということも不安をあおる。
『「人を死なせるには、何アンペア必要だと思いますか。
交流電流で一〇〇ミリアンペア。それだけであなたの心臓は細動を起こす。
あなたは死んでしまうんです。一〇〇ミリアンペアは、一アンペアのたった十分の一ですよ。
電気店で売ってるごく一般的なヘアドライヤーは一〇アンペア消費する」』
ある日、マンハッタンの変電所で巨大なアークフラッシュが発生して市バスの乗客に死傷者がでた。
原因を調べていくうちに、電力会社のシステムに侵入して故意に行ったことがわかった。
電気を仕事にしている人間からすると、ちょっとオーバーなと感じないこともないが…。
とはいえ、わりと日常的に電気的な事故は現場で起っているのでわからなくもない。

「本は私にすべてのことを教えてくれた」 谷沢永一 PHP研究所 ★★★★
これは谷沢(たにざわ)さん自身の、出あってきた本にまつわる自伝のようなものである。
谷沢さんは、こんなつまらぬ、まちがっている本はないと面とむかってどこにでも書かれる。
なぜそう断じるのかということについても同時の書かれており、決してお茶を濁すようなことはない。
悪口は堂々というとき端からみてすがすがしく感じるのは私だけではないはずである。
もちろん影でこそこそ、それこそ重箱の隅をほじくるように言うのはみっともない。
波風立てたくなければあたりさわりなく褒めて(?)おけばいい、というようなものだろう。
だが、谷沢さんはそうすることができない、非を見逃すことはできないのだ。
だが、ほめる感服することがないということではない。河盛好蔵氏の「Bクラスの弁」をこう評する。
『人間は平等だと囁く奴は悪魔である。私どものひとりひとりはすべて、容貌はもちろん性をも含めて、
諸能力に甚だしい隔差をつけられて、西も東もわからぬまま世に生まれ出る。
そしてこれから生きてゆかねばならぬ人生は、なんと過酷な世界であろう。
自分が逆立ちしても及ばぬ才能を発揮して、思うが儘に楽しく優遇されている奴を、憎み嫉み怨んだ
果ての悲しさ辛さ。泣いても喚いても呪っても甲斐はない。必ず自分の人生の着座を探さねばならぬ。
その身の置き所を仮にBクラスと名付けたのである。本当はCクラスDクラスでもありうるのだけれども、
寅さんは言う、さくら、それを言っちゃあおしまいだ、とね。』
こころしながら、頑張ってEクラスなどのんびりと生きていきましょうか。

「ジャガイモのきた道」 山本紀夫 岩波新書 ★★★★
ジャガイモはどこが原産地かということは、おおよそだれもが知っているとは思う。
まさかドイツだろうなんて(ジャーマンポテトなんていうし)、しゃれにもならないのだが。
韓国などもキムチなどトウガラシ料理が有名だから、なんとなく伝統的食材だと思われていたりする。
しかし韓国にトウガラシが伝わったのはそんなに昔(?)のことではないのだ。
ジャガイモをはじめとしてトマトやタバコ、トウガラシなどの原産地はアンデスだということだ。
スペインの侵略によって、やがてヨーロッパやその他の地域に広がっていった。
筆者はこれらの起源を探るためにアンデス地方で様々な品種や野生種の調査をしていた、とのこと。
本書を読んでいて、生物多様性論のむずかしさに思いがいたるのである。
外来種を排除せよ、とはいったいどういうことをいっているのかいまでもよくわからない。
益虫、害虫というのもよくわからない。そうそう雑草というのはなんだ。
『雑草といえば、日本ではふつう邪魔な植物あるいは役にたたない植物というイメージがあるが、
ここでいう雑草とはそれとはやや異なる植物群のことである。
すなわち、雑草とは人間が攪乱した環境のみに適応し、人間に随伴している植物のことだ。
実際、雑草は道ばたや畑、さらには空閑地などで生育し、自然林や自然草原には侵入しない。
そして、人間によって利用されるようになったイモ類もこのような雑草型のものであり、
人間の身近にあったと考えられるのである。』
雑草は食べられる、そう七草がゆはその代表でありましたね、先人はなかなかやるもんだ。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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