ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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快楽主義
生物は快が感じられるように行動するのが本来の生き方である。
だから、快楽をもとめて生きるというのは自然な姿である。
しかし、日本社会では快楽ということばにうしろめたい悪いイメージがある。
快と快楽は語感がちがうのだが、いちど定着したイメージは容易には変えられない。
エピキュリアン(快楽主義者)とは、好き勝手、放埒に生きる者と思われた。
また日本人はなにごとにおいても、道をきわめるというようなことが好きだ。
じつは快と不快はそう簡単には分けることができないのではないかと考える。
ヒトの嗜好というものは、一筋縄ではいかないものだとも知られている。
だから、虐げられることに活路をみいだす(?)マゾヒストなるひとたちもいるのである。

041はす池

「秘密」 P.D.ジェイムズ 青木久惠訳 早川書房 ★★★★
ジャーナリストのローダ・グラッドウィンは殺される三週間と二日前に、四十七歳の誕生日をむかえた。
中学生のときに父親からつけられた顔の傷跡は、みにくいケロイド状になっていた。
そしていまになって、彼女は有名な形成外科医を訪れたのである。
『「これまで三十四年間、何もなさらなかった。どうして今、取ろうとなさるのですか」
ちょっと間をおいて、ローダは答えた。「もう必要ありませんから」
医者は答えなかったが、ファイルにメモを取っていた手が、数秒間止まった。』
手術は無事成功したが、翌朝ローダはベッドで扼殺死体となって発見された。
なぜ、いま彼女は傷跡を取りのぞこうとしたのだろうか。
そしてなにゆえに殺されたのか、またまたダルグリッシュ率いる特捜チームが現場に急行する。
殺人犯はなぜ彼女を殺したのか。ベントン部長刑事は考える。
『殺して遺体を隠した恋人や肉親が、涙ながらに犯人を捕まえてくれと訴える場面を、
ベントンはいくらも見た。
しかし他の人間がいる場所でうそをつき続けるのは、そう簡単ではない。
容疑者本人は表情をコントロールする名人でも、
彼の話を聞いている人たちの顔に真実が現れるかもしれない。』
本作が発表されたのは、P.D.ジェイムズが八十八歳のとき、年齢を感じさせないですねえ。

「悪妻に訊け」 池田晶子 新潮社 ★★★
ギリシャの哲人ソクラテスとその妻クサンチッペをかりだして、縦横に切りまくるという構図である。
池田さんが亡くなって、もう六年あまりがすぎた。
もうあたらしい著作に出会えないのかと思うと、しんみりしてしまうのである。
以前に読んだのかどうか憶えていないのだが、新たな気分で読むことができた。
なかでも著作権(?)あるいは独創性についてのこんな対話がおもしろい。
『ソクラテス しかし、或る考えがそれを考えた人だけのものだったら、他の人は、どうしてそれを
理解することができるのだろう。他の人がその考えを理解できるということは、その考えが、その
人ひとりのものではないということではないのかね。
クサンチッペ そうねえ――。でも、自分の考えを勝手に使われたって怒るガメツイの、やっぱり
いそうじゃない。
ソクラテス そう、だからそういう人は、初めから考えを外には出さんことだな。出さんで大事にしま
っとくんだな。出したらたちまち理解されちまうんだから。それでも俺はこんな独自なことを考えてと
るぞと、見せびらかしたくなるだろう。さて、出すか、出さぬか。
クサンチッペ そのうち別の人が先に出しちゃうよ。
ソクラテス だろ? だから、考えは皆の共有のものだと素直に認める方がいいのだ。』
あまりに独創的すぎるとだれにも理解してもらえず、ということもあるかもしれません。
つまり精神病院送りということで、近年にもよく似たようなことがあったんではないでしょうか。

「成功する読書日記」 鹿島茂 文藝春秋 ★★★
鹿島茂氏といえば、「馬車が買いたい!」なのだと思うのだが、機会がなくまだ読んではいない。
そんなおり図書館で書棚に本書をみかけた。
まずはウォーミングアップということで読んでみることにした。
こういった本に期待するのは、なにかおもしろそうな本を示唆していただけることしかない。
『一億人いれば、一億通りの読書日記が存在する。これこそ、読書のユートピアではないでしょうか?』
と彼もいうように、それぞれがそれぞれの読書をすればいいのである。
だが、いい本との邂逅はなかなかにむずかしく、すべての本を読むということは不可能である。
氏はフランス文学者ということで、奥本大三郎さんもそうでしたね。
あと河盛好蔵氏とか、あまり思いだせませんが…。
しかし、読書といってもいろんな本がありいろんな興味のもと読まれていることがわかります。
いましばらく、本の森を逍遥しましょうか(笑)。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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