ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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カイギシュギ
懐疑主義とは対極にあるひろく日本社会に蔓延している会議主義のことである。
一種の儀式なのであるが、当然その前には根回しとよばれる合意形成の動きがある。
上意下達がある意味至上(市場?)の論理であるから形式はことのほか重要視される。
形というのは逸脱を嫌うから、なぜこうしなければという懐疑はゆるされることではない。
といって反論ができないという非民主的なことではなく、反対はおおいに歓迎される。
最終的に数の論理で否定されるのだが、反対があったということで結論の価値はおおいに高まる。
反対なき運動は盛りあがりに欠けるし、補償額が高どまりしないという経験則が知られている。
つまり会議というのは議論する場ではなく、手続きなのだからなくすことはむずかしい。
会議をどうするかという会議をすることぐらいが、できる最善のことなのかもしれない。

N2631本棚

「人とつき合う法」 河盛好蔵 新潮文庫 ★★★★
ヒトは人の社会を構成して、はじめてそのなかで生きていくことができる。
であるから、当然どうつき合っていけばいいのかの智恵はどこかにあるはずだ、と考えなくもない。
しかし、とおりいっぺんの説教など聞きたくもないというのが正直なところである。
で、谷沢先生がいつもほめている本書をやっと読んでみようかという気になった。
『しかし居直って言わせてもらえば、たいていの人間はみなそれぞれイヤな部分を具えているのでは
ないか。人間的なというのは、イヤなやつだというのと同意義語であるかもしれないのだ。
そして、このイヤな部分によって、お互に反発すると同時に、お互に愛し合うばあいも少なくないの
である。人間の長所美点は、ふしぎにその短所欠点と結びついている。
どこから見ても、非の打ちどころのない人間などというものは、私などから見ると、ほとんど魅力がない。
そういう人間は、ある意味からすると、「イヤなやつ」ともいえるのである。
こちらのひがみであるかもしれないが。それはともかく、人とつき合う法は、
この自他のうちにある「イヤなやつ」の処理から始めなくてはならない。』
なるほど、身の程も知らないといけませんね。
『(アンドレ・プレヴォーというフランスのユーモリストの「楽天家用小辞典」に)
「約束」というところには次のような定義が出ている。
「選挙のときに使われる小銭。 漠然とした約束は拒絶の最も丁寧な形式である。
決して約束を守らない人間に対してあまり厳格であってはならない。
彼らは希望の種をまく人々であるから」』
それに約束違反を声高かにいう人が約束を守るかというと、選挙のたびに思い知るのであります。

「内臓とこころ」 三木成夫 河出文庫 ★★★★★
どこかで養老先生の紹介文を読んで、以前「胎児の世界」(中公新書)を読んだのを思いだした。
どこかありきたりの学者先生とはちがうなあ、という印象だったが、思いあらたにした。
『ふつう生理学では、なにか物を見て、それを神経が脳に伝え、
その指令が、こんどは筋肉に及んで、運動になって終わる。
そのように教わりますが、この、つまり、感覚が原因で、運動は結果だという考え方は間違いです。
その証拠に「犬も歩けば棒にあたる」というのがあるでしょう。
動いたから新しい感覚が起こるということもあるわけです。
ここでは運動が原因で、感覚が結果です。だから正確に申しますと、感覚と運動というものは、
どちらが原因で、どちらが結果であるというものではない。
原因・結果として結び付けるのはじつは人間の、どうしようもない“わがまま”なのです。
あるいは道楽といってもいい……。それじゃあ、どういえばいいのか。
「感覚あるところに運動あり、運動あるところに感覚あり」。
どちらがあと先ということはいえない。
感覚と運動はたがいに聯関する、というのが正しい言い方です。』
ね、ちょっとちがうでしょう。いろいろ紹介するより是非読んでいただきたい。
「脳-体壁系」「心臓-内臓系」という図式の話など興味深いと思います。
これがアタマとココロという日常の言葉にどうつながってゆくのかなど…。

「警視の偽装」 デボラ・クロンビー 西田佳子訳 講談社文庫 ★★★★
ダンカン・キンケイド警視シリーズも十二作目、ジェマ・ジェイムズ警部補もいつしか中心人物に。
今回はジェマが友人に頼まれて、オークションに出品されているジュエリーを調べることになる。
そのジュエリーは戦争中になくしたはずだったが、精巧な細工でかなりの高額なものだ。
その友人の父親が作ったものでもあり、ユダヤ人であったことから謎につつまれているようだった。
ところが、調べはじめたときにその店の従業員がひき逃げにあって死亡してしまう。
事件のにおいをかぎつけたジェマはキンケイドに捜査を担当してほしいと頼むのだった。
ユダヤ人の父親にまつわるて戦中戦後の出来事が、捜査がすすむにつれ明らかになってゆく。
事件性もあるが、戦争とユダヤ人の問題についても考えてしまう作品になっている。
まずは読んでミステリを楽しみ、またいろいろと思い考えることも楽しいことではないだろうか。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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