ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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ねむり病
アフリカの風土病で、トリパノソーマ症ともアフリカ睡眠病ともよばれる感染症がある。
ツェツェバエが媒介する寄生原虫トリパノソーマによって引きおこされる。
病状はというと睡眠周期が乱れてきてもうろうとした状態になってしまう。
さらに症状がすすむと、昏睡状態になって死に至ることもある。
これが病名の由来となっているだが、最初にうける印象とはずいぶんとちがっている。
シャルル・ペローの童話集にある「眠れる森の美女」のイメージと重なってしまうからだろうか。
こんなことを知っているものだからか、昼休みの読書中に眠くなるとふとうかんでくる。
もしや、ねむり病にかかってしまたのだろうか(アフリカに行ったことはないのだが…)と。
これはヒトのもつサーカディアン・リズムという生理現象ゆえなのだが、これじゃあ興ざめです。

N3172秋桜

「天使のゲーム」 上下 カルロス・ルイス・サフォン 木村裕美訳 集英社文庫 ★★★★★
前作「風の影」とおなじく舞台はバルセロナ、ときは1971年。
17歳のダビッド・マルティンは『産業の声』紙という落ちぶれた新聞社で雑用係をしていた。
あるとき短編を書くチャンスをあたえられ作家としてのスタートをきった。
やがて独立し、偶然にも以前から通るたびにあこがれていた「塔の館」に住むことになった。
ある日、謎の編集者アンドレアス・コレッリから執筆依頼をうける。
その内容は、一年間わたしの依頼する本だけに専念しテーマは契約後に話すという。
そして莫大な報酬が支払われた。
それまでの契約で拘束されていた出版社は放火され経営者もろとも焼けてなくなってしまった。
さらには「塔の館」の前住人ディエゴ・マルラスカが不審な死をむかえていたことがわかる。
そんななかでコレッリはいうのだ。
『役立たずの者にかぎって、まず自分のことを専門家だと言ってくる。
残虐な者は、情けぶかい人間と称するし、罪人は信心家、高利貸しは慈善家、くだらん人間は愛国者、
低俗な人間は上品で、能なしは識者というぐあいです。これもまた、すべて自然のなせるわざですよ。
自然とは、昔の詩人たちが詠った妖精などではない。自分が生きつづけるために、つぎつぎ子を産んで
は食べて栄養にしていく、残酷で貪欲な母ですから』
マルティンがあこがれていながらも、富豪の御曹司と結婚してしまったクリスティーナ、
みずからも文学を志すアシスタントのイサベッラ、恩人ともいうべき書店主センペーレなど
おおくの人物が彼の人生をいろどりながら、物語りは意外な方向へと転じてゆく。

「沈黙の町で」 奥田英朗 朝日新聞出版 ★★★★
夏のはじまりのある夜、中学校に居残っていた担任飯島教師あてに父兄から電話がかかった。
息子がまだ帰らないがと、念のため校内を見回ると部室脇の側溝に倒れている生徒を発見した。
すでに死亡していたが、シャツをめくると背中には紫に変色した痣が無数にできていた。
これは事故か自殺か、それとも殺人なのか。
ミステリのような展開になってゆくのだが、…。
桑畑市立第二中学の二年生で、クラブ活動をしていた同級生たちに警察の尋問がはじまった。
同級生の市川健太、坂井瑛介そして安藤朋美らの青春群像がえがかれてもいるのだ。
亡くなった生徒(名倉)はほんとうはどうして死にいたったのか。
『写真で見る名倉祐一は、絵に描いたようなひ弱なお坊ちゃまだ。
そういう子が男子たちの輪の中でどう扱われるか、自分の中学時代を思い返せばすぐに答えは出た。
中学生は残酷だ。恐らく人生で一番の残酷期にあるだろう。
それは自立への過程で噴き出る膿のようなものだ。
みながもう大人には泣きつかないことを知り、自分たちの生き残りゲームを始める。』
イノセント・ワールドなんてじつはどこにもないって知ってた。
だいたいが、なぜこどもがイノセントであるものか。こどもは直截的なことはだれでも知っている。
大人よりも残酷無比なところも多々あるだろう。よく見ていればそんなことはすぐに分かるはずだ。
いじめだと簡単に決めつけてことが解決する、ことではないかもしれない。
こうした時代を抜けてみんな大人になってゆくんだろうか。

「本は、これから」 池澤夏樹編 岩波新書 ★★★
電子書籍とやらが世間では騒々しい話題になっているようである。
いつの時代にでもお金になりそうな周辺には、人々が群れ集うのは世のならわしなのか。
まあそれとは別に、グーテンベルク以来の革命だという方もおられる。
あるいは一方で、読書離れがさらに加速されるのではと悲観的な意見もきかれる。
まあ、わたしからすれば無くなるものは亡くなればいいのではと単純である。
いろんな方々がいろんな意見・提言・予想・感想を書かれているので興味のある方は一読を。
それとは別にこんな素朴なというか、ステレオタイプな方がおれれるのかと驚いた一文。
『いまから十年ほど前、ベトナム戦争のその後の取材でベトナムを訪れたときのことです。
目抜き通りに大型書店があったので、立ち寄りました。
そこで、万引きをした若者が店員に捕まる瞬間を目撃しました。
若者が万引きをしようとしたのは、英語の教材でした。きっと高価なものだったのでしょう。
でも、漫画や猥褻な本を万引きしようとする、どこかの国の若者とは大きな違い。
万引きはいけないにしろ、知識欲の旺盛さには圧倒されました。』
これをかかれたのは、池上彰という方、ジャーナリストだそうですが…。
英語の教材は高価なんでしょうから、盗んで学ぶよりは転売するほうがありそうですね。
この出来事から、「知識欲の旺盛さには圧倒されました」へとつなぐのは無理があると感じる。
単なる思いこみの強い世間知らずな方というだけ、なんでしょうか。
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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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