ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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相対性と相性
相対性原理という有名な物理学の仮説が発表されたのは二十世紀初頭の頃だ。
そのアインシュタインが来日することになり、これを契機に数多くの解説書などが出版された。
彼の人気の高さからかよく売れたそうなのだが、ある不可解な現象に気がついた。
店頭でちらっと見て、さっと買ってゆく若いご婦人がことのほかおおいのである。
はてさて、先端の物理学理論に興味をおもちだとは考えがたい層なのだがと疑問に思われた。
よくよく調べてみると、どうも「相対性」のことばを「相性」とはやとちりしているようなのだ。
男女の相性についての本と勘ちがいして買っていかれたということが判明した。
というようなことをどこかで読んだ記憶が残っている。
たしかによく似た漢字面なのだが、人の相性の問題もなかなか奥深いと思われる。

N3665光の屈折

「いま大人に読ませたい本」 谷沢永一・渡部昇一 致知出版社 ★★★
谷沢さんの次のような考え方は、納得できるものである。
『本を読むという行為は、所詮独りだけの営みです。
だからこう読まなければならない、こう受け止めなければならないという制約は何もない。
本を読むことの本質は、我流であることです。』(谷沢)
まあ、我流以外でどんな読み方があるのか知らないけれど。
谷沢さんが、竹内靖雄さんの「日本人の行動文法」を推薦するなかでこんなことをいう。
『いちばん印象に残っているのは、「学歴というものは入れ墨のごときものだ」という言葉ですね。
日本では、学歴は絶対に消えないというのです。これは名言だと思いますね。』(谷沢)
しかし、本の読み方にちがいがあるようで、このへんでひと休みというところでしょうか。

「脳には妙なクセがある」 池谷裕二 扶桑社 ★★★★
池谷さんの本は読みやすながら、なるほどと思わせる点が多々あり附箋が手ばなせない。
『ところで、ヒトには五感があります。みる(視覚)、きく(聴覚)、かぐ(嗅覚)、味わう(味覚)、
肌で感じる(皮膚感覚)からなっています。この中で「嗅覚」だけは特殊です。
解剖学的に説明すれば、嗅覚以外の四つの感覚は、脳の大脳皮質に届くまでに「視床」という中継点
を通る必要がありますが、嗅覚の情報は視床を経由せずに大脳皮質や「扁桃体」に送られます。
思い切った言い方をすれば、「香りの刺激は直接大脳に届く」ということになります。
睡眠中でさえも嗅覚情報は脳に届きます。とりわけ、嗅覚系に近い脳部位の一つに「扁桃体」があります。
ここは感情に関係した重要な脳部位です。
これこそがアロマセラピーの心理効果をここまで高めている理由なのでしょう。』
この嗅覚はヒトでは退化しているなどといわれますが、どうもまゆつばです。
嗅覚についての本がもっと読みたい気がします。
『脳は、身体と情報のループを形成しています。身体から感覚を仕入れて、身体へ運動として返す。
身体の運動は、ふたたび、身体感覚として脳に返ってきます。
たとえば、花のよい香りが漂ってくる場合、蝶々ならば、鼻から匂いを感知して、脳に届けます。
これが身体感覚からの入力です。脳はこれを「食物の場所だ」と読み解き、
花ある方向へ飛ぶように身体を仕向けます。これが身体運動の出力です。
そして、正しく花の方向に飛ぶことができれば、匂いはよリ強くなります。
この濃度勾配の情報を仕入れ続けることで、自分が正しい方向に飛んでいることがわかります。
この情報は身体感覚への出力です。つまり、身体と脳の間で、情報の流れがループになっているわけです。
ところが、ヒトのように大きな脳では、脳の自律性が高く、身体を省略して内輪ループを形成する
ことができます。横着して脳内だけで情報ループを済ませるのです。
この演算行為こそが、いわゆる「考える」ということではないでしょうか。
ヒトの心の実体は、脳回路を身体性から解放した産物です。』
なるほど、わかりやすいですね。あと示唆にとむ文章目白押しですのでご自分でお読みください。

「監獄裏の詩人たち」伊藤信吉 新潮社 ★★★
萩原朔太郎は上州・前橋で生まれた。
この地の風物にむすびつけて「郷土望郷詩」と題する一連の詩をつくった。
利根の松林、大渡橋、前橋公園、広瀬川、などなじみ深い場所や建造物のこと。
だが、ひとつだけ馴染みの意味のニュアンスのちがう景物を詠んでいた。
「監獄裏の林」がそうである。
というエピローグからこの書物ははじまっていくのである。
試作と監獄のとりあわせはめずらしい。
その地を訪れたりしながら、筆者の思索は続いていくのである。
朔太郎は監獄に、そこに収監された受刑者たちにどういう思いをよせていたのだろうか。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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