ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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趣味というほどの読書
ご趣味はと訊かれるので、まあ、趣味といえば読書ぐらいですかねえとこたえる。
とおっしゃるほどですから、どのぐらいの数読まれるのでしょうか。
ええまあ、趣味程度ですからそんなにたいしたことはありませんよ。
いえいえ、趣味と豪語されるくらいですから相当な冊数読まれるんでしょう。
えっ、そんなたいしたことないですよ、毎日一冊読むわけじゃないですし。
それでもそれとちかいいぐらいのものは読まれるんでしょう。
あのうお聞きしたいのですが、趣味の読書ってどのくらい読むものなんでしょうか。
そりゃあ趣味でというくらいですから、年間三桁にとどくくらいは読まれるんじゃないですか。
ほー、では前言撤回。読むことを仕事じゃなく趣味にしたら大変ですねえ、はっはっは。

N4329子めだか元気

「死層」(上)(下) パトリシア・コーンウェル 池田真紀子訳 ★★★
1990年に「検屍官」で華々しいデビューをかざって、一躍人気作家になった。
いまでもそのときの驚きをおぼえているし、こういう世界があるのだということに興味をおぼえた。
そのシリーズも本作で第20弾になるというから、ずいぶんと時間が経ったものだ。
やはりよほどの覚悟がないとシリーズ物はマンネリ化してしまうということがよくある。
どこかで読者にショックというか、なるほど感を与えたいと作者は望むのだろうと推察する。
ミステリの筋立てだけではなく、ロマンスもあるほうがいいのではとでも考えるのだろう。
主人公スカーペッタのまわりにやたらと美男子や魅力的な男性が登場するのだが、わずらわしい。
彼女の年齢はいったいいくつになるだろうと、ふと疑問に思ったりもする。
もちろんロマンスに年齢は関係ないんですが(笑)。
おまけにやたら科学的な専門用語が頻出して、なんだこれはと思ってしまう。たとえば、
『メルセデスの運転席周辺から採取した物証をガスクロマトグラフィ質量分析計(GC-MS)で
分析したところ、赤っぽい木の細片は、アメリカンオークと矛盾しない独特の環式多価アルコール
のプロファイルを持っていることが判明した。』
どうしてこうくどくどと説明する必要があるのだろうなどと考えたりしながら読んでいた。
これはジェフリー・ディーヴァーのリンカーンライム・シリーズにも共通している。
どうもアメリカの文化というか社会がそういう傾向にあるからだろう。
STAP細胞問題でもでてくるイギリスの科学誌は「ネイチャー」、一方アメリカは「サイエンス」。
このあたりにあるんだろうな、いいとか悪いとかではなくですが。
いやミステリといえども、その社会を映すものなのであります。

「戦争とゲーム理論の戦略思考」 竹内靖雄 日本実業出版社 ★★★
表題からゲーム理論について書かれたものかと思ったが、戦争やビジネスのためのガイダンスとある。
たまにはこういうことも考えてみるのもいいかもしれないですね。
戦争には戦略がなければ勝つことはできない、日本が負けたのはこれがなかったからだとはよくきく。
戦略については中国にはむかしから幾多の先人が書き残した書物がありなかなか示唆に富むという。
孫子の兵法ということで有名であるが、彼の戦争観はどんなものだったのか。
『孫子が無条件に賛成する戦争は、重大な危機を逃れるために不可欠な戦争である。
逆にいえば、領土や覇権その他の利益を手に入れるために大軍をもって相手国に侵攻する、
といった戦争については、無条件には賛成しない、という態度を意味する。
戦争以外の方法で相手を屈服させることをまず考えるべきであり、戦争以外に方法がないとしても、
利益とコストの計算をして引き合う場合以外は戦わない。これが孫子の基本原則である。』
あくまで冷静、功利的な態度でありますね。これがいうは易く行うは難しなんでありましょう。
『つまり敵を完全包囲して(袋の鼠にして)逃げ道のない状態においてはならない、というのである。
退路を残しておけば、敵は逃げるチャンスがあると思って希望を抱き、その退路に殺到する。
そしてわれがちに逃げ始めたところを追撃すれば、敵は統制もなく壊走する状態に陥り、
これなら思うままに殺戮することができる。
合戦で敗れた側の死傷者のほとんどは、この壊走状態において発生するといわれている。』
これなんかもいろいろと応用できそうな知見でありますね。

「目くらましの道」上下 ヘニング・マンケル 柳沢由実子訳 創元推理文庫 ★★★★
夏休みをまぢかにした六月二十一日、部屋をでようとしたヴァランダー警部の机の電話が鳴った。
農夫からの通報で菜の花畑に不審な行動をする女が入っているというものだった。
パトロール警官がではらっていたためヴァランダーが車で現場に向かった。
到着し畑をながめると、五十メートル先の菜の花畑にたしかに黒い髪の女が立っているのが見えた。
近づいていくと、少女だということがわかったがすばやく姿を消した。
やっとみつけ「ポリスだ!」と叫んだとたん、彼女はガソリンをあびてライターで火をつけた。
ヴァランダーはどうすることもできず、ただ顔をそむけて嘔吐した。
彼女の名はのちにわかるが、ドロレス・マリア・サンタナ、ドミニカ共和国の生まれだった。
続いて元法務大臣が背中を斧で割られ、頭皮の一部を剥ぎとられるという殺人事件がおこった。
そして画商がおなじような手口で殺され、三人目は生きているうちに塩酸で目を焼かれていた。
凄惨な連続殺人事件はどのようなつながりがあるのか、少女との関連はあるのか。
一見無関係にみえる事件がじつはあるキーワードで関連している、ということが次第にうかびあがる。
クルト・ヴァランダー・シリーズの第五篇になる長編ミステリである。
二〇〇一年英国推理作家協会のゴールゴダガー賞を受賞した。じつにすばらしい出来である。
事件の裏にはいろんな社会問題がひそんでおり、そのことを思って暗澹となるのでもある。
ミステリ好きの方、是非ご一読を。自信をもってお勧めいたします。

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遠くに眺めるのも好きです。
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