ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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夏休みと図書館Ⅱ
あるとき、ついに彼が彼女のことを知っているかと聞いてきた。
一年下で名前はたしか○○さんというたかなあ、と答えた。
どこに住んでいるのか、となおも彼は問いただしてきた。
はっきりとは知らんけど、おれたちの地区より南のほうとちがうかなあ。
あんまりようは知らんよ、なんでそんなに訊くんや。
「そうか、きれいな子やな」
「そういわれれば、そうかもしれん」
「興味ないのんか」
「ああ、ないで」と言うと、すこしほっとしたような笑ったような顔になった。

N4832カマキリ

「ヘタウマ文化論」 山藤章二 岩波新書 ★★★
ヘタウマということばがある。ヘタウマとはなんなんだ。わかるようではっきりとはわからない。
『芸能に限ったことでなく、表現にたずさわって、日夜「ウマく」なることに研鑽努力している人間に
とって、「ウマくなって、それがどうしたの?」と訊かれたら、一瞬、返事に窮するだろう。
「ウマくなって、孤立するより、ヘタな方が、面白くて、多くの人に伝わるものがあるから、
その方がラクでいいじゃん?!」
いま、この国の文化は、こういう気配に包まれているように思えてならない。』
いつの時代にもそういうように心理学でいう合理化をする人間はいるものだ。
そういう方々そういうレベルで満足なんだからこれはしかたがありませんね。
そういうことに満足できない方々もまたどんな時代にもいるのではないでしょうか。
それよりこの俳句秀逸ですね。
『 おそるべき君等の乳房夏来る  西東三鬼 

敗戦後、まもない時期に発表された三鬼のこの俳句は、俳壇に、いや日本中に衝撃を与えたと、
物の本にあります。そうでしょう。』
戦争が終わったという気分がとてもよくでていると思いますね。

「琉球王国衰亡史」 嶋津与志 岩波書店 ★★★
この本は日本が江戸時代の末頃を舞台としている。
通事である板良敷朝忠(いたらしきちょうちゅう)の眼からみた琉球王国の衰亡史である。
琉球(沖縄)は地理的には鹿児島と台湾からのほぼ等距離に位置する。
東京とおおむね同じ距離にあるのはマニラである。
このことからわかるように文化的には東南アジアに近いと考えるのが一般的である。
政治的には薩摩藩に支配されるとともに中国との関係も深いものがありました。
こういったことを現代の日本人(ヤマトンチュウ)は忘れがちというか知らないのでしょう。
こうしたことを知るうえでも本書を読んでいただきたいと思うのであります。
激動の幕末も観点をかえれば、どうなるのかということも考えさせられる好著です。
『こうした斉彬の胸中にある秘策が実現できないのだ。秘策とは、台湾進出である。
琉球を開港したのち、その延長線上の台湾には琉球渡唐船の寄港地を設けるという構想である。
台湾を足場に英米仏と自由交易を開き、ゆうに幕府と対抗できるだけの国富と強兵を蓄え、
もって倒幕に立ち上がろうという大構想であった。』
このあたりもなかなかおもしろい歴史問題でもあります。

「科学者が人間であること」 中村佳子 岩波新書 ★★★
中村佳子さんの著作で記憶にあるのは哲学書房からでていた「自己創出する生命」かな。
それから幾冊か読みましたが、アポトーシスという現象には深く考えさせられました。
プログラムされた死、細胞の自死の意味は輪廻という仏教的な思想とつうじるところがあるようだ。
『「人間は生きものであり、自然の一部である」というところから出発し、その発想に基づいた世界
をつくっていくためには、機械論的世界観から生命論的世界観へと変わる必要があること、それは、
日常と思想を持つ科学者によってこそ進められることを示し、その具体的な方法は「重ね描き」に
求められるとしてきました。』
この機械論的世界観と生命論的世界観のどちらか一方が絶対的に正しいとはだれも思ってはいない。
しかし、ものごとは理論でもそうだが積みあげていくなかで平衡感を失いやすいのも確かだ。
いまの世のなかにおいても、絶対的な価値観、宗教感のもとでの争いは絶えないわけだし。
これはそう信じこむことが精神の安定を得やすいということなんだろうか、と思わずにはいられない。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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