ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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夏休みと図書館Ⅲ
なぜ興味がなかったかというと、美人だがとりすましたような感じがしたのだ。
だから愛らしさには欠けているのかな、とこれは想像でしかなかったが。
でも結局彼と彼女の距離がちかづくことはなく、あいかわらずの図書館通いがつづいた。
夏とはいえ夕方になると暑さもひと段落するので、帰り道はのんびりと歩いた。
寄り道になるがちかくに商店があり、精肉店店頭のコロッケなどを買った。
若さゆえ、いつもお腹がすいていたのでことのほかおいしかった記憶がある。
コロッケを食べ、たまにラムネを飲む夏休みの日々であった。
家がちかくなると、あたりは夕暮れてアカトンボが群舞していた。
そのころには小学校の校庭にコウモリが飛びまわる光景がふつうにみられた。

N4792池にうかぶ

「無地のネクタイ」 丸谷才一 岩波書店 ★★★
こうして読んでいて、ああもう丸谷さんは亡くなられたんだと改めて思う。
小説についてはあまり印象はないのだが、評論・エセーではいろいろとご教示いただいた。
世評におもねないところがいい、いいたいことは悪口に聞こえようとも気にしない。
なれあいというものを嫌って、それがまた嚆矢を射ているものだからだれも文句がいえない。
それにジョークというものを愛したようだ。人間堅いばかりではいけません(笑)
英米では引用句辞典の種類が多いと書く。
『英米の家庭でこれを備へつけるのは、差当りクロス・ワード・パズルのためらしいが、
あのパズルの出題で引用句がらみのものが多いのは、彼らの文化それ自体が引用句に満ちてゐるからだ。
政治家の演説も、新聞の論説も、長篇小説の題も、典拠を持つことがしばしばである。
そのへんの事情を最もよく示すものとしては、はじめて『ハムレット』を見た女の人が、
「変なお芝居ねえ。誰かが言つた文句ばかり集めて書くなんて」とつぶやいたといふ笑ひ話がある。
かういふジョークを作るやつは偉いよ。』
こいうパラドキシカルな冗句というのが英米では人気があるんでしょうね。

「日本の文字」 石川九楊 ちくま新書 ★★★★
石川氏の論は読んでいて説得力があるというのか、なるほどという視点をあたえてくれる。
『こうした漢字文明圏のなかで生まれ、育まれてきた日本語は、三種類の三文字、つまりは三種の書法
をもち、三種の文体をもつ。従来、「日本語を表記する文字としては漢字、ひらがな、カタカナの三種
類がある」と考えられてきたが、これは原因と結果をとり違えている。これまで述べてきた立論の延長
線上で正確に捉えなおせば、「日本語は三種類の書法からなる」、すなわち「三種類の文体からなる」
ということに帰結する。日本語というのは、一種類の文体でできているのではなくて、三種類の文体か
らできている。そういう言葉である。』
これは、文章を書くときになんとなく感じていたことである。漢字主体に書くときと、ひらがな主体で
書くときには、あきらかに思考のたちあがりかたがちがっている、と思われるのだ。
『『土佐日記』冒頭のこの文は一般に理解されているように、紀貫之が女のふりをして書いたのではな
い。東アジア漢字文明圏では「男」とは中華=大陸中央を、「女」とは地方を比喩した。これにしたが
い漢字を男手、ひらがなを女手とよんだ。この文意は「漢文(男=男手)で書かれている日記というも
のをひらがな文(女=女手)でできないものかやってみた」という意味である。』
こんな文章を読むと、いままでなにを学んできたのかと考えると同時に、なるほどとも思うのだ。
日本語を考えるのが好きな方は、石川氏の本を読むにしかず、ではなかろうか。

「「AV女優」の社会学」 鈴木涼美 青土社 ★★
本書は修士論文の延長上にある著作である、ということだ。
そんなところからか、堅苦しい言い回しや学生気分がぬけない文章があり笑える要素となっている。
『本書の中で私はAV女優の労働のアジェンダを詳細に見つめなおし、…』
アジェンダねえ、そういえばみんなの党の渡辺氏がよく言っていた、そこらへんにあるのかな。
『私が彼女たちが本当に自由意志であるか、強制労働であるのかといった空中戦の議論に興味をもて
ない理由もここにある。』
はて、「空中戦の議論」てどういう意味かよくわからないのですが…。
『また、次項で紹介する監督や製作会社の人間もまた、撮影の全貌に携わるといった意味で、
AV女優とは、内実を「ぶっちゃけた」関係である。』
なかなかにぶっちゃけた文章になっているようだ、とでも感想を述べるしかない(笑)。
で、現代のAV観というのは、かなり民主化がすすんでいるようなのだ。
『AVは風俗ではない、といった意識は業界関係者の間に、共通して感じられるものであった。』
では、作品を見るファン側の意識はどうなっているのか、あたりの考察もほしかった。
ただ、AV女優(U)が語る次のような話は興味深い。
『みんな、AV女優はひたすらエロいのがいいとか思っているかもしれないけど、ファンのひとたちは、
ブログでエロい内容とかV(VTRのこと)の現場のこととか書かれるより、今日は何食べたとか、
どこにお買いものに行ったとか、週末はカラオケで何うたったとか、普段どんな服着てる、みたいな、
素顔のUを見れる場所だと思ってるし。でもVではどうしてもエロじゃん。あとインタビューとかだと
そういう何気ないことよりもっと大げさな話になることが多いし。だからブログは、ほんとうに日記
みたいにしている(U)。』
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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