ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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印刷と製本
冊子にするものは、印刷が終わると製本にだす。別工程である。それぞれの専門家がいて、分業にな
っていた。製本所は下町にあった。男兄弟ふたりでやっていた。兄貴はあまりしゃべらない。弟のほ
うが渉外的な役割になっていた。まだなにも知らないぼくに仕事のことをいろいろと教えてくれた。
十六ページものだったら、こう割りつけるんだよと。紙を八折りにして、裏表それぞれにページ番号
をふる。こう折ると、裁断して製本にするときれいに冊子になるだろうと。なるほどそうだったのか。
だから気をつけて見てみるといいよ、ページ数というのは2からはじまって倍数つまり4、8、16、
32というふうになっていることが多いから。とくに16ページ以下の冊子だったら印刷製版の関係
でたいていはそのページ数に無理やりにでもしてるから、と笑っていた。そうするほうが、手間も印
刷や製本コストも安くなるし時間短縮だってできるんだ、ということだった。

N6345木製ネコ

「血の咆哮」 ウィリアム・K・クルーガー 野口百合子訳 講談社文庫 ★★★★
コーク・オコナー・シリーズの七作目にあたる。オコナーは保安官を辞めてミネソタ州オーロラの北
にあるアイアン湖畔の「サムの店」で観光客あいてにハンバーバーなどを売っている。しかしそれも
観光シーズンだけなので私立探偵のライセンスをとった。そのときにオジブワ族の老まじない師メル
ーが心臓の病で倒れたという知らせをうけた。見舞いにおとずれたオコナーに彼は奇妙な依頼をした。
息子がいるという。名前も知らない。母親の名はマリア・リーマというだけだ。それも七十三年前だ
という。オコナーの母はオジブワ族という因縁もあり、以前彼に助けられたことがあった。なんとし
ても彼の願いを聞き届けてあげたいが、これだけの情報でどうしたらいいのだろうか。そしてついに
メルーは若いころの出来事を彼に語りはじめたのだった。それはおどろくような出来事の連続だった。
アメリカは他民族国家である。当然ながらそれぞれの民族によって人生観、価値観がちがう。
『保留地では、あまりにもものが少ない環境で育った。だれもがほとんどものを持たなかった。仲間
より多く持っていること、持ちすぎていることは、オジブワ族の流儀ではなかった。』
いろんな人々がいるというアメリカ国家、こうした異色の主人公が活躍するミステリがひろく支持さ
れているということがアメリカの魅力でもある。物語りがどう展開していくのか、それは読んでいた
だくしかないのだが、世のなかには科学だけでは割り切れない世界が確実に存在するということが実
感いただけると思う。科学万能は、ある意味専制国家に似ているといえなくもない。科学の限界とい
うことをもっと知らなくてはゆがんだ科学観をもつことになってしまう。本末転倒である。

「なんでもカロリー換算」 竹内薫 丸山篤史 PHPサイエンス・ワールド新書 ★★★★
『1カロリーとは、1グラムの水を1℃上げるエネルギー量のこと』
そうなんだ、なんとなく知っているような気がする(笑)。ところがこの「カロリー」は栄養学と生
理学の分野だけで使われている。これ以外では「ジュール」という単位が定番となっている。そのう
ち「ジュール」に統一されるのが世のなかの流れだとか。
『もともと「カロリー」という単位は、理論的な値ではなく、熱力学の実験によって求められた値で
す。そのため、実験上の誤差を含んでしまい、厳密な定義を求める物理学にはなじまないとされてき
ました。
 一方、「ジュール」という単位は、数学の定義みたいなものであり、あらかじめ決められた基準値
です。』
で「カロリー」と「ジュール」の関係は、1ジュール=0.24カロリーとなる。
このあたり学校の勉強のようで退屈かもしれない。カロリーといえばダイエットと連想される方が多
いと思われる。そのあたりを以下にすこし紹介してみましょう。
『大人は1日に2000キロカロリー(女性は1700キロカロリー)を消費する』
なるほど、でも基礎代謝ってありますよね。つまり寝ているだけでも消費されるカロリーが。これが
そのうちの4分の3あるそうだ。いろんな数値が書かれていますが、参考までにご紹介しましょう。
すべて基礎代謝に対しての比率。椅子の座る1.2、料理1.4、デスクワーク1.6、歩行2.2、
掃除2.7、自転車3.6、ラジオ体操4.5、階段の登り降り7.5、とこんな感じです。という
わけで、人間の仕事率は、約100ワットだそうです。あの100ワットの白熱電球と同じ。つまり、
一日中100ワットの電球をつけているのと人間の活動はいっしょだということ。けっこう省エネで
できているもんです。
最近問題になっている電力事情の話には、案外知られていないこんなことがあります。原子力発電に
対しては宗教的とも思える拒否感がありますが、遠い将来のことも考えると必要だからここで完全に
やめてしまうのはどうかと思います。原子力潜水艦なんてのもあるんですがね。それは別として。
『水力発電というと、自然エネルギーの代表格のように感じられますが、水力発電の大部分は、実は
揚水発電です。純粋な水力発電というのは、自然頼みとなってしまい、雨が降るのをひたすら待って
いるしかなくなります。それでは膨大な需要を満たす大きな電力量にはならないため、電力を使って
ダムの上に水を汲み上げ(揚水)、それを放水することによって、発電を行なっています。』
では、その汲み上げるための電力はどうするのかというと。
『現在の揚水発電は、原子力と組み合わせて使われています。原子炉は動き続けていて簡単に止める
ことができませんので、需要の少ない深夜にも発電し続けます。深夜の余った電力を使って、夜の間
に水を持ち上げて、ダムの中に貯めます。そして、昼間の需要がピークを迎える時間帯などに放水を
して発電し、安定的な電力供給を行っているという仕組みです。』
水力発電は蓄電池の役割を果たしているわけですね。
『原発事故後、「原子力をやめて、水力を増やせばいいのではないか」という意見もありましたが、
実際には、原子力とペアになった揚水発電が大部分を占めているため、原子力発電を止めると、水を
汲み上げる電力が足りず、水力発電も減ってしまう、という困った状況なのです。』
こういうことも知っておかないと、割箸問題のときのようにトンチンカンな議論になってしまいます。

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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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