ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
04 | 2017/05 | 06
S M T W T F S
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

バーで読書
カウンターで飲んでいる。たいがいひとりである。あまり客がいないときなど、つまみがわりに本を
読みながらということもある。内容がこみいったものは読まない。まあ、読めないし読む気もしない。
まわりがすこしざわついているくらいがちょうどいい。読みながら、ときどきページを伏せ考える。
どうしてああなっているのか。だからこうなったのだろう。しかし、そうならない場合もあるという
ことは知っている。なるほど、そう考えることも可能だな。突如きこえてくる。そんなわけがないだ
ろ。考え方がおかしいよ。どうかしてるぜ。頭を冷やせよ。たしかにすこし熱くなっていたかもしれ
ないな。だけど、どうして。声のしたほうを見る。男女がふたりで言いあっているようだ。痴話喧嘩
か。俺には関係なかったのだ。だが、その関係ないということがなぜか胸を打つ。だれかが言ってた
ことばがよみがえる。言いたいこともいえないような関係はいつかかならず壊れるぜ、と。

N6570棚には

「トンデモ仮説の世界」 竹内薫 徳間書店 ★★★
科学は仮説だというと、そんなことはないという人は多い。ニュートンの万有引力の法則を考えてみ
ればよくわかる。アインシュタインが相対性原理をいいだすまでニュートンの法則が信じられていた。
仮説といういいかたがよくないのかもしれない。真理にあこがれるのはわかるが、別のよりよい説明
がでてくるまでの話だ。それはさておき、ガイア仮説で有名なジェームズ・ラブロックも誤解されて
いることが多々ある。科学的な見地から地球をシステムとして全体的に考えるべきと言っているが、
「ガイア」を意識をもつ生命体のように誤解されている。“リスク評価”をしなければといってるの
だ。ではこの“リスク評価”とは何か。
『「要するに、これは人類にとっての大きな“賭け”なんだ。地球温暖化が二酸化炭素のせいかどう
かについては、確かに異論がある。だが問題は、地球温暖化が来るかどうか、ではなく、万が一来た
ときに、人類にその準備ができているかどうかなんだ。
 賭けに負けたら、恐らく人類は絶滅する。現在の全世界の、GDPの1%程度の投資で地球温暖化
が防げるのであれば、今のうちに対策を講じたほうが、明らかに得だろう。」
 投資、とは?
「具体的には、化石燃料(石油・石炭・天然ガス)の使用を中止して、たりなくなったエネルギーを
原子力発電で賄い、20年くらいの研究機関をかけて、最終的にはほとんどのエネルギーを核融合炉で
賄うようにすることだ」』
原子力発電に反対する人はなぜそうなのかの説得力がない。これから将来に生きる人たちのことを考
えているようには思えない。原子力は危険だというならば、原子爆弾はどうなのか。まったく無用の
長物といえなくもない。そこは目をつむって原子力発電だけか。ただたんに焦点をずらしているほう
が利権がえられるということなのか。技術はいちどとぎれると、再出発までには余分の時間がかかっ
てしまうのは、日本のジェット機開発をみれば一目瞭然である。そのときになって、まちがっていた
で済むなら警察も倫理も思想も理念もなにもいらない、ということになるのではないか。孫や子のた
めになどと冗談もほどほどにお願いしたい。

「「歴史」を動かす 東アジアのなかの日本」 小島毅 亜紀書房 ★★★★
『歴史(history)という言葉は、古代ギリシャではもともと「真理の探究」を意味したという。そ
の後、この語は二様の意味を持つようになった。起こった事象そのものという意味と、事象について
の記録という意味だ。この区別を意識して、後者を歴史叙述(historiography)と呼ぶこともある。
ある事象をどう記録して語り伝えるか、歴史には常にこの課題がつきまとう。東アジアにおいて「史」
とは、元来、記録を司る役職の官吏だった。』
真理だと言い張るものと真理とはちがう。ときに百八十度反転することさえある。だから、その検証
法を苦労してつくりあげてきたのである。それは視点のちがいであったりする。
『日本の歴史を語る場合、ほとんどが、日本の近代を黒船来航から語り始めます。西暦一八五三年で
すが、実際はこの年に突然世界が変わったわけではないのであり、とくに人々のものの考え方という
ことから見てみると、私は一九世紀、(一九世紀といういい方自体が西洋的なんですが)、年号でい
えば寛政年間から近代がはじまると思っています。
 寛政の改革が非常に象徴的な事件で、それ以降儒学的な素養が一般に広まって、それが明治の日露
戦争のあたりまで持ちこたえ、そこで人々の考え方が変わる。』
なかなかおもしろい。ではどのように小島氏はとらえているのだろうか。
『幕末と明治は連続している文化のなかにあると思っています。一八五〇年ころ、ペリー来航の前の
日本人と、一八八〇年あたりの日本人の考え方は、その三〇年間でがらりと変わったわけではないこ
とを強調しておきます。』
またこのようにもはっきりとおっしゃる。伊藤博文は一九〇四年に韓国統監というポストに就任した
が、韓国併合反対派、懐疑派であった。しかしハルビンで安重根に暗殺される。その結果、併合反対
派の勢力が弱くなり、一気に併合へといってしまった、というのは歴史の皮肉なんですね。動機はさ
ておき、正義のためにしたことでも、結果的には不幸な結果に終わる。古今東西、テロリストという
のはそういう存在なのかもとおっしゃる。
『「自分からみて間違ったことをやっている政治家の生物的な生命を暴力で絶つ」というのがテロリ
ストの定義だと私は考えておりますので、その意味では安重根もそのなかに入ります。』
さらにさかのぼって、いままでにない意見を述べられる。
『日本の歴史上の人物で、評判が悪い人、ワースト10を選ぶとしたら、その10位以内は必ず入るであ
ろう人物に、足利義満がいます。しかし最近は彼に対する評価の見直しが進んでいて、私はむしろ日
本の偉大な政治家ベスト10に入れていいのではないかとさえ、思っています。』
織田信長といえば歴史上の人物のなかではとりわけ有名であり人気もあります。その信長のモデルと
していたのが足利義満だというのです。ちょっと、びっくりしますね。というように興味がもてる論
点満載の本書であります。

スポンサーサイト

テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://moucheokuno.blog26.fc2.com/tb.php/1460-60f8c125
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー