ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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お寺で読書
宗教寺院といってもいろいろある。そのなかでもわりあい寛容なのは仏教のお寺である。その寺は本
堂で昼寝ができる、といわれるぐらいだった。ある夏の日のことだった。わたしも若かったせいもあ
るだろうが、その噂を信じてだれもいない本堂にあがりこんだ。しばらくはおとなしく座っていた。
そのうちてもちぶさたで本を読みはじめた。疲れを感じてごろんと横になった。そのまま本を読み続
けた。風の音がさわさわと耳をすぎる。気持ちがよくなってきて、いつのまにか眠ってしまっていた
のだろう。チーンと鐘の音がして目が覚めた。和尚さんがやってきたのかと思ったがだれもいない。
まだ夢でもみているのかと膝をつねってみたが痛かった。まだ眠いとまたひっくりかえった。そのと
き天井に絵が描かれているのに気がついた。白い猫だろうか。眠り猫か。よおく見ようとじっと目を
こらすと、にゃあと鳴いた。うわっと驚いたら、横でいつのまにか三毛猫が頭をすり寄せていた。

N7339オブジェ

「限界点」 ジェフリー・ディーヴァー 土屋昇訳 文藝春秋 ★★★★
ひさしぶりリンカーン・ライムのシリーズではないミステリである。主人公のコルティは、アメリカ
の連邦機関(戦略警護部)の警護官だ。つまりボディーガードである。FBIなどと同様に、さまざ
まな公的機関の要請で命を狙われている人物を警護するのが仕事だ。今回コルティは凄腕の「調べ屋」
ヘンリー・ラヴィングに狙われるワシントンDCの刑事一家を警護することになった。この「調べ屋」
とは「消し屋」(殺し屋)とはちがって、ターゲットを拉致し拷問によって必要な情報を引き出し、
そのうえで殺害するプロのこと。かつてコルティの師であったファロウはラヴィングの巧妙な罠にか
かって拷問され殺された因縁がある。一家は刑事のライアン・ケスラーと妻のジョアン、そしてハイ
スクールに通う娘のアマンダ、それにジョアンの妹のマーリーの四人。そこでコルティは一家を夫妻
と妹の三人と、娘を別々にすることにした。で、なぜ狙われているのかを調べていくなかでどうもこ
れといった関連が見いだせない。はたして狙われているのはライアンなのか。それとも妻のジョアン
なのか。それとも狙いは他にあるのか。そこにFBIや連邦検事などからんで事態は進行していく。
警護官の役割とはなにか。コルティにとってそれははっきりしている。
『依頼人を物理的、肉体的に生かすのが私の役目であって、自己の魂と心を守るのは依頼人自身がす
ることなのだ。』
だが、現実はそうすっぱりと割り切れないこともある。人と人とのふれあいのなかでいろんな感情が
生まれ、消え、またよみがえったりするのである。ディーヴァーお得意のどんでん返しというか、こ
れでもかこうもあるぞとの反転するストーリーはさすがというほかはないのである。そこらあたりの
醍醐味は読んでみて感じるしか方法がない。

「世界の日本人ジョーク集」 早坂隆 中公新書ラクレ ★★★
ジョークは誇張されたものがおおいが真実を語っているともいう。著者があとがきでこう書いている。
『イギリスの哲学者フランシス・ベーコンの「学問の進歩」(岩波文庫)より、こんな言葉を。
「冗談は、しばしば真実を伝える手段として役立つ」』
それでは本文からいくつかご紹介いたしましょう。
『ソ連時代のある工場での話。
 イワノフはいつも始業時刻の一〇分後に来るので、とうとうKGBによって逮捕されてしまった。
容疑は「怠慢」であった。
 同僚のアレクセイはいつも始業時刻の一〇分前に来るのだが、ある日、KGBによって逮捕されて
しまった。容疑は「西側のスパイ」であった。
 サーシャはいつも始業時刻ピッタリに来るのだが、ある日、KGBによって逮捕されてしまった。
容疑は、「日本製の時計を持っているに違いない」であった。』
日本はハイテクの国なのである。
『失業中のトムの一日
 アメリカ人のトムは現在、失業中の身である。
 朝七時に時計(日本製)のアラームが鳴る。コーヒーメーカー(台湾製)がゴボゴボいっているあ
いだに、彼は顔を洗いタオル(中国製)で拭く。電気カミソリ(香港製)できれいに髭も剃る。
 朝食をフライパン(中国製)で作ったあと、電卓(日本製)で今日はいくら使えるかを計算する。
 腕時計(台湾製)をラジオ(韓国製)の時報で合わせ、クルマ(ドイツ製)に乗り込み、仕事を探
しにいく。
 しかし、今日もいい仕事は見つからず、失意と共に帰宅する。彼はサンダル(ブラジル製)に履き
替え、ワイン(フランス製)をグラスに注ぎ、豆料理(メキシコ製)をつまみながら、テレビ(イン
ドネシア製)をつけて考える。
「どうしてアメリカにはこうも仕事がないのだろうか……」』
いま気がついたが、台湾製の腕時計はまだ電波時計の機能がついていない。だから日本製ではない。
つまり失業中のトムには高くてそこまでのものは買えない、ということなのだろう。たまにはこうい
うジョーク集を読んで斜めから日本を世界をながめてみるのもいいでしょう。

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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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