ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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堤防で読書
若いころは自転車(いまはバイクかな、昔はバイシクルと言ってたが)で旅行するサイクリストだっ
た。風を切って、そうまさに肩ではなく顔にうけながら、走っていた。走りながら水も飲むし、パン
も食った。海辺にさしかかると急にこぐ気力がなくなっていく。あたたかな陽射しのころならなおさ
らである。コンクリートの堤防に自転車ともどももたれてしばしの休憩をとった。上にのぼって、海
をながめた。なんだかすぐに走りだすのがもったいなくて、本を読んだりしてた。しばらく読んでい
ると眠くなってきた。すこしぐらいはいいだろう。横になると、すぐに眠ってしまったようだった。
光をめざして走っている。そのむこうに黒い人影があるのだ。懸命にこいでもなかなか追いつくこと
ができない。はっとして、目が覚めた。すこし汗がにじんでいた。あたりはいつのまにか、日が落ち
かけている。あわてて自転車にまたがり今夜の宿めざしてまた走りはじめるのだった。

N8057シチダンカ

「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」 上 下 スティーグ・ラーソン
               ヘレンハルメ美穂・岩澤雅利訳 早川書房 ★★★★

前作のミレニアム2「火と戯れる女」の最後、リスベット・サランデルは銃で撃たれ埋められたが、
なんとか這いだしてきたのだ。ザラチェンコとともに病院に運びこまれるところから第三部ははじま
る。リスベットは三発の銃弾を受けていた。そのうちの一発が頭に撃ちこまれていた。しかし彼女は
なんとか生きている。このことが彼女の幸運を意味していた。困難な手術をへて一命をとりとめた。
一方事件現場に到着した刑事は、ミカエル・ブルムクヴィストの言葉を信じなかったばかりに金髪の
巨人ことロナルド・ニーダーマンを連行するべく差し向けた警察官二人が殺され、彼は逃走してしま
う。この状況を察知した公安警察内の「班」とよばれる組織が動きだす。さてこのミレニアム三部作
だが、どのようなものなのだろうか。訳者あとがきのなかで、刑事マルティン・ベック・シリーズを
世に送り出したラッセ・べリストレムはこう言っている。
『「おおざっぱに言って、第一部(『ドラゴン・タトゥーの女』)はオーソドックスな密室もののミ
ステリ、第二部(『火と戯れる女』)は警察小説・サスペンス、第三部(本書『眠れる女と狂卓の騎
士』)はポリティカル・サスペンスと言えるだろう」と評した。』
天才ハッカーであるリスベットはハッカー仲間の協力もえて、再び事件の深部に迫っていく。いろん
な登場人物がそれぞれに個性的だ。それは悪人も同様である。人物造形が緻密だから物語の奥行きも
当然にでてくる。なんといってもおもしろいミステリだ。当初十部作で構想されたというが、ラーソ
ンの急逝でそれがかなわなくなった。なんとも残念なことだがしかたがない。ストーリーの展開もそ
うだが、ラーソンの見るスウェーデン社会、世界観が知りたかったとつくづく思う。ミステリは時代
を映す鏡でもあるのだ。その鏡はしばしば醜いものをも映さなければならない。そこから人は考えは
じめるしかない。それが物語を読むということだと思う。

「38億年生物進化の旅」 池田清彦 新潮社 ★★★
地球が誕生しておよそ四六億年、最初の生命がうまれたのがいまから約三八億年前のことだと言われ
ている。人類なんて地球の歴史上からみれば、ほんの一コマなんだろう。そんな地球にはどんな生物
が住んでいるのか。
『生物学界ではかつて、バイオマス(生物の物質量)がいちばん多いのは木だと考えられていたが、
現在では、細菌のほうが数だけでなくバイオマスとしても最大なのではないかと考えられるようにな
った。細菌は、個々の質量は微々たるものだけれども、存在する範囲が極めて広いため、そのすべて
を合わせると木よりもバイオマスが大きいらしいという話になってきたのだ。』
細菌は人類や恐竜などよりも地球の先住生物だし地下深くにも存在していることはしられている。通
常の生物が生きられない温度でも繁殖することができる好熱菌などと呼ばれるものもいる。それとは
別に地球の年代の名称はどこからきているのかという疑問をもっていた。
『古生代の前半四つの紀は、いずれもイギリスの地質学者たちのよって研究され、命名されている。
「カンブリア」とはウェ-ルズを指す古い呼び名である。ウェールズで広くその時代の岩石が露出し
ているのでそういう名前になったのだ。「オルドビス」や「シルル(シルリア)」は、ケルトの部族
の名前である。デボン紀もイングランドの地方の名前に由来する。その後の石炭紀は、大陸に大規模
な石炭層が生成した時代だからそう呼ばれ、ペルム紀は、この時代の岩石が発達していたロシア西部
のペルミという地名からきている。』
わたしも池田氏の意見に賛成だが、こうも書いておられる。
『現代の地球環境をめぐる議論では、地球温暖化が問題視されるようになって久しいが、現在生じて
いる程度の地球温暖化が原因で生物が大絶滅した時代は過去にない。マクロに見れば、やはり、温暖
化よりも寒冷化のほうが生物にとってはずっと大きな問題なのである。』
地球の寒冷化によってそれまで一億八千万年余にわたって繁栄してきた恐竜は絶滅してしまった。現
在の地球ではヒトがその座を占めているようにみえる。
『人類は現在、人口が六八億人もいて、地球の支配者のようになっている。しかし、ネアンデルター
ル人、フローレス人、それにホモ・サピエンスと、少なくとも数万年前までは計三種いたものが、現
在は一種だけになっている。近年流行の「種の多様性が大切」云々という言い方に沿えば、ヒトの多
様性は激減しているのだ。現生種がほんのわずかしか残っておらず絶滅の危機に瀕している奇蹄類の
いくつかの動物(ウマ、サイなど)とその点では同じである。実は現代人類もまた、今、絶滅への道
を歩んでいるところなのかもしれない。』
常識で考えれば、そういうことになるでしょうね。確かめることはできませんが。せめて人類が百八
十万年(恐竜の百分の一)くらいは存在しますように。昨今の世界情勢をながめるとそれは無理とい
うものですかな。

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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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