ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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読みの國
本を読むとは、書いた人のこころの内を忖度することではない。
ひとたび言葉が文字となって浮かび上がったときには、
その言葉自身を味わわなければ、変にうがった解釈に陥ることになる。
読んで考える、考えてから読む、読まなくても考えることはできるが、
どうしても読まずにはいられないから、やっかいなのである。
読むものは書物に限らない。競馬新聞だって読む、のである。
しばしば読みははずれるが、それもいかしかたがない。

「ぼちぼち結論」 養老孟司 中公新書 ★★★★
雑誌「中央公論」の連載エッセイを収録したものだが、これが最後とのこと。
養老先生(こういうほうがしっくりする)には、いつも蒙を啓いていただいている。
世の中のことは、どこかですべてつながっているという感が強い。
『老子は大道廃れて仁義ありといった。
大工さんに聞いた話だが、木というものは、かならず多少は反って曲がっている。
だから板を切り出すときに昔は木を割って板を作った。
いまは機械でまっすぐに切る。
そのほうがたぶん「気持ちがいい」「楽だ」というのであろう。
挙句の果てには、それが「正しい」やり方だというに違いない。
そのかわり木の性質に合っていないから、当然木目はずれるし、弱くなる。』
そのことが分からないほどに、考え方がどこかおかしくなっている。
順序が逆だろうと思うのだが、そんなことには思い至りもしない。
こうしたところにも、現代の経済至上主義の根がみえている。

「睥睨するヘーゲル」 池田晶子 講談社 ★★★★
筆者お気に入りの駄洒落のようなタイトルである。
だがしかし、その意はヘーゲルを尊敬していることを表す。
外国人にも、例えば、エリク・エリクソンという名の人がいるように、
その連続する音を愉しむ、そんな心持ちは世界共通なのかもしれない。
相変わらずの直截な文章は小気味がいい。
『わからない人に「わかれ」とは言えない。
「わかる」の文法に命令形はないのである。
「わかる」とは、当人による当人の気付きのことでしかないのである。』
これを、わからない人にわからせることも、またできないのだろう。
読みつつ、いまはこの世にはいない彼女の言葉を静かに味わおう。

「煉獄の丘」 ウイリアム・K・クルーガー 講談社文庫 ★★★★
ミネソタ州のちいさな町に住む元保安官コーク・オコナーが主人公である。
アメリカ合衆国は多民族国家である、ということはだれもが知っている。
オジブワ族の聖地である森林の伐採をめぐる、製材所と環境保護主義者。
その対立のさなか、テロリストによる製材所爆破により人が死ぬ。
さらには、製材所のオーナー、リンドストロムの家族が誘拐される。
偶然そこに居合わせオコナーの妻と息子も巻き添えになってしまう。
しかし、事件は単純な誘拐ではなく、その裏には邪悪な計画が…。
湖とその周辺の美しい風景は、読んでいても迫りくるようである。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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