ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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続々・札幌のひと
よく考えた結果、短大はやめることにした。
これからは自分で働いて生活していこうと思う。
そのために、仕事も探すつもりだ。
選り好みはできないし、どんな仕事でもかまわない。
とりあえず、自活できるようになることが先決だと思っている。

そんな内容だった。
やっぱり、学校をやめたのか、もうすこしで卒業だったのにな。
手紙の内容だけでは計り知れない事情があるのだろうとも察した。

しばらくしてきた手紙にはこうあった。
いろいろと考えたけど、夜の仕事についた。
キャバレーだかナイトクラブで歌を歌っているのだという。
マネージャーがいい人で、仕事もなんとかやっていけそうだ。

どこか、危惧も感じたが遠く離れているぼくにはどうすることもできない。
せめて近くにいるなら、様子でも見に行っただろうが…。
頑張って、自分がやりたいことをやってほしい。
いつかまた違う仕事がみつかるかもしれないしな。
歌手がいけないというんじゃないよ、でも誘惑の多い世界だからしっかりな。

そんなふうに手紙をやり取りしていたのだが、あるときこう書いてきた。

やっぱり夜の仕事はやめることにした。
そうなるに至る経緯がぽつりぽつりと書かれていた。
マネージャーが好きになったのだという。
それはそれでいいのだが、じつは別の事情があった。
彼女のお姉さんがそのマネージャーと付き合っていたらしい。
結果的に、お姉さんが捨てられるみたいなことになった。
そしてお姉さんは自殺を計った。
さいわい、一命は取り留めたが…。
こんな状態で彼と付き合っていくことはできない。
こうなったからには、わたしは二人の前から身を引く覚悟だ。
故郷に帰って、静かに暮らしたいとも思うがそれも無理だろう。
きっと、札幌でのことが知れ渡っている。
そんな土地で生活することは苦しくてできない。

そんなことが便箋に何枚にもわたって書かれていた。

その後もときおり手紙がきていたが、数ヵ月後にはそれもぷっつりと途絶えた。

いまも元気にいるのだろうか、とときに思うことがある。
その後、彼女はどんな人生を歩んだのかを知るすべもない。
いまは穏やかな暮らしをしていることを願うしかない。
もしも再会することがあったなら、お互いにどんな言葉をかけあうのだろうか。

雪に白くなった山を眺めていると、彼女の名前が浮かんでくる。
「けいこ」さんといったが、幸せになっただろうか。
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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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