ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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読立読歩
芸術は模倣から始まる、などといいます。
ここにいう模倣とは、同じものを作るということではない。
同じとは何か、じっくり考えてみればわかるでしょう。
模倣しながら絵を描いて、同じものが描けるなどとどうしていえるのでしょうか。
まったく同じ絵を描くことは不可能なのです。
では、なぜ模倣から始まるというのか、なかなかに含蓄があるのではないですか。
そんなことを考えるだけでも、独創的になれるのではないでしょうか。

「国家の品格」 藤原正彦 新潮新書 ★★★
品格があるとか、ないとかということがある。では、品格とはなにか。
そんなものがなんの役に立つのか、という人たちがいる。
もちろん、それで儲かるのか、所得が増えるのかということらしい。
『ある国の子供たちは、「万引きをしないのはそれが法律違反だから」と言います。
こういうのを最低の国家の最低の子供たちと言います。
「法律違反だから万引きしない」などと言う子供は、誰も見ていなければ万引きします。
法律で罰せられないから。
大人になってから、法律に禁止されていないことなら何でもするようになる。
時間外取引でこそこそ株を買い占めるような人間がどんどん生まれてくる。』
倫理もおなじような構造をもつのではないかと考えたりする。
自己規準なくしてどう生きるのか、はなはだむずかしいことだと私は思う。

「イン・ザ・プール」 奥田英朗 文藝春秋 ★★★★
ものごとの本質に迫るには、戯画化してみると見えてくるものがあるようだ。
戯画化はユーモアといいかえても通じるところがあるのではないだろうか。
「伊良部総合病院」の地下一階にある「神経科」の「医学博士・伊良部一郎」。
この人物、姿からして医師らしくないのである。
だからこそこの物語りが成立しているところもあるのだが…。
太り加減でしまりのないからだ、その言動はマザコンそのもの。
治療方針といえば、神経を病んでいる患者が首を傾げることばかり。
しかし、なぜかいつのまにか症状が消えてゆくという不思議な医者。
精神医療を風刺しているのか、からかっているのか、なかなかおもしろい。
読んで怒り出す人たちがいるかもしれないが、それはそれでいいではないか。

「グッドナイト・アイリーン」 ジャン・バーク 扶桑社ミステリー文庫 ★★★
新聞記者のアイリーン・ケリーは決意するのだ。
先輩記者で尊敬し慕ってもいたオコーナーが殺されたとき、犯人を見つけると。
彼との会話がときとして思い出されて、また決意を新たにする。
『恩に着たり着せたりするのは、計算ずくで暮らしている人間のすることさ』
『「アイリーン」彼は言ったものだ。
「世の中で一番悲しい言葉はなんだと思う?」
「泣くとわめく、違う?」わたしは言った。
「また、利いたような口をきく。いいかね、この世で一番悲しい言葉は
『もし、ああだったら』の二語だよ」』
などと、ついふむふむと読んでしまうのである。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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