ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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読書の角度
本を書くということは、自分の考え感じ方を表わすことであるとは、だれもが知っている。
まあ、なかには誰々がこう言っているばかりに終始しているものもあるが、それはそれでいい。
では本を読むとは、自分の考え感じ方とどういう関係にあるのだろうか。
よく言われることだが、人には自分の見たいもの(つまりは都合のいい)しか見えないのだと。
その伝でゆくと、自分の考えと同じものしか読まない、ということになるのだろうか。
それではあまりにもつまらないとぼくは感じるのだが、そういうこともあるかもしれぬ。
だが、不安は読むことを強制して安心(同意)を求め続ける。
やがて直感がこうつぶやくことだろう、「ゼロはいくら積み重ねてもゼロだ」と。

「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 講談社現代新書 ★★★★
芸能人も科学者もある点では同じである、とはよく聞く話である。
自分だけが有名になりたい、だれよりも先に名声を獲得したいのである。
だが、科学のおもしろさはそれだけではないだろう。
いろいろと考えればそれだけで何時間も、一生さえも費やすことができるのである。
『 機械には時間がない。
原理的にはどの部分からでも作ることができ、
完成した後からでも部品を抜き取ったり、交換することができる。
そこには二度とやり直すことのできない一回性というものがない。
機械の内部には、折りたたまれて開くことのできない時間というものがない。
 生物には時間がある。
その内部には常に不可逆的な時間の流れがあり、その流れに沿って折りたたまれ、
一度、折りたたんだら二度と解くことのできないものとして生物はある。
生命とはどのようなものかと問われれば、そう答えることができる。』
この違いがわからないと、人間を物のように扱ってそれでよしということになる。

「野宿完全マニュアル」 村上宣寛 三一書房 ★★★★
なぜそんなにしてまで旅行するのですか、と聞かれたことがあった。
『われわれは成金の時間貧乏人ではない。
たまたま手元にたくさん現金を持っていないだけで、本当は大金持ちなのだ。
たっぷりと時間をかけて、自分の身体を動かし、
自然と一体化することによって、はじめて感動は生まれる。
金で感動を買おうなんて、貧乏人の考えることだ。』
ここまでいうと、ちょっと負け惜しみの感があるがおおむね共感できる。
読み進めるごとになろほど、そういうこともあったなとうなずけるのである。
たまにはちがった角度から旅を考えてみるのもいいのではないか。
どこかの目的地へただ到達することのみが旅行ではないのだから。

「たまらなく日本人」 柳沢正 講談社 ★★★★
ツアーコンダクターときくと、なかなか興味深い職業だと思う。
なにがといって、いろんな人々を観察する(ウォッチング)機会があるだろうと想像するのである。
もちろんそれなりの大変さはあるだろうが、それはどんな職業でも同じである。
『幸福な人間の条件とは、
おのれを知ることのない才能に恵まれていることではないかと僕は考える。』
こんな言葉をつい書いてしまうほどご苦労が多いことも十分わかる。
『日本社会はストレスの大量生産工場である。
会社の上下関係、自分の実際の力量と周囲の評価との誤差、
さらには残業という軽蔑に値する拘束に苦しめられ、
それでも大漁の日のぎゅうぎゅう詰めの船の貯蔵庫みたいな満員電車に揺られて、
毎日毎日会社に向かう。それで日本や世界がどうなるわけでもないのにだ。』
こうしてひとときの安らぎを求めて人々は今日も海外旅行にでかけてゆく。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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