ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
09 | 2017/10 | 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

強襲の夜
いまならば、秋の夜は月をながめつつ酒を酌み読書するのもよろしい。
ときに静かにたたずみ、遠くを走る列車の音に耳をすますのもまたいいだろう。
だがこどもの頃は、冷えたふとんにくるまって徐々に温まってくるのをまつのが好きだった。
冷え冷えとした感覚が精神を緊張させ、なぜだか知的に成長させるんだと信じていた。
ラジオからは漫才や浪曲がながれだし、どこかで冴え冴えと犬が鳴いていたのを思いだす。
すると小学生時代のよるべなきような感情が、突如として降りそそいでくるのである。

「バルコニーの男」 マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 角川文庫 ★★★★
舞台はスウェーデンのストックホルム、少女が公園で襲われて殺害される事件が起こる。
担当するのは、おなじみのマルティン・ベック主任警視である。
配下には、グンヴァルド・ラーソン(殺人課警部)、フェレドリック・メランデル(殺人課警部)、
レンナルト・コルベリ(殺人課警部)、エイナール・ルン(殺人課刑事)の個性的な面々がいる。
なんだか事件はこのストーリーの添え物でしかない気がする。
このミステリ(警察ドラマ)の主題は署内の人間模様ではないか、そんな感想である。
だが、この雰囲気がなんともいえず人間臭くて魅力的なのだ。
で、事件はどう解決したんだったか、いっこうに覚えていないのだった。

「抑圧された記憶の神話」 E・F・ルスタフ/K・ケッチャム 誠信書房 ★★★★
記憶についての考え方は専門家(記憶の)と、その他ではおおきくくいちがう。
それが裁判での重要な判断にかかわってくるとなると、見過ごすことはできない。
記憶はDVDやビデオテープに蓄えられるようなものと考えるのはまちがいである。。
つねに重ね書きされるファイルと思ったほうが真実に近いのではないか。
暗示にも誘導にも、さきほど見たテレビの画面にも本人は気づかずに影響されている。
(本人が嘘をついてるというようなことではなく、信じているからまぎれがない)
(それゆえにベテラン刑事であっても嘘発見器でも、見抜くことは不可能なのだ)
アメリカではカウンセリングの結果、過去の虐待体験をよみがえらせ親を訴えた人々が急増した。
しかし、そのなかにはなんら物的な証拠もなく、本人の虐待記憶だけで有罪とされた。
『三百年前、ヨーロッパでは数万人にもおよぶ人びとが魔女であると自白し、
証拠のない悪行のために即座に火あぶりの刑に処せられた。
魔女と呼ばれた人びとのなかには、残酷極まりない拷問のもとで自白をした者も多いが、
自発的に悪行を認めた者、親戚、友人、
近隣の者たちを進んで指差した者の方がもっと多かったのだ。』
こうしたことを知るにつけ、ヒトとはなんとも不思議な生物だという気がする。
(もちろん、わたしもその範疇にはいっているのではあるが…)

「フロスト気質」(上)(下) R・D・ウィングフィールド 創元推理文庫 ★★★★
ジャック・フロスト警部は、なんとなくコロンボに似ているようでまったくちがうタイプである。
休暇中だったのだが、マレット署長の煙草を失敬しようと署に立ち寄ったところから始まる。
最初はゴミ袋のなかから少年の死体が発見され、全裸で右手の小指が切断されていた。
ついで十五歳の少女が誘拐され、なぞの腐乱死体が発見され、
盗まれた夫の形見の勲章はまだ見つからないのかと老婦人が署に押しかけてくるという。
大忙しというか、大混乱のなか疲労困憊にもかかわらず事件を追いかける。
キャリア志向のリズ・モード部長刑事と、同じく上昇志向のジム・キャシディ警部代行がいる。
加えて官僚然たるマレット署長がからんでどうにもならない様相になっている。
彼らのように昇進を望まないフロスト警部がなぜかかっこうよくみえてくる。
なぜなら事件を解決して手柄をあげるではなく、なんとか少年を救うことが彼の望みなのだから。
下ネタばかりのジョークも彼のシャイな面を表わしているのかもしれないと思ったりする。
スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://moucheokuno.blog26.fc2.com/tb.php/749-8f47246c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー