ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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ボウカン能はず
気温の低下とともに、木々の葉が色づいてくるのを見るのは楽しいものだ。
こちらは窓の内側にいて、温かい飲み物などを手にはるかな山なみの茜をながめる。
ガラスで隔てられた空間にいるのんびりとしたここちは傍観者のものだとわかっている。
なんでも自分で経験するにこしたことはないのだが、できないこともあるのは事実だ。
時間的、空間的あるいは経済的なことによってであったもするだろう。
それに傍観者でなければ知りえないわからないこともあるのではないか、と考える。

4999黄葉

「白夜に惑う夏」 アン・クリーヴス 創元推理文庫 ★★★★
事件はスコットランドのはるか北東に浮かぶシェトランド本島のビディスタで起こった。
画廊<ヘリング・ハウス>で奇妙なできごとがあった翌朝男が首吊り死体となって発見される。
なぜか道化師の仮面をかぶっていた。検視の結果、殺されたことが判明する。
ペレス警部は、都会からやってきたテーラー主任警部とはちがった考えかたをする。
尋問で相手を追い詰めようとする考えは、自分にはあっていない。
『人は主導権をあたえられると、より多くの情報を提供してくれるものだ。
そうすると、その人の偏見が垣間見えたり、避けたいと思っている話題がわかることがあった。』
濃密な世間で生きるシェトランドで起こった事件は思いもかけない結末へとむかう。
ミステリはある意味知らない土地を旅するのに似ている、のかもしれないと思ったり。

「一九八四年」 ジョージ・オーウェル ハヤカワepi文庫 ★★★★
ウインストン・スミスは真理省記録局(歴史を正しく直すのが仕事だ)に勤めている。
政府は四つに分割された省よりなる。
真理省は報道、娯楽、教育及び芸術を、平和省は戦争を管掌している。
愛情省は法と秩序の維持を担当し、潤沢省は経済問題を引き受ける。
この政府のスローガンは次のようなものだ。
 『戦争は平和なり
 自由は隷従なり
 無知は力なり』
つねに監視された生活のなかで、人々はどう生きてゆくのか。
人間の意識とはどういうものなのだろうか、とスミスは注意しながら考えるのである。
『はっきりとした意識を持つようになるまで、かれらは決して反逆しない。
そしてまた、反逆してはじめて、彼らは意識を持つようになる。』
SFというよりは、どこかで現実にあるような感じをいだくのは現代人ならあたりまえである。
訳者の解説によると、イギリスでの「読んだふり本」の堂々第一位にあるらしい。
つまりは実際は読んだことがないのに、「読んだ読んだ!」って、つい言ってしまう本なのだ。

「越境者的ニッポン」 森巣博 講談社現代新書 ★★★★
筆者は現在オーストラリアを本拠地とし世界中の賭場を攻めるバクチ打ち、兼業作家だそうだ。
冒頭、彼は『日本国民は、無知になってしまったのだろうか?』と発する。
『ただ、無知とは「知識がないこと」を意味しない。
知識がないのが無知であるなら、人は誰でも皆、ほとんどの局面で無知である。
そうではなくて、無知とは「疑問を発せられない状態」を指す。
じつはこれは、一九六〇~七〇年代植民地解放闘争での理論的支柱となった
フランツ・ファノンの指摘だった。』
無知とは知識の量がすくないことだと勘違いする人は多い。
そうだとすると、知識の量はコンピュータにかなうわけがないではないか。
『現在の「日本の伝統」と呼ばれるもののほとんどは、じつは明治期に捏造されたものである。
二字漢字の「徳目」も、少なくとも江戸中期以降の発明だった。』
なんてなかなか痛快な、でも的を射たことを言うではないですか。
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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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