ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
07 | 2017/08 | 09
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

夢のなかの本
突然書棚のならぶ狭い通路に立ち、さてどこにあの本はあるのだろうかと考え始める。
見上げる棚の高さはてっぺんもなんだかかすんでいるようで、大変なところへ来たものだ。
このなかではたして目的の本は探しだせるのだろうか、とすこし心配になってくる。
いつのまにか隣によりそって立つ少女は、こちらですよとすべるように奥へすすんでゆく。
歩くでも走るでもなく、ただそうわかるだけで確かにわたしも彼女の後をついていっている。
かなりのスピードで棚の間をすすみ、明るいキッチンにでたところでつんのめるように止まった。
少女はいなくなっており、石の調理用テーブル上に本が一冊載っているばかりだ。
これにまちがいはないと安堵の感情が湧きあがるだけで、なぜかどうしても書名が読めなかった。

2636夜の雲

「野球の国」 奥田英朗 光文社 ★★★
沖縄でキャンプを見て、四国で公式戦を観戦し、台湾プロ野球まででかけていって見る。
東北の二軍戦に青春を感じ、広島での消化試合や、九州のマスターズリーグまでも掌中にする。
尾道の地方球場で楽しげに観戦する野球ファンの姿を見ておもわずこの書かずにはいられない。
『巨人の優勝が決まろうかという夜、こうして地元チームを応援している人々がいる。
なんだか、温かい気分。マスコミが報じるプロ野球など、所詮は絵空事なのだ。
ジャーナリズムはペナントレースを語るが、野球そのものは描写しない。
神はディテールに宿るというのに。』
野球好きをあなどってはいけないのだ。
室内でごろごろするよりは、青空屋外で野球を見るほうがすがすがしいだろうに。
『わたしは普段、テレビを見ない。
どれくらい見ないかというと、リモコンが紛失したことに一月も気づかないほど、見ない。』
でもって、いつも肩凝りに悩まされているのは作家の職業病なんだろうか。
いろんな地を旅して、マッサージをうけて、また元気になっておもしろい小説を書いてください。

「悪徳商法」 大山真人 文春新書 ★★★
悪徳商法といわれるものにだまされる人というのは、どういった人たちなのだろうか。
『狙われた大半の人は間違いなく被害を受ける。
被害を受けた人は、「金輪際こりごり」なのではと思うのだが、これがそうではなく、
信じられないかもしれないが、次の新しいマルチを待っている。僕の知人もそうだった。
「参加するのが遅かったから損したんで、早く参加したら絶対に儲けを出す自信がある」といい切る。
次のマルチを本気で狙う。』
欲がなければだまされないのかといえば、そうだろうなと思うのである。
仮にだまされたように周りからみえても、必ずしもだまされたとはいえない。
だまされた、裏切られたというような声をきくと、すこしちがうのではないかと思ってしまう。
だましたあいつが悪いのか、だまされたわたしが馬鹿なのか、というような歌謡曲があったように思う。
喧嘩両成敗ではないけれども、どちらにもなんらかの非があるのかもしれない。
だが、こうしたことを世にひろく知らしめることですこしは被害が少なくなればよいのだが。

「ガラスの村」 エラリー・クイーン ハヤカワ・ミステリ文庫 ★★★★
ニューイングランドの片田舎に<シンの辻>とよばれる小さな村がある。
そこの老判事ルイス・シンのもとに、いとこのジョニー・シンがやってきた。
村にはファニー・アダムス、通称ファニーおばさんという有名な老画家が住んでいた。
ある日彼女がなにものかに殺される事件が起きた。
すこしまえに彼女の家に立ち寄った放浪者が犯人にちがいないと村は騒然となった。
彼を捕らえて死刑を執行しようとする村民と、裁判を行うべきだとする判事が対立する。
『ジョニー、これこそ民衆は必ずしも信ずるに足りないといういい証拠だ。
人間というものは、たとえ民主主義のもとにおいても、暴民に堕落する傾向が多分にある。』
殺人事件の起きた時のアリバイは村民すべてにあった。
そしてファニーおばさんの絵から放浪者の供述が事実だったことが判明した。
それでも、村民の意見は極刑にすべしでぐらつくことがない。
そのとき、ジョニーの頭のなかに事件の真相を示す光がさしこんできたのだ。
エラリークイーンにしては、すこし毛色のかわった1954年の作品である。
だが、マッカーシー旋風が吹き荒れてた時代だと知ると、書かれた理由がわかる気がする。
スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://moucheokuno.blog26.fc2.com/tb.php/844-3b0d4af1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

カテゴリー