ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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書きくけこ
書くという行為は、多くの人が考えているようにメッセージを伝えることではないように思う。
ヒトというのは不思議なもので、ひとりで考えるときにも声をだしたりすることがある。
この声というのはなんだろうか、だれに言っているのか、自分に言っているのだろうか。
それともだれかある人物を想定して語りかけているのではとも思うが、やはり独り言にちかい。
知らず知らずに声にだしていることばは、自分に向けられているとしか思えないのである。
書くということも、自分がなにを考えているのかを外部にだして、それを自分で読んで確認すること。
あるいは、もやもやした頭のなかの正体をつきとめるためにとりあえず書いてみる。
実際に書いてみると、自分でもえっと思うような言葉がでてくることが多いものなのだ。
こんなことを考えていたのか(考えてなかったかも)、なんて経験もしばしばあり、どきりとする。
であるから、ランナーズハイのようなライターズハイ(?)の現象が起こっているやも知れないな。
というような似たことは、次なる内田氏の本にも書いてありますので読んでみてください(笑)。

3043茜空

「期間限定の思想」 内田樹 晶文社 ★★★★
なんだかこの世間というものは疲れるなあと思うときには、内田氏の本をちょっと読んでみる。
いまの世のなか、経済指標でなにごとも判断してよしとする気配が色濃く感じれらる。
人生も後半になってくると、そういうものですかねえという気分のほうが強いのである。
著作権だ、特許権だという考えと、地球を自然破壊や温暖化から救おうという意見は整合するのか。
そう考えると、そこまでなにかを囲い込もうとする必要はあるのか、と疑問をいだくのである。
『私は自分のホームページで大量の文章を公開している。これはすべてコピーフリーである。
「コピーフリー」というのは、そこに書いてある文章については「コピーライト」というものを設定しない、
ということである。
「世界の機能の仕方について教えてくれるものへのアクセスは無制限かつ全面的でなければならない」
という「世界ハッカー宣言」の原則を私は正しいと信じている。
逆に言えば、「世界の機能の仕方」についての有意な情報を含んでいないようなものは
誰もコピーしようと思わない、と私は考えている。
インターネットに載った時点で、情報は個人の所有を離れて、ある種の「公共性」の水準に帰属する。
だからウェブサイトに私が書いたものが「有意な情報を含んでいる」と判断した方は
それを好きにカット&ペーストしてもらって構わない。』
こうどうどうと言える内田氏は、オリジナルというのはいったいなんだと言っているのだ。
ニュートンが遠くを見渡せるのは巨人の背中に乗っているからというときに似ているだろうか。
内田氏もよくいうように、私の意見というものはまあどこかの受け売り90%だということだ。
出力(意見)はかならず入力(先人の書物など)の影響からまぬがれることはできない。
それは本人が意識しているか、無意識であるかには関係がないと思う。
わたしは入力なくして出力するというならそれはそれで、またちがった話になるのではあるが…。

「世界は分けてもわからない」 福岡伸一 講談社現代新書 ★★★★
福岡さんの本は付箋を用意してどんどん貼りつけながら読んでいくのだが、こんな箇所ではたと。
『およそ世の中の人間の性向は、マップラバーとマップヘイターに二分類することができる。
夫婦のうち一人が前者で、他方が後者である場合、
ドライブなどに行こうものならたちまち険悪な雰囲気となる。
「ちゃんと地図を見ろ」
「見ているわよ」
「曲がるならもっと早く言え」
「だって近づかないとわからないもん」という具合に。』
なるほどね、でもこれってなんだかどこれで最近聞いたような、言ったような気がする(笑)。
『マップラバー(map lover)はその名のとおり、地図が大好き。
百貨店に行けばまず売り場案内板に直行する。
自分の位置と目的の店の位置を定めないと行動が始まらない。
マップラバーは起点、終点、上流、下流、東西南北をこよなく愛する。
だから、「現在地」の赤丸表示が消えてなどいようものなら
(皆がさわるのでしばしばこういうことがある)、もうそれだけでイライラする。』
彼なんかこの典型だなあ、などと想像しながら次にすすむ(ゲームか!)。
『対するマップヘイター(map hater)。
自分の行きたいところに行くのに地図や案内板など全くたよりにしない。
むしろ地図など面倒くさいものは見ない。
百貨店に入ると勘だけでやみくもに歩き出し、それでいてちゃんと目的場所を見つけられる。
二度目なら確実に最短距離で直行できる。
だって、アンティークショップの角を曲がって、メガネ屋さんを過ぎた左側って、前に行ったとおりだもの。
(ちなみに、この会話は純粋に例示的なものであり、
男と女の性向の差を示唆する意図は全くありません。念のため。)』
うわ~、この人ってもしかしてなんて思われる方がいるかもしれないですねえ。
『マップラバーは鳥瞰的に世界を知ることが好きなのだ。やっぱりそのほうが安心できる。
マップヘイターは世界の全体像なんか全然いらない。私と前後左右。
自分との関係性だけで十分やっていける。だって、そのほうが簡単じゃない。
一見、マップラバーのほうが理知的で、かこよく見えませんか?
しかし、実は、マップラバーこそが、方向オンチで、道に迷いやすい。
山で遭難するとしたらまずマップラバーのほう。
地図上で自分の位置が定位できないともう生きていけない。
どちらへ歩き出していいか皆目わからなくなってしまう。』
マップラバーの方、予想が外れましたね(笑)。
そうなんです、ヒトってDNAレベルの戦略がマップヘイター的なんだというのが福岡さんの見解です。
このことは、ヒトの発生は女性から始まるという生物学的観方とぴったり一致するではないですか。
ほかにもいろいろとおもしろいところがありますから、後はご自分で是非読んでください。
人類は科学という手法をつかって世界を細分化することで知の領域をひろげてきました。
それで最後までいけるかというと、ちょっと疑問が残るし、部分の総和は全体ではないのである。
『世界は分けないことにはわからない。しかし、世界は分けてもわからないのである。』

「サボイ・ホテルの殺人」 マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 角川文庫 ★★★
一九六九年の七月はじめのある夏の日、蒸し暑い宵のことである。
コペンハーゲンの対岸に位置するマルメーの高級ホテル「サボイ」で殺人事件がおこった。
殺されたのは、よからぬ噂もあるがスウェーデン有数の実業界での大立者であった。
政治的な配慮からか、警視長じきじきにマルティン・ベック主任警視に捜査の指揮をとるようにと。
ホテルの一室で男女七人の客が晩餐の卓を囲んでいたところで、衆人環視のなか銃撃されたのだ。
さっそくベックはストックホルムからマルメーへと飛んだ。
わたしたち日本人の常識では、北欧のスウェーデンといえば冬なら雪に閉ざされているだろうと思う。
さぞかし夏でも高原のように涼しいのではないかと考えるところだが、そうではないのだ。
『窓は開放してあるというのに、タクシーの中はうだるように暑かった。
薄いシャツの生地を通して、人工皮革のシート・カバーの火のような感触が伝わってくる。』
やはり、スウェーデンでも夏は暑いのか、と変に感心するのも読書の楽しみ(?)である。
だが今朝届いた絵葉書には、7月24日、ロンドンは23.4℃ほどあり過ごしやすし、とあった。
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遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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