ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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熱中シンドローム
まわりがうるさくて勉強ができない、騒々しくて本も読めない、などという人がいる。
だけど、反対にシーンとした静けさのなかでは落ち着かなくてなにも手につかないこともある。
これはどうしたことだろう、やかましくても静かでもいけない、適度に音のする環境がいいのか。
携帯電話とおなじで、使ってなくてもいつも周囲から情報をあつめ、すぐに起動できる状態にあるのだ。
なにか異変が(音で感知する)あった場合には、すぐさま対応できるような体制にいるわけだ。
それでもときに、熱中して本を読んでいるときには、工事現場にいようとも森のなかとおなじである。
安全であることが確認できているのだろうか、これを集中力といったりするが失敗もある。
完全に感覚が遮断されてはいないと思うが、降りる駅を忘れて乗り過ごしたりすることもある。

3227毒キノコ

「真夜中のマーチ」 奥田英朗 集英社 ★★★
ヨコケン(横山健司)は出会い系パーティーを企画する「ビバップ」という会社を興して五年になる。
そのパーティーにやってきたのが三田物産(財閥系)に勤める三田総一郎(ミタゾウ)だ。
そしてクロチェと呼ばれるようになる黒川知恵が加わって不思議な三人組となるのである。
三人それぞれの思惑から一攫千金をねらって行動を始めるところから物語りは急激にはじまっていく。
(この三人の呼び名から、なんとなく性格までもわかりそうな気がする。まるで、ブーバ・キキのようだ)
ストーリーとしては、やくざの賭場のあがりをかすめとろうとしたり、投資話の上前をはねるためには。
などと展開していくのだが、そのなかで三人の気もちが関係が微妙に変化してゆくのである。
お金はなんのために、とはよくでてくるテーマで、では人はどう生きるのが幸せかにつながっていく。
都会で孤独に生きているようで、思わぬところから人間関係が生まれ、そこには当然ながら感情も。
そんなありそうな、でもありそうもない物語りが笑いあり、センチありのうちに紡がれていくのである。

「千利休 無言の前衛」 赤瀬川原平 岩波新書 ★★★★
茶の湯の世界で、千利休といえば日本人ならだれもが知っている。
同時に当時天下をとった豊臣秀吉の側近としてつかえたことでも有名である。
日本独特といわれる茶の湯の世界と、日本人の感性とはきってもきれない関係にある。
『欧米人に対して日本的感性についての説明をするのに苦労するという。
それはほとんど不可能に近いが、その一つの方法として、日本には一がないという説明をする。
西欧にはまず一がある。そして二があり、三があって人間の世の中がある。
つまり人と人との対話がそうだ。日本にはそのような強い自己としての一がなく、
むしろ自分と相手との関係線がまず棒のようにあり、この横棒の上を互いのウェイトが行ったりきたりする。
つまり関係線としての横棒が、自己の一よりむしろ強くあるのであって、
それが西欧での一のような基本となっている。』
個をまずいちばんにもってくる欧米との世界観のちがいは、はてしなくへだたっている。
なにごとも意識にのぼらせることを至上とする西欧の哲学観とは、別の世界がそこにあるのだ。
『利休の美意識の中には偶然という要素が大きくはいり込んでいる。これは重要なことだ。
偶然を待ち、偶然を楽しむことは、他力思想の基本だろう。
私はそこに、無意識を楽しむという項目を付け加えたい。』
筆者もいうように、人知のおよばぬところのものを楽しむというのが利休の生き方ではなかったか。

「もう牛を食べても安心か」 福岡伸一 文春新書 ★★★★
狂牛病問題はいったいなんだったのか(忘れている方も多いが)、と考えると根は深いものがある。
ほんらいは草食動物である牛に、死んだ牛(病気での場合も含めて)の肉骨粉を与えたことによる。
だれが考えても共食い、人間ならばカニバリズムではないかということが行われていたのである。
『物理学は私たちに可能なことを教えてくれたが、実は何が不可能かも教えてくれている。
加速には余分なエネルギーが必要で、環境のどこかでそれ以上のエネルギーが失われている。
一方、加速したことによって出現した効率は、環境のどこかでそれ以上のつけを払わなければならない、
という単純な原則である(エネルギーとエントロピーの法則)。
つまり、動物と人間はともに環境の構成要素である以上、それらは動的な平衡関係にあり、
その関係の一部分を人為的に組み換えたり加速したりすれば確実に環境から揺り戻しを受ける。
私たちが現在、悩まされている病禍はまさに環境からの報復作用に他ならない。
なぜなら、生命と環境は分子の流れによって通底しているからである。』
このような作用は、どのくらいの時間軸上にあらわれるのかということははっきり分からない。
ヒトの場合なら、二世代三世代後にあらわれてくるということもありそうである。
安全というのはそう簡単にいえるものではないし、よって君子危うきに近寄らずという立場もある。
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島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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