ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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昭和の時代
墓参りからの帰り道、ホームセンターに立ち寄ったら「古本市」がおこなわれていた。
本は買わないと決めてはいたが、見るだけならどうということはないだろうと理由づけて見てあるく。
とりたててなにもないなと思いつつ、ふと手にとって見たのが運のつきだった。
毎日新聞社発行の「昭和史全記録」という分厚い(七cm)本があって、ひろげてみるとおもしろい。
発行は一九八五年三月五日、ちなみに定価は12000円とある。
だが、そこは古本なので格安(?)だしこれは事典だからいいのではないか。
などとしばらく逡巡していたのだが、思いきって買うことにした。
まず最初に自分の生年のページをあけてみるというのが、ありきたりだが緊張する。
ぱらぱらとめくって最初に目についたのが小津安二郎「東京物語」(昭和二十八年)だ。
ポスターを見て原節子はなんとなくわかるのだが隣の美女は、はてだれだったかなどと訝るのである。

4191昭和史全記録

4194東京物語

「天使は振り返る」(上)(下) グレッグ・アイルズ 講談社文庫 ★★★★
ミシシッピ州中部の古都ナチェズにある進学校セント・スティーブンズの女子生徒が殺された。
ケイト・タウンゼントは美人で、ハーヴァードにも進学が決まっているというスター優等生だった。
彼女と恋愛関係にあった医者のドルー・エリオットが容疑者として逮捕される。
この窮地を救うべく友人の作家であり以前は検事補であったペン・ケージが真相の究明にのりだす。
だが、背景には次期市長の座を狙う黒人の地区検事シャド・ジョンソンとの人種的な確執もある。
捜査の過程では、地元警察署と保安官事務所との権力争いも複雑にからみあってくる。
この警察署と保安官事務所の関係(簡略化すると市警察と州保安官)が日本の読者にはわかりずらいが。
また事件の別の柱にアメリカでは根深いドラッグの問題が浮上してくるのである。
ハイスクールレベルからその汚染は深刻であり、またその利権争いも暴力がらみですさまじい。
エックス(エクスタシー)とよばれるMDMAをつかったパーティが頻繁にひらかれていた。
アメリカの社会問題をふくめて、息をつかせずに読ませる力量がやはり人気作家だとされるゆえんだ。

「マンガをもっと読みなさい」 養老孟司 牧野圭一 晃洋書房 ★★★★
養老先生の本は何冊読んでも、なるほどそうかといつもうならせられる。
今回のマンガの問題も目からウロコがぽろぽろと落ちるのである。
『マンガは文字と違って、アイコンです。だから「目でなきゃ、わからない」という性質を含んでいます。
同じように、「ギャー」とか、「ワー」とか、ともかくありとあらゆる擬音語も入っている。
「耳でしかわからない」ということも、含んでいるわけです。言葉にはそれが入ってないんですから。
逆にそういうものが入っているから、マンガはバカにされる。
でもそうした感覚の世界がじつは大切なんです。
一つには、言葉の世界ばかりに生きてると、感覚を忘れるということがあります。
感覚の世界と言葉の世界の大きな違いは、感覚の世界ではすべてが「違う」が、
言葉の世界ではすべてが「同じ」だということです。』
大人になるって、ある意味感覚の世界を軽視してどんどん狭く生きていく、ということかな。
『マンガを見ているかぎり、言葉の世界(というより概念の世界ですけど)よりも、
感覚の世界を意識せざるをえない。それが大切なんです。
子どもは感覚の世界から、大人の概念の世界に入ってていくんですから。
感覚の世界が世界の始まりです。現代に生きていると、それをいちばん忘れるんです。
感覚の世界を思い出すために、マンガがあるといってもいい。
概念の世界では、すべてが「同じ」になっていく。』
この感覚の世界での「違う」と、言葉の世界の「同じ」をよく認識していないといけないと思う。
『感覚世界が地面で、「同じ」という概念の世界は、天井です。
神様がそのいちばん上にある。概念の世界浸かっちゃうと、地面を忘れるんですよ。
マンガはじつはそれを思い出させてくれるんですが、
「同じ」という世界に浸かっちゃった人は、マンガなんかくだらない、読みたくない、っていうんです。
その地面の大切さを知っているのが日本人で、それもあってマンガがはやるんですよ。』
ということで今回もたいへん勉強になりました。

「猫舌三昧」 柳瀬尚紀 朝日新聞社 ★★★
筆者は英文学者であり翻訳家、ジェイムズ・ジョイスの訳で有名ですね。
ご高齢なのでご友人のなかには電子機器に拒否反応(?)の方々もおられる。
セクハラならぬテクハラではないか、というのもわかる気がする。
『「明らかにテクハラなんだが訴えるわけにもいかない」と、先日一緒に飲んだ某社某局長。
OA機器を扱えず、部下の女性に頼む。侮蔑の眼差しが刺すという。
機器に疎い上司同士はメモで連絡し合い、これを原始メールというのだそうだ。』
文章のはしばしに駄洒落(?)があらわれるのだが、本人はいたくご満悦なのだろう。
だが、聞かされるほうはときに食傷気味になるんです、ということを知っていただきたい。
ですが、まだまだお元気でのご活躍を祈っております。
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遠くに眺めるのも好きです。
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