ムッシュの読書紀行
人生は旅のようだと言いますが、旅が人生かも知れません。 ぼくは活字中毒気味でもあり、旅はまだまだ続くでしょう。
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人生の時間
あと何年生きられるのか。
無常ですね。

そうではないんだ。
なんですか。

たとえば人生八〇年として、二十歳であと六〇年生きるとしたらあまりそういうことは考えない。
まだまだ先が長いですからね。

だが、七十歳になったらもう十年かと思う。
残り少なくなってきたからね。

じゃあ、そのまだ長いともう残り少ないの境界はどこなんだろうかと考えるわけなんだな。
なるほどね、どこかに境があるはずですよね。

いろんな感覚はもちろん時間感覚もそうだけど個人差がある。
あるでしょうね、それが楽観的とか悲観的というんでしょう。

そういうことだな。
でも境界は決められないな。

ポジティヴな人はそんなことを考えてもしかたないから考えない、と考える。
ネガティヴだとどうなんるんでしょうね。

明日にも死ぬ可能性はゼロではない、どうしようと思う。
そうなんですか。

まあ極端にいえばそんなところだろう。
心境的にはおおちがいです。

それでもそう考えてしまうのはDNAのせい(笑)。

N9824街並み


意味と無意味
昔はよく言ったフレーズだ。
どんなのです。

ナンセンス!。
意味がないってことですね。

数学的素養がないな。
どうして。

意味のカテゴリーに無意味は含まれる。
無理やりですね。

意味の濃度が0から100まであるとする。
そう定義するんですね。

すると無意味は、意味が0を表わす。
だから無意味は含まれているじゃないかと。

そのとおり。
それで、なんですか。

じゃあ、意味の意味ってなんだろう。
こんどはメタ理論ですか。

N9772秋の候

ことばは意味をもってはじめて意味を成す。
なんとなくわかります。

意味のないことばもある。
芸人が発する外国語なんかそうですね。

ことばの意味はひとつとは限らない。
だから洒落や言葉遊びが成り立ちますね。

また意味も時代とともに変化することもある。
恣意的な面もありますね。

隠語などでは顕著だな。
それがいつしか一般に通用したりしてます。

そうやってことばは変化し意味も変容してくるんだ。
いいとか悪いとかではないです。

かなり意味深ではある。


立ち飲みで読書
若いころは酒を飲むといっても、ほとんどひとりだった。安くて気楽に飲める立ち飲みがよかった。
その店は間口ばかりが広くて奥行きはない。入るとすぐにカウンターがあった。目の前には、おばさ
ん、いやお姐さんがいて注文をとってくれる。酒も徳利ではなく一合壜の栓を抜いて燗する方式だ。
サラリーマンが帰る時間にはまだ早いから客もまばらだ。すこし前のめり気味に立つ。隣では赤鉛筆
を耳にはさんだおじさんが熱心にスポーツ新聞を読みながらビールを飲んでいる。熱燗とポテトサラ
ダ。あいよ、とお姐さんは元気がいい。おにいさん学生さんなの。はい。こんなところで飲んでいて
いいの。こういうところが好きなんです。そうかい。はいよ、熱燗とポテサラ。こんもりとなったポ
テサラだった。上目遣いに見ると頷いた。文庫本を読みながら、三本ほどで勘定をして縄暖簾をあげ
て表へでる。そのとき背後から、「学生さん、またいらっしゃいね」と明るい声が飛んできたのだ。

N9747水の玉

「ゲノムが語る23の物語」 マット・リドレー 中村桂子・斎藤隆央訳 紀伊國屋書店 ★★★★
ゲノムとはなにか。DNAの上位概念ということになる。ヒトには23対の染色体がある。染色体は
DNAで構成されている。この23対の染色体を総称してヒトのゲノムと呼ぶのだ。DNAはすべて
四つの塩基A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)からなる。この四種類
の組み合わせつまり塩基配列が遺伝情報をもたらしている。ヒトは60兆の細胞で成り立っている。
この細胞ひとつひとつに23対の染色体が存在するのだ。この約三〇億の塩基対のDNAからなって
いるヒトゲノムの配列は2003年にすべて解読された。このことは一般にもよく知られている。し
かしその配列がなにを意味しているか。いまだ研究途上である。すべて知ることができるのか、別の
アルゴリズムが潜んでいるのか。いまでは遺伝子の欠陥や余分にもつことによってある種の症状がひ
き起されることがわかってきている。すると当然のように欠陥のある遺伝子を取り出して正常なもの
と置き換えようとする。遺伝子操作だ。さらに生まれる前に遺伝子の異常がわかれば生まないという
選択は許されるのか。宗教的な倫理的な問題をも含んでくる。優生学が思い起こされる。決してドイ
ツだけのことではなかったということを知っていなければならない。
『アメリカで始まった断種措置は、ほかの国でも採用されていった。スウェーデンでは六万人に断種
手術が施された。カナダやノルウェー、フィンランド、エストニア、アイスランドでも、断種強制法
が制定され、実際に適用された。最も悪名の高いドイツでは、四〇万人が断種され、その多くがのち
に殺されている。第二次世界大戦中の十八か月だけで、すでに断種されていた精神障害者七万人が、
傷病兵のために病院のベッドを空けるというだけの理由でガス室に送られたのだ。』
遺伝子の多くは、糖、脂肪、タンパク質などを分解したり合成したりして、体を組み立てる素材やエ
ネルギーを生産するために働いている酵素のためのものであるとわかってきた。しかし残りの遺伝子
のうちのいくつかがヒトをヒトらしくしているのである。だがそれぞれがそのものだけで存在してい
るわけではない。どう影響しあっているのかわからないことも多い。遺伝子ですべてがわかるわけで
はない。しかし遺伝子のことをわからないでいるよりわかった方が人間の本質を知りことにより近づ
けるのではないかとも思うのがヒトの特徴でもあるのだ。すこしやわらかい話もご紹介しておこう。
どうもヒトは自分とは違う遺伝子をもつ異性に惹かれるらしい。ではどうやってそれを知るのか。詳
しく知りたい方は本書の第9染色体の章を読んでいただきたい。男性も女性も、自分と最もかけ離れ
た遺伝子をもつ異性の体臭に最も強く惹かれるという事実があるのだ。だだし、いいにおいといって
も万能のチャンピオンのにおいというのは残念ながらない。
『「だれもがいいにおいと感じる人間はいない。いいにおいかどうかは、だれがだれのにおいを嗅ぐ
かによるのだ」』
つまり相性があうとは、こういうことでもある。

「私はいったい、何と闘っているのか」 つぶやきシロー 小学館 ★★★
ふとしたときにインターネットで、つぶやきシロー氏が小説を書いていると知った。世間ではお笑い
コンビのひとりが芥川賞をとったりしていた。まあ、餅は餅屋というが、生まれたときから餅屋だと
いう方はいない。小説家もそうだ。とくに問題はない。問題はその小説がおもしろいかだ。いや、お
もしろくなくても特段問題ではない。ただ売れないというだけだ。しかし、売れるとおもしろいは連
動しているかというと一概にそうはならなかったりする。世のなかは理不尽でもある。それらを含め
て考えないといけない。そうしたことには気をつける必要がある。そんなことを気にしない人がいて
もこれも問題なしである。まずは読まないとなにも申しあげられない。図書館の貸し出しだからすぐ
というわけにはいかない。もちろんすぐ読みたいという希望もない。予約本は忘れた頃にやってくる。
これがちょうど塩梅がいい。本作品の主人公であり語り手は伊澤春男、四十五歳。東京近郊スーパー
に勤務し肩書きは主任だ。スーパーはだれもがよく知っているようで知らないことも多い。ましてや
その裏となると、ということになるのだろうか。もちろん人間関係、昇進問題、内部の不祥事などあ
るのは当然である。彼は妻帯者でもある。娘、娘、息子の三人のお父さんでもある。その家庭の事情
も読んでいるうちにわかってくるのだ。ところどころで笑えるのだが、その構造がすこし特殊である。
彼の芸風が文章に滲みでているといえばいいのだろうか。文章というより彼の漫談を聴いているよう
な感じでおかしみを感じるのだ。
『店長になれなかったからといって、慰められるほどのことではない。家族みんなは知っている。私
がスーパーうめや大原店を愛していることを。そうなのだ、私はお店に来てくれるお客さん第一主義
なのだ。自分の事はどうでもいい。店長になりたかったわけではない。そう、店長になりたかったわ
けではない。今のままでいい。何てったって、「春男は、この店の司令塔だもんな」だからだ。店長
なんかになる必要がないのだ。』
勤め人のペーソスがでている。つぶやきシローさんらしい店長のつぶやきである。


テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

ヒトの重さ
重量(重さ)と質量はちがうって理科の授業で習ったよな。
そうだな、どうちがうのかもう忘れたけど。

重量とは物体間に働く重力(引力)の大きさのことなんだよね。
ふーん。

で、質量は物体そのものの「量」のことなんだ。
意味がわかりません。

これをなんで量るかと考えるとわかりやすい。
どういうこと。

天秤量りだと質量、体重計のようなバネ量りだと重量になる。
それで。

だから地球上では差がでないけど、引力の弱い月を想定してみる。
ふむふむ。

月の重力は地球の六分の一だけど、天秤量りだと表示は変化しないが体重計だと六分の一になる。
わかったけど、それがなんなの。

N9582鐘楼

人にもおなじようなことがあるのかなと思ったの。
えっ、なに。

人の「重み」と「質」のちがい。
そういわれれば、そうかな。

重みは人間関係のなかでの相対的評価で、質は本質的絶対的価値みたいなものかなって。
そういうところがあるのかな。

やっぱり、人で重要なのは評判じゃない、質だよなって話だな。

註:質量の単位は「kg(キログラム)」、重量の単位は「N(ニュートン)」。


孤独とひきこもり
似て非なるものだな。
どちらも独りきり感ありますけど。

孤独は諦観にさいなまれている。
よくわからないんですけど。

孤独は人の宿命だけどこころは納得していない。
それで繋がりたいとかわけわかんないこと言うんですかね。

笑ってはいけない。
笑ってませんよ。

孤独はふたりでいるときのほうが感じないか。
逆説的ですね。

ひとりならなんとかなるが、ふたりだともう絶望するしかない。
北原白秋の「他ト我」ですか。

あの詩を読むとそんな気がする。
なんか神経症を患っていませんか。

患っているのは世間のほうだろ。
シニカルですね。

N9716実る

ひきこもりはどうなんだろう。
経験ないですから見当もつきません。

わたしもよくわからないんだ。
寂しいとかじゃないですよね。

そうだね、
ムンクの「叫び」を連想するよ。

ことばとしてなら、宮沢賢治の「無声慟哭」ですね。
声にならない慟哭って、意味的に矛盾してるけどとてもよくわかる。

天岩戸が開き光あふれる的なことがあればいいですね。




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ムッシュ

Author:ムッシュ
島を旅するときが楽しいですね。
遠くに眺めるのも好きです。
楽園なんてないんですけどね。

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